爽やかな香りとたっぷりの果汁、そして甘酸っぱい味わいが魅力の「グレープフルーツ」。
1年中手に入る果物ですが、4~5月ごろにおいしい時期を迎えます。
【グレープフルーツの歴史】
グレープフルーツは、「文旦」と「オレンジ」の自然交配により、18世紀に西インド諸島のバルバドス島で誕生した果物です。
その後、アメリカのフロリダに渡り、栽培が行われるようになりました。
大正時代初期に日本にも伝わりましたが、温暖な気候を好むグレープフルーツは日本の気候に適さないため、栽培が定着することはありませんでした。
現在、国内で販売されているほとんどが、アメリカ・南アフリカ・イスラエルなどからの輸入品です。
アメリカフロリダ産が11~6月、南アフリカ産が6~11月に出回るため、1年中購入することができますが、一大産地であるフロリダのグレープフルーツは、4~5月ごろが旬で特においしい時期になります。
また、多くはありませんが、最近では国内でもグレープフルーツを栽培している地域もあるようです。
【ぶどうではないのになぜ「グレープ」?】
レモンやオレンジと同じ柑橘類であるグレープフルーツ。
ぶどうの仲間ではないのになぜ「グレープ」とつくのでしょう?
それは、木になっている実がぶどうの房のように1本の枝に数個ずつくっついており、その姿がぶどうに似ていることからグレープフルーツと呼ばれるようになったと言われています。
【グレープフルーツの主な品種】
①マーシュ
店頭で見かけることが多い代表的な品種で「ホワイト」とも呼ばれています。
種はほとんどなく、白みがかった薄黄色の果肉と爽やかな酸味、ほのかな苦味が特徴です。
1860年ごろにアメリカのフロリダで発見され、現在ではアメリカのフロリダ、南アメリカを中心に栽培されています。
②ルビー
「ピンクグレープフルーツ」と呼ばれている品種です。
果皮は黄色からオレンジ色で一部赤みがかっているものもあります。
果肉は赤く、ホワイト種より甘味が強く、酸味が少ないのが特徴です。
アメリカで多く栽培されています。
③スタールビー
ルビーよりもさらに濃い赤色をした果肉と、酸味、苦味が少ないのが特徴です。
アメリカのテキサスで誕生した品種です。
④スウィーティー
「文旦」と「グレープフルーツ」を掛け合わせたイスラエルで栽培されている品種です。
果皮は緑色で、果肉は薄黄色をしています。
酸味が少なく、まろやかな甘味と爽やかな香りが特徴です。
アメリカ産のものは、「オロブランコ(オロブロンコ)」と呼ばれています。
【グレープフルーツの選び方と保存方法】
形がきれいな丸形でずっしりと重みがあるもの、果皮にハリとツヤがあり、色鮮やかなものを選びましょう。
新鮮なものであれば1~2週間は日持ちします。
低温だと味が落ちてしまうため、風通しのよい冷暗所または、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
皮をむいて果肉を取り出し、保存袋に入れて冷凍することも出来ます。
使うときは、冷蔵庫で少し解凍させてそのまま食べても、牛乳やヨーグルトと一緒にミキサーにかけてフローズンドリンクにしてもおいしいですよ!!
【グレープフルーツの嬉しい効果】
グレープフルーツには、ビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは風邪の予防や、コラーゲンの合成を助ける働きにより、美肌作りにも役立ちます。
爽やかな香りは「リモネン」によるもので、気分をリフレッシュさせてくれたり、がん予防にも期待できます。
また、特徴でもあるほのかな苦味は、ポリフェノールの一種「ナリンギン」という成分によるものです。
ナリンギンは脂肪の分解を促進する作用があり、肥満予防や改善に効果が期待できるという研究報告もあります。
【相性抜群!魚介とグレープフルーツのサラダ】
グレープフルーツはデザートとして食べるだけではなく、肉や魚のソースに使ったり、果汁をごはんと合わせてお寿司にしたりとさまざまな料理に活用されています。
今回は、簡単に作れるサラダをご紹介します。
<材料>
ほたて貝柱(生食用)・・6枚
グレープフルーツ・・1/2個
きゅうり・・1本
新玉ねぎ・・1/4個
ベビーリーフ・・1袋
Aオリーブオイル・・大さじ1
A粒マスタード・・小さじ1/2
Aグレープフルーツ果汁・・大さじ1
A酢・・小さじ1
A塩・・小さじ1/4
<作り方>
- ほたては横半分に切り、熱湯でサッとゆでて冷水に取る。
- グレープフルーツは果肉を薄皮からはがし、食べやすい大きさに切る。
- きゅうりは皮をむいて乱切りに、玉ねぎは薄切りにして水にさらす。
- 器に(1)・(2)・(3)・ベビーリーフを盛り付け、よく混ぜ合わせたAのドレッシングをかける。
ほたて以外にも、かにやえびなどでもおいしいですよ!
4~5月は新しい環境で頑張る人が多い時期です。
グレープフルーツを食べて気分をリフレッシュするものよいですね☆
Text by まち/食育インストラクター