7/10は7(なつ)10(とうがん)で冬瓜の日です。
冬瓜は夏が旬ですが、なぜか漢字では冬の瓜と書く不思議な野菜です。
今回は冬瓜の秘密に迫ります!
【冬(まで保つ)瓜】
冬瓜の歴史は古く、原産はインドもしくは東南アジアとされ、中国を経由して日本に持ち込まれました。
少なくとも平安時代には栽培が始まっていたようで、当時の文献(本草和名)に記載があります。
食品保存の技術が乏しいこの時代では、収穫後、切らずに丸ごと保存しておくことで、冬まで食べられる野菜はとても大切なものだったのでしょう。
冬瓜の旬が夏なのに冬の瓜と名づけられていることには、そんな当時の事情が関係しているのですね。
【冬瓜の産地といえば…?】
都道府県を代表する農作物と聞くと、パッとイメージが結びつくものがいくつかありませんか?
例えば、じゃがいもと言えば北海道・お米といえば新潟・いちごといえば栃木…など、生産量の多さだけではなく、有名なブランド品種の原産地であるなど、イメージを補強する要素はたくさんあります。
それでは、冬瓜と言えば……?
さて、みなさんはどちらの都道府県を思い浮かべましたか?
もしかすると、どこの都道府県も思い浮かばなかったという方もいるのではないでしょうか。
冬瓜の出荷量で比較してみると、都道府県別では沖縄県が出荷数1位です。
沖縄野菜といえばゴーヤが有名ですが、ゴーヤと同じくウリ科の冬瓜も育てやすい環境なのですね。
沖縄県ではシブイと呼ばれることがあり、煮物や汁物の具として利用されています。
本州では愛知県や岡山県、神奈川県での出荷数が多く、比較的温暖な気候の地域の方がよく収穫できるようです。
【年に2回の冬瓜の日!?】
冬瓜の日は年に2回あります。
もう1日はいつかというと、なんと4月10日!春の入学式シーズンのときなのです!
これは4(シブイ)と10(とうがん)にちなんで、JA沖縄が制定した冬瓜の日です。
確かに、真冬でも20度以上の日が多い沖縄県なら、4月でも冬瓜の収穫は可能ですね。
7月10日の方は、JA岡山が提唱した岡山牛窓産冬瓜の日となります。
冬瓜の出荷量の多い牛窓地区の冬瓜を知ってもらいたいと提唱された経緯があるそうです。
認定された時期は沖縄県の4月10日の方が早いのですが、4月に冬瓜が収穫できる県は多くないため、7月10日の方を大きく扱う場合もあります。
しかし、保存性が高いのが冬瓜の魅力。
そして、貯蔵技術の進んだ現代では、本州でも4月に冬瓜を購入することは難しくありません。
年に2回の冬瓜の日、せっかくなので、どちらの日も冬瓜を召し上がってみてはいかがでしょう?
まだ肌寒い日もある4月は温かい煮物、梅雨が明けて本格的に暑くなる7月は冷製のスープなどサラッとした口あたりの料理で…と、気候に合った楽しみ方を見つけるのもいいですね☆
夏だけれど冬の瓜、冬瓜。
栄養面ではビタミンCと食物繊維がやや多く、カリウムなどのミネラルも含むので、汗をよくかくこれからの季節にはぴったりの野菜です。
さっぱりした後味は夏バテで食欲の無いときでも食べやすいので、ぜひ召し上がってくださいませ☆
Text byはむこ/食育インストラクター