世界三大スープといわれる「ボルシチ」に、欠かせない野菜としてご存知の方も多いかと思います。
日本ではなじみが薄いかもしれませんが、今話題のスーパーフードとして注目を浴びている「ビーツ」についてご紹介したいと思います!
【ビーツはどんな野菜?】
ビーツはテーブルビートやレッドビートとも呼ばれている、アカザ科の植物です。
大きく成長したビーツの根は深いワインレッドで蕪に似ていますが、実はほうれん草の仲間です。
砂糖にもなる甜菜(砂糖大根)の仲間なので、ショ糖を多く含むためとっても甘い野菜です。
ビーツは根の部分を食用としますが、葉の部分はほうれん草と同様の調理法で食べることが出来ます。
ヨーロッパ、南北アメリカ、西アジア、北アフリカなどで盛んに栽培されており、世界中で広く食べられている野菜です。
最近では、缶詰加工されたものだけでなく、生のビーツを見かける機会も増えましたね!
【昔は薬用として使われていた】
古代ローマ人は、発熱や便秘などの治療薬としてビーツを使っていたといわれています。
また、古代ギリシャでは、ビーツの葉を傷口にあてて治していたそうです。
中世に入ると、ビーツは消化器系から血液系の病気の治療薬として用いられてきました。
【「食べる輸血」と言われているワケ】
ビーツは「食べる輸血」と言われるほど、リン、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、カリウムが豊富な野菜です。
さらにビタミン、食物繊維などバランスよく含まれ、疲労回復や整腸作用、貧血予防などの効果も期待できる、すぐれた食材です。
イギリスでは「奇跡の野菜」ともよばれ、美容と健康をサポートする野菜として食べられているそうです(^^)
【鮮やかな赤色はポリフェノール】
赤い色素は、ピタヤ(ドラゴンフルーツ)の赤色と同じポリフェノールの「ベタシアニン」です。
このベタシアニンは、ビーツやピタヤ(ドラゴンフルーツ)などの一部の植物にしか含まれていない貴重なポリフェノールで、強い抗酸化力をもちます。
こうしてビーツのさまざまな成分をみてみると、昔から薬用として用いられた理由も納得ですね!
【ビーツの食べ方】
ビーツは生でも加熱しても食べられます。
加熱する際は、鮮やかな赤色を保つために皮を剥かずにゆでるか、ホイルでくるみオーブンでローストします。
丸ごと焼くと、甘くてねっとりとした食感になります。
サラダやスープ、お肉などの付け合わせ、デザートにまで幅広く使え、さまざまな料理に合う食材です。
クリーム系などの白いものと、ビーツの鮮やかな赤色が混ざり合うと、ピンク色のかわいらしい色合いになります。
野菜の色とは思えないほど、きれいな色になるんです!
目にも鮮やかなビーツ料理に挑戦してみてはいかがでしょうか。
【最後に注意点!】
ビーツの赤い色は、皮を切るとすぐに流れ出てしまいます。
手やまな板についてしまったらレモン汁などで落とすことができますが、ビーツを調理するときは気を付けましょう!
以前、ニュージーランドでハンバーガーを食べたときに、真っ赤なビーツのスライスが入っていて大変驚いた記憶が今でも鮮明に残っています。
スペインやトルコなどではビーツを混ぜたポテトサラダをロシア風サラダと呼んで食べているようです。
栄養も豊富で彩りもきれいな「ビーツ」を、ぜひとも取り入れてみてください(^^)/
Text by ナナちゃん/食育インストラクター