クリスマスが終わると、お菓子屋さんでよく見かける「ガレット・デ・ロワ」。
フランスでは新年のお祝いに欠かせない伝統的なお菓子ですが、どのようなお菓子で、いつ食べられるのかご存知ですか?
【ガレット・デ・ロワとは?】
ガレット・デ・ロワは、キリスト教の祭日である1月6日の「公現祭(エピファニー)」にちなんだパイ菓子ですが、1月中であれば公現祭に限らず、人が集まるときに食べられています。
ガレット(garette)は「円形のお菓子」、ロワ(roi)は「王様」のことを言い、丸い形をしたパイ生地の中にアーモンドクリームを入れて焼いたもののことを指します。
パイの上には紙で作った王冠が、パイの中には、「フェーブ」と呼ばれる陶器製の小さな人形がひとつ入っており、切り分けたときにフェーブが入っていた人は、その年の「王様」、「女王様」に!!
王冠をかぶり集まった人々から祝福され、その年は幸せに過ごせると言われています。
フェーブとは「そら豆」を意味し、そら豆が胎児の形に似ていることから、古くから命のシンボルとされてきました。
【ガレット・デ・ロワの模様】
ガレット・デ・ロワの表面に描かれている模様は4種類あります。
渦巻き状は「太陽」を表し、葉っぱの模様は「月桂樹」、格子状は「ひまわり」、矢羽模様は「麦の穂」を表しています。
それぞれ太陽は「生命力」、月桂樹は「勝利」、ひまわりは「栄光」、麦の穂は「豊穣」などと縁起の良いモチーフになっています。
【パイシートで簡単!ガレット・デ・ロワ】
一見作るのが難しそうなガレット・デ・ロワ。
でも、市販のパイシートを使えば簡単に作れますよ!!
<材料>(直径15~18cm 1個分)
冷凍パイシート(20cm角程度のもの)・・2枚
無塩バター・・50g
粉砂糖・・50g
卵・・50g
アーモンドパウダー・・50g
ラム酒・・大さじ1
ぬり卵・・卵黄1個に牛乳(または水)小さじ2を合わせたもの
<アーモンドクリームの作り方>
- 常温でやわらかくしたバターをボウルに入れ、泡立て器でよく混ぜ合わせる。
- バターがマヨネーズ位のやわらかさになったら、粉砂糖を加えてさらに混ぜる。
- 粉っぽさが無くなったら、溶いた卵を2~3回に分けて加え、都度なめらかになるまでよく混ぜ合わせる。
- ふるったアーモンドパウダーを加えてゴムべらで混ぜ合わせ、ラム酒を加える。
これで、アーモンドクリームは完成!!
使うまでは冷蔵庫に入れて冷やしておきます。
次は、パイの成型です。
<パイの成型>
- 冷凍パイシートに打ち粉をし、麺棒で2~3mm厚に伸ばす。
(パイシートはすぐにやわらかくなってしまうので、手早く作業してください) - 伸ばしたパイシートの1枚の中心にアーモンドクリームを円形にしぼり、フェーブをのせる。
(家にフェーブがなかったので、今回はアーモンドで代用しました。) - アーモンドクリームの周りにぬり卵を塗り、もう1枚のパイシートをかぶせ、しっかりと生地をくっつける。
- アーモンドクリームのあるところの2~3cm外側からパイシートを円形に切る。
(抜き型やボウルを使うときれいな円形にカットできます。
また、この状態で30分~1時間冷蔵庫で冷やすとこの後の作業がしやすくなります。) - アーモンドクリームがあるところのパイ生地にぬり卵を塗り、模様をつける。
- 200℃に温めたオーブンで50~60分焼く。
焼き上がったら粉砂糖を上にかけ、再びオーブンに入れて粉砂糖を溶かすことで、表面がツヤッとした仕上がりになります。
家族や友達が集まった時に、ガレット・デ・ロワを切り分け、今年の王様、女王様を決めるのも楽しいですね。
Text by まち/食育インストラクター