特有の風味を持つ野菜はたくさんありますが、今の季節に旬を迎えるにらもそのひとつです。
中華料理に多く使われる野菜で、特に餃子には欠かせない存在。
お手軽で栄養のあるにらは、日常的に口にしやすい野菜ですね。
今回はそんな身近な野菜である、「にら」についてのお話です。
【買ったその日のうちに!】
今回のタイトルにもなりましたが、にらは鮮度が命の野菜です。
採れたてのにらは切り口から水が滴るほどみずみずしいのですが、その劣化しやすさは野菜の中でもダントツです。
乾燥にも水分にもめっぽう弱く、とても繊細なのですね。
そのため、安かったからと多めに購入したものを冷蔵庫に放置すると、翌日には葉先がしおれてしまうことも…!?
みずみずしくシャキッとした歯ざわりのよさはにらの魅力のひとつなので、なるべく鮮度を保ちたいものです。
にらは鮮度を保ったまま保存することが難しいため、購入後は何らかの処理をして、保存するのが鉄則です。
1.冷蔵する
根元にしっかり水を吸わせたあと、切り口に濡れたペーパータオルをあて、さらに全体を新聞紙に包んで野菜室に保存する。
この方法なら2~3日程度もたせることができますが、購入時の状態に大きく作用されるので、あくまでも目安程度と考えてください。
2.調味液につける
調味液につけることで、3~4日間ほど冷蔵庫で保存できます。
にらのシャキシャキ感は弱まりますが、生のままゴマ油やラー油をベースにした調味液につけると風味よく食べられます。
焼き肉と合わせて食べるのがおすすめです。
3.冷凍する
そのままではなく、食べやすい大きさに切ってサッと湯通し(3~5秒ほど)してから水気をしっかりふき取って、小分けにして冷凍すると2週間は保存可能です。
水気が残っているとにらの繊維が壊れてしまうので注意が必要です。
使うときは解凍せず、凍ったまま調理しましょう。
これらの方法を駆使すれば、にらをおいしく保存することができます。
逆に、これらの処理が難しければ、使わないときは購入しないこともひとつの選択肢として考えておくとよいですね。
【捨てないで!根元は栄養満点!?】
にらは葉野菜だし、根元はあまり使わないようにしている。
…もし、そうして根元を捨てて食べているなら、ちょっともったいないかもしれません。
にらの根元は、硫化アリルやビタミンEなどの栄養素を豊富に含んでいます。
硫化アリルはビタミンB1の吸収を高め、糖質の代謝に役立つ効果があります。
ビタミンEは体の酸化を防ぐ抗酸化ビタミンの一種で、血行促進効果も期待できます。
にらの根元はそれらの栄養素が葉先の2倍以上あるので、捨てずに利用したいところです。
葉先と比べるとにら特有のにおいが強い部分なので、慣れない場合は細かく刻んで餃子の肉だねやつくねなどに利用するのがおすすめです。
特に、豚肉は硫化アリルと相性のよいビタミンB1が多いので、一緒に料理すると相性ばっちりですよ☆
余談ですが、硫化アリルはにらの破壊された細胞が酸化することでできるので、採れたての新鮮なにらからはほとんどにおいがしないとされています。
逆に、においを強く出したいときは、細かく刻んでから使えばしっかり香りが出てくるので、用途によって使い分けてもよいですね☆
なお、にらは栽培の難易度が低く、プランターなどを利用すれば家庭菜園でも収穫ができる野菜です。
採れたてのにらを味わうなら、自家栽培という手段もあることを覚えておいてもよいですね。
鮮度が命のにら、ぜひおいしいうちに召し上がってくださいませ☆
Text byはむこ/食育インストラクター