明治時代の初期に日本に伝わった「チョコレート」。
もともとは、16世紀の初めにコロンブス、次いでアステカ帝国(今のメキシコ)を征服したスペイン人であるコルテスによって飲み物としてヨーロッパに伝えられました。
そんな歴史の深い、「チョコレート」についてのお話です♪
【チョコレートの種類と主な成分】
チョコレートは「カカオ」という植物の種のカカオ豆から作られます。
カカオ豆をすりつぶしてペースト状にした「カカオマス」と、カカオマスから搾り取った脂肪「カカオバター」がチョコレートの主な原料です。
これらのカカオ分(カカオマス+カカオバター)の量や乳成分の有無でチョコレートの種類が分けられます。
●ビターチョコレート、スイートチョコレート、ダークチョコレート
<カカオマス+カカオバター>
カカオマスとカカオバター、糖分からできています。
カカオ豆の味わいを最もストレートに感じられるチョコレートです。
カカオ分が高くなるほど糖分が少なくなるため、より苦みが強くなります。
「ビター」はカカオ分60%以上、「スイート」はカカオ分55%前後を含んでいます。
●ミルクチョコレート
<カカオマス+カカオバター+粉乳>
カカオマスとカカオバター、糖分に乳成分を加えて作る「ミルク」。
乳成分が加わる分スイートチョコよりもカカオ分は低めになり、色も淡くなります。
カカオ豆の味わい以外に乳成分の質によって味が左右されます。
●ホワイトチョコレート
<カカオバター+粉乳>
「ホワイトチョコ」は、カカオバターと糖分・乳成分からできています。
色や風味の素になるカカオマスを含まず、カカオバターのみであるため、真っ白く、甘みも強いのが特徴です。
【第4のチョコレート?!】
ビター、ミルク、ホワイトに次ぐ、第4のチョコレートがあることをご存知でしょうか(^^)?
「ブロンド」チョコレートと呼ばれ、黄金色をしており、キャラメルとビスケットを合わせたような香ばしさが特徴です。
マイルドな甘さと、ほのかな塩気を感じることができます。
フランスの有名なチョコレートメーカーである「ヴァローナ社」が7年もの歳月をかけて開発したそうです。
製作途中で焙炉(ほいろ)に入れっぱなしにしていたホワイトチョコレートが、偶然にも美しいブロンド色に変化していたことがヒントとなり、誕生したそうです。
キャラメル色のチョコレートというのは前から存在していたのですが、ホワイトチョコレートをキャラメリゼしたという点が斬新であり、今注目のチョコレートです☆
【よく聞くテンパリングって?】
テンパリングとは「チョコレートを温度調整すること」で、美しい光沢が生まれ、なめらかな口どけを与えます。
カカオバターには性質の異なる結晶型があり、溶かしただけで放置すると、均一に結晶化せず、ツヤがなくなり、食べるときにざらついてしまうのです。
そのため、チョコレートを溶かして型に流したりするときなど、テンパリングを行う必要があるのです。
【口どけがよいと感じるワケ】
口に入れて味わうと、とろ~り溶けて、なめらかになるチョコレート。
口どけがよいと感じるのは、チョコレートに含まれるカカオバターの融点がカギで、33~36℃と言われています。
人間の体温に近いため、この狭い融点の温度帯のおかげでおいしく、なめらかに感じられるのです。
みなさんいかがでしたか?
こだわりのカカオ豆の焙煎から、チョコレート製造まで行う「Bean To Bar」など、今チョコレートが注目をあびています。
最近、私が気になっているのは、カカオ豆のまわりにある白い果肉、「カカオパルプ」です。
現地でなければ新鮮な果肉は味わえず、どうやらフルーティでとてもおいしい!とのこと。
冷凍のものや、ジュースなど日本でも手に入るようですが、ぜひともカカオの実がなっているところから味わってみたいな~と夢をふくらませています!
Text by ナナちゃん/食育インストラクター