夏を代表する魚といえば「鮎」。
鮎は川魚のなかでも古くからたくさんの人に好まれ、食べられていました。
鮎は鮭や鱒のように、海と川を旅しながら生きる魚。
春に海から川に上りはじめ、秋に産卵を終えると、わずか1年の短い一生を終えます。
魚へんに「占」の漢字があてられたのは、鮎を釣って戦の勝利を占ったところからといわれています。
また、香りがよいところから「香魚」、寿命が1年であるところから「年魚」とも書きます。
【塩焼きの骨がスルっと抜けるコツ】
鮎の骨は細かいため、のぞきながら食べるのは少し面倒…
そんな方におススメな一気にスルッと骨を抜いてしまう方法があるのです。
まず、背ビレと尾ビレをはずし、箸で身の部分を押さえてほぐします。
頭と胴の部分を、中骨が切れないように離し、頭を持って、ゆっくりと引き出すと、骨がスルっと抜けてしまいます!
【天然ものと養殖もの】
天然ものは数が少なく、口にする機会も多くはないと思いますが、養殖の鮎は、スーパーなどでも比較的安価で手に入るようになりましたよね。
天然ものと養殖ものを味で比べると、うまみ成分の多い天然ものに軍配があがります。
一方で、養殖ものはエサに恵まれているため脂質が多く、血行促進にはたらくビタミンEが多い特徴があります。
【鮎のおいしい栄養】
筋肉や皮膚、血液をつくる良質なたんぱく質が含まれるほか、骨の強化に役立つカルシウムも豊富。
脂質には、脳を活性化させるDHA、コレステロールを低下させるEPAが含まれます。
また、ハラワタには視力の回復、免疫力を高める効果のあるビタミンAが多く含まれます。
このため、塩焼きの鮎はハラワタも一緒にとるのがおススメですよ!
【鮎の昆布巻きがもつ相乗作用】
鮎を昆布で巻いて、砂糖、しょうゆ、酒などで甘辛味に煮付けた昆布巻きは、うま味が溶け合い絶品ですよね。
この組み合わせは、鮎のDHAやEPAがもつコレステロールや中性脂肪の低下作用と同じような働きが、昆布に含まれる水溶性食物繊維のアルギン酸にもあり、相乗作用で動脈硬化の予防に役立つとされます。
小さいころに、川遊びに出かけ、鮎のつかみどりをした記憶が、今でも鮮明に残っています。
夏休みに、鮎の塩焼きを食べるのも楽しみのひとつでした。
夏を告げる川魚の王様、「鮎」の季節を感じながら、ぜひとも味わってみてはいかがでしょうか?
Text by ななちゃん/食育インストラクター