私達日本人はエビ好きが多いですね。
ところで…海老?蝦?
どちらのエビが正しいのでしょう。
実は当てはまるエビの種類が少々違うようです。
今回はそんなエビについて調査してみました。
【エビとは】
エビは甲殻類・十脚目に分類される節足動物で、世界に約3000種いるといわれています。
海のほか、川にも生息しており、泳ぐのが得意な「遊泳型(くるまえび類・てながえび類・たらばえび類等)」と海底を歩く「歩行型(いせえび類・ざりがに類・うちわえび類等)」に分かれます。
【海老と蝦】
「海老」は「歩行型」に分類される大型のエビが該当し、代表的なものとして「伊勢海老」や「オマール」等があげられます。
これらのエビは立派な姿から、慶事の際に使われる高級食材です。
諸説ありますが、「腰の曲がった様が長寿に繋がる」「ゆっくりと歩く様」が御年配の方を連想させるので、「海」と「老」を当てたとする説等があります。
一方、「蝦」は「遊泳型」に分類される小型のエビが該当し、代表的なものとして「車蝦」や「大正蝦」「牛蝦(ブラックタイガー)」「芝蝦」「桜蝦」などがあげられます。
養殖が盛んな種類もあり、普段の食事で気軽に使える食材です。
こちらも諸説ありますが、「ヒゲ」や「脚」がたくさん出ている様子を表しているとする説等があります。
【英語の呼び分け】
海老と蝦とは少し違いますが、英語での海老の呼び分けもあります。
- 小さいエビは「Shrimp(シュリンプ)」
- 中位の遊泳型は「Prawn(プーロン)」
- 大きい歩行型は「Lobster(ロブスター)」
となります。
あまり触れる機会はないかもしれませんが、参考までにご紹介しました。
何かの時に役立つ…かもしれません。
【おがくずの中のエビ】
「おがくず」まみれのエビを見たことありますか?
車蝦などは、生きたまま売られる事も多く、その際は水中ではなく「おがくず」に入っている場合があります。
実は、エビにも魚同様「えら」のようなものがあり、そこから水分を取り込んで呼吸しています。
えらが乾くと、体の水分が減るため、命の危険が増します。
おがくずを入れておく事により乾燥を軽減するので、体内の水分が維持され、しばらくの間は生きる事が出来ます。
水に入れて売るのは難しいですが、おがくずを入れて売れば、消費者も買いやすいですね。
【エビの栄養】
エビは脂質をあまり含まず、高たんぱく・低カロリーな食材です。
また、血中のコレステロール値を低下させ、動脈硬化予防に役立つタウリンや血行促進・老化防止に効果的なビタミンEも豊富です。
桜蝦のような殻ごといただける種類はカルシウムも同時に摂れます。
エビの赤い色は「アスタキサンチン」と呼ばれる色素で、熱を加える事で赤く変色します。
このアスタキサンチンは強い抗酸化力を持ち、紫外線などから皮膚や眼を保護する効果が期待できます。
歩く海老に泳ぐ蝦。
違いはあってもどちらも美味しいエビ。
様々な調理法でエビを堪能してくださいね!
Text by さゆり/食育インストラクター