日本でも西洋のハーブやスパイスが身近になりました。
西洋料理やエスニック料理などに使うと、ぐっと本場の味に近づきますよね。
ハーブやスパイスはかつて、薬と同じような扱いをされていて、さまざまな薬効があると信じられていました。
今回はそんなハーブの神秘的(?)な世界に注目してみます!
【現代の薬とはちょっと違うもの?】
かつては薬と同じように考えられていたハーブですが、現代ではあくまでも食品のひとつとして数えられています。
ハーブそのものを食べたからといって、病気が治るというものではないのですね。(※もちろん、ハーブから抽出された成分をもとに調薬された医薬品もたくさんあります)
ハーブには刺激のある成分が含まれていることもあるため、やみくもに食べてしまうと、かえって体調の悪化をまねく可能性もあります。
ちょっとした香りづけなどに使い、料理をより楽しむものとして付き合っていくのがよいですね。
いくつかの代表的なハーブは神経の高ぶりを抑える香気成分が含まれているので、ハーブを使った料理を作ることで、気分転換になることもありますよ。
【代表的で使いやすいハーブ三選】
●バジル
多くのスーパーで取り扱っており、手に入りやすい代表的なハーブといえます。
すっとした清涼感のある香りで、リナロールやオイゲノールという、鎮静作用のある香気成分が含まれています。
イタリア料理に欠かせないイメージが強いですが、シソ科に分類されており、青しそとは遠い親戚のような関係です。
そのため、青しその代わりとして使うことも可能です。
いつもはしそで作っている料理も、香りが変わるとまったく新しいものに感じられますよ。
●タイム
バジルと同じくシソ科のハーブで、清々しい香りがします。
香気成分のチモールには殺菌作用があり、肉や魚の生臭みを消す目的で使われますが、刺激があるのでバジルのように生食でサラダなどにして食べるのは食べ慣れてからの方がよいでしょう。
加熱しても香りが残りやすいハーブなので、西洋風の煮魚や、牛すねなど長時間加熱する部位の調理のときに使ってもよいですね。
●ローズマリー
こちらも分類はシソ科の低木のハーブですが、鼻がスッとするような非常に強い香りを持ち、そのまま生食するのは不向きです。
クセの強いラム肉などは臭み消しに、淡白な鶏肉には風味づけとして役立ちます。
日本でも育てやすいハーブとして有名で、香気成分のカンファーは樟脳(しょうのう)とも呼ばれ、虫よけ効果があるため、コンパニオンプランツとしても人気です。
じゃがいもや根菜、油脂とも相性がよいので、あまっているときはこれらの野菜と一緒に素揚げにすると、香りよくおいしく食べられますよ。
これらの代表的なハーブは日本でも手に入れやすいですが、一般的な野菜に比べるとやや割高になります。
タイムやローズマリーは香りが強く、一度に大量に使うことが少ないため、持てあましてしまうこともあります。
その場合はドライハーブを購入するとよいでしょう。
フレッシュなものと比べると香りは弱まりますが、急いで使わなくてもよいので、ハードルがぐっと下がります。
また、フレッシュハーブがあまった場合は、フレーバーウォーターにして消費するのもよいですね。
しっかり洗浄したハーブとお好みの果物類と飲料水をポットに入れて冷蔵するだけで、香りよく水分補給ができます。
その日のうちに飲み切る必要がありますが、あまっているハーブがあれば試してみてはいかがでしょう?
Text byはむこ/食育インストラクター