皆さん「甘茶」をご存知ですか?
実は4月の花まつりに欠かせないものなのですが、お砂糖が入っていないのに驚くほど甘いお茶なのです。
今回はそんな甘茶についてのお話しです。
【「花まつり」と甘茶】
花まつりは別名「灌仏会(かんぶつえ)」、「仏生会(ぶっしょうえ)」とも呼ばれる、お釈迦様の誕生日をお祝いする行事です。
一般的にはお釈迦様の誕生日とされる4月8日に行われますが、旧暦や陰暦の関係で5月8日に行われているところもあるようです。
色とりどりのたくさんの花で飾った花御堂(はなみどう)が作られることから、花まつりと呼ばれるようになりました。
花御堂に祭られたお釈迦様の像に甘茶をかけますが、これはお釈迦様が生まれた時に九頭の龍が天から甘露の雨を降らせたという言い伝えが由来しています。
花まつりでもらった甘茶を飲むと無病息災に、目につけると目がよくなると言われています。
【砂糖の1000倍も甘い!?甘茶の秘密】
「アマチャ」はユキノシタ科のヤマアジサイの変種です。
このアマチャの若い葉を蒸してもみ、乾燥させたものを「甘茶」と言い、お茶として飲むのはもちろんのこと、天然の甘味料や生薬、また化粧品や入浴剤まで様々なものに用いられています。
甘茶の甘さは、甘茶に含まれる甘味成分「フィロズルチン」、「イソフィロズルチン」によるもので、砂糖の約1000倍甘いとも言われています。
名前が似ているもので甘茶蔓(あまちゃづる)茶がありますが、これはウリ科の植物で甘茶と別物です。
しかし、甘茶のような甘味があることからこの名前がつけられたようです。
【甘茶のうれしい効果】
甘茶はとても甘いのですがカロリーがゼロなので、糖尿病の方の食事にも用いられているそうです。
また、「甘茶メタノールエキス」が含まれ、花粉などのアレルギー性疾患や、アトピー性皮膚炎に効果が期待されています。
その他にも、抗酸化作用によるアンチエイジング効果や、抗菌作用による歯周病、口臭予防などにも効果があると言われています。
スーパーではなかなか売られていませんが、漢方薬局や通販などで購入する事が可能です。
ひと口飲むと本当にお砂糖が入っているかのように甘味を感じる甘茶ですが、飲む際には注意が必要です。
甘いの大好き!と言って濃く煮出してしまうと、おう吐や吐き気などの中毒症状を起こすおそれがあります。
茶葉やお湯の量は購入した時の袋の表示を参考にし、煮出しすぎには気を付けて、おいしい甘茶を頂きましょう!!
Text by まち/食育インストラクター