7月2日は“半夏生”!今が旬の“タコ”を食べよう☆

日に日に暑さが増す7月。
そんな7月に入るとすぐにやってくるのが、“半夏生”(はんげしょう)です。
今回は、半夏生と関わりが深い“タコ”についてのお話です☆

【“半夏生”ってなに?】

夏至の日(6月21日ころ)から数えて11日目にあたる日、もしくはその日から5日間を半夏生と言います。
月日でいうと7月2日ごろ、もしくは7月2日ごろから6日ごろまでになります。
夏至の日は毎年同じではないので、半夏生の日(期間)もそれに合わせて変わります
例えば、去年(2020年)の半夏生は7月1日(~5日)でしたが、今年は(2021年)は7月2日(~6日)になります。
半夏生は気候の変わり目として、農作業の大切な目安とされています。
田植えは「夏至のあと、半夏生に入る前に終わらせるもの」であり、それを過ぎると秋の収穫が減ると言われてきました。
半夏生の前に無事田植えを終えた農家では、この日の天候で稲作の豊凶を占ったり、田の神を祭ったりするところもあったそうです。

【どうして半夏生にはタコ?】

半夏生にタコを食べるという風習は、主に関西地方に根づいています
これは、『稲の根が、タコの足のように四方八方しっかりと根付きますように』、『稲穂が、タコの足(吸盤)のように立派に実りますように』という願いに起因しています。
ちなみに、香川県ではうどん、福井県ではサバを食べるなど、全国各地でさまざまな風習があるようです。

【実は“タコ好き”な日本人】

タコは、骨や皮を処分することなく丸ごと食べられる便利な食材。
今から2000年以上前の弥生時代の遺跡からタコ壷と思われる土器も出土しており、日本ではそのころからタコを食す文化が根づいています。
日本国内では毎年約3万7千トン前後のタコが収穫され、加えて西アフリカのモーリタニアやモロッコ、中国などから輸入しています。
また、日本のタコ年間消費量は世界全体の約60%を占めており、日本はタコを愛する国と言えます☆
しかし、一部の外国では、宗教上の理由から『鱗のない魚介類は汚らわしいもの』とされ、「デビルフィッシュ(悪魔の魚)」と呼ばれ、忌み嫌われてきました。
ちなみに、同じ軟体動物の「イカ」は、世界での年間漁獲量が300万トンを超え、そのうち日本で消費されるのは約100万トン(30%)にのぼります。
実はこの消費量も世界一なのですが、イカはスペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャなどでもおなじみの魚介類として親しまれており、タコに比べるとより多くの国で食材として認知されています。
タコとイカ、どちらもおいしく食べる私たち日本人からすると、この差はちょっと不思議ですね…。


【タコの種類】

タコは日本近海に約60種類くらい生息していると言われていますが、実際に流通しているのは数種類程度。
今回は代表的な3種類をご紹介します。

マダコ
最も多く消費されていて、ほぼ1年中流通しています。
瀬戸内エリアでは6~8月ごろ、三陸エリアでは11~12月ごろが旬。
兵庫県の「明石ダコ」や広島県の「三原やっさタコ」のほか、宮城県の「志津川のタコ」などはブランド品として知られています。

●ミズダコ
「オオダコ」の異名を持ち、体長3~5m、体重10~50kgでタコ類最大と言われています。
マダコがあまり流通しない北海道や東北でメジャーなタコです。
ほぼ1年中水揚げされますが、主に12~1月の冬が旬とされ、北海道で獲れるミズダコは「北海タコ」とも呼ばれています。

●イイダコ
胴体の中にたっぷりの卵が詰まっていて、1年中漁獲されています。
卵巣が発達して卵が熟してくる1~3月ごろが旬とされています。

タコはタコでも、それぞれ異なる味わいや食感が楽しめます!
店頭で見かけた際は、ぜひ手に取ってみてくださいね☆

【タコの栄養素をチェック!】

●タウリン
血圧やコレステロール値を下げて、肝臓の機能を高める働きがあるほか、疲労回復効果も期待できます。

●ビタミンE
抗酸化作用があり、老化予防のほか、血行促進に役立ちます。

●銅
ヘモグロビンの生成を助け、貧血予防に効果があります。

●亜鉛
皮膚や粘膜を健康に保つほか、味覚の正常化に関わります。

このほか、うま味成分の一種で、血中コレステロールを低下させる働きが期待できるベタインなども含んでいます。

いかがでしたか?
タコは、高たんぱく・低脂質の健康食材です☆
この夏は、サラダや炒め物、炊き込みごはんなど、ぜひいろいろな料理でタコをお楽しみください♪

Text byろい/食育インストラクター