皆さん、冷凍卵という言葉を聞いたことはありますか?
冷凍卵は読んで字のごとく、冷凍した卵のことです。
殻ごと冷凍庫で一晩冷凍し、しっかりとかたまったら解凍して使います。
(ラップにくるんでから冷凍するといいですよ。)
卵黄と卵白を分けて使ったりそのまま使用したりと用途は様々で、卵かけごはんやスコッチエッグなど、さまざまな調理に使えます。
では、冷凍卵の「クリーミーでもっちもち」の正体は何なのでしょうか?
それは・・・、ズバリ、卵黄でした!
【冷凍卵のクリーミーでもっちもちはどこからくるの?】
冷凍卵のクリーミーさやもちもち感の正体は卵黄です。
昔から卵白は冷凍保存出来るが、卵黄は冷凍できないと言われてきました。
そのわけは卵白を冷凍→解凍しても多少水っぽくなる場合もありますが、基本的には元の状態に戻ります。
それに対し、卵黄は冷凍してしまうと粘性が出て元のようなサラ~とした液状には戻らないので他の食材と混ざりが悪くなり、お菓子や料理等に使うということが出来なかったのです。
なぜ、卵黄だけ元に戻らないのかというと、卵黄に含まれている油脂分が影響しているのです。
卵黄はたんぱく類と脂分がくっついていますが、冷凍することにより分離してしまいます。
成分の変性が起こりやすい卵黄は、冷凍すると元の状態には戻れない・・・ということです。この変性により、もちもちっとした食感が生まれ、多少水分が抜けるという現象も起こるようなので、濃厚なクリーミーさが出るのではないでしょうか。(現在は色々な研究が行われ、業務用等では糖類を添加して成分の変性を抑えることで冷凍を可能にした加糖卵黄等が出回っています。)
今回ご紹介している冷凍卵はそんな卵黄の特性を逆手に取った食材の新たな食べ方なのかもしれませんね。
【注意すること】
冷凍卵は家庭で簡単に冷凍して作ることが出来ますが、最終的には生の状態で食べる場合もありますので、必ず以下の事には注意して使用しましょう。
(今回は国内で生産されている卵についての記述になります。海外ではあまり卵を生食する習慣がないため、日本のように生食を視野に入れた衛生管理ではない場合もあります。海外(また海外産の卵)での卵の生食は避けましょう。)
(1)生食出来る新鮮な卵である事
(賞味期限内であっても、保管状態が良くなかったものは使用しない)
(2)冷凍前に殻が割れていた物は使用しない
(冷凍すると中身が膨張するので殻が割れてしまう事があります)
(3)冷凍したらなるべく早く使い、解凍も衛生的に行う
最近では冷凍卵のように、普段何気なく使っている食材を驚くような方法で調理する事が増えてきましたね。
目新しく、驚きもあるのでついつい試してみたくなりますが、その際はしっかりと衛生面等に気をつけて楽しく調理してくださいね。
Text by さゆり/食育インストラクター