食材を賢く保存&上手に活用しよう!~魚の切り身編~

家での下処理の手間を省けるのが嬉しい「切り身魚」。
とはいえ、傷みやすくにおいも気になりますよね・・・。
今回はそんな「魚」にスポットをあて、おいしくかつ長持ちさせる保存法やお手軽レシピをご紹介します☆

【魚の冷凍耐性を知ろう!

皆さんは、魚介類には種類によって冷凍に向き・不向きがあるというのをご存知ですか?
マグロやカツオなどの赤身魚、イカやタコなどの水分が少なく組織がしっかりしているものは冷凍に向いています。
反対にタラなどの白身魚は組織が弱く、そのまま冷凍すると解凍時にドリップが出てしまい、うま味が損なわれてしまいます。
なので、冷凍耐性が低い魚は、下味をつけてから保存するのがおすすめです☆

【おすすめの賢い保存法をご紹介!

今回は、店頭でよく見かける4種の切り身を例に挙げて保存法をご紹介します☆

 ●カジキマグロやタラ
冷蔵・冷凍ともに、下味をつけると保存性が高まります☆

冷蔵なら・・・(保存目安:冷蔵室→約1週間)
冷凍なら・・・(保存目安:冷凍室→約2週間)

1.しょうゆ漬け
しょうゆ・酒・みりん・しょうが(薄切りorすりおろし)を混ぜ合わせ、魚をつける。
2.みそ漬け
みそ・酒・みりんを混ぜ合わせ、魚をつける。
※水分が出てくるので、長期保存する場合が“冷凍”がおすすめです。
3.オイル漬け
オリーブオイル・塩・こしょう・にんにく・ハーブ・レモン汁などを合わせ、魚をつける。

●ブリやシャケ
上記のように下味をつけて保存してもOKですが、そのほかにもこんな方法があります☆

冷蔵なら・・・(保存目安:冷蔵室→約2日、パーシャル室→約1週間)
1.水気を拭き取る
切り身魚の水気や汚れをペーパータオルで拭き取る。
2.ラップで包む
水気をよく拭き取ったら、1枚ずつラップでぴっちりと包む。
3.ポリ袋に入れる
ポリ袋に入れて密閉して保存する。

冷凍なら・・・(保存目安:冷凍室→約2週間)
1.氷水にくぐらせる
ボウルに氷水か塩水を張り、切り身魚をくぐらせる。
※魚のまわりに氷の膜をつけるために、あえて水気は拭き取らないようにします。
2.密閉して保存
空気を抜くようにラップでぴっちりと包み、冷凍用保存袋に入れて急速急冷をする。


【生のまま冷凍or焼いて冷凍、どっちがおいしいのか検証してみた!

今回は、シャケを2つの方法で冷凍保存し、最終的にどちらがおいしく仕上がるのかを検証してみました!

A:塩を振って、生のまま冷凍
1.シャケに塩を振りラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍する。
2.自然解凍し、フライパンや魚焼きグリルで焼く

B:焼いて冷凍
1.シャケを焼いて冷まし、ラップで包み冷凍用保存袋に入れて冷凍する
2.自然解凍し、電子レンジで加熱する

気になる結果は・・・
Aの方がふっくらジューシーに仕上がりました☆

自然解凍してから焼くと脂がジュワッとにじみ出て、ふっくら焼くことができます。
一方、焼いてから冷凍すると、焼いた時に脂肪分とうま味成分が流れ出てしまうので、解凍してもパサッとした食感になってしまうのです。
Bのように焼いたシャケは、ほぐしたあと、調味して冷凍するのがおすすめです♪

いかがでしたか?
魚は傷みやすいため、家庭で安全に冷凍するためには、鮮度のよい魚を早めに適切に保存することが大切です。
また、魚をラップに包んだだけ、ビニール袋に入れただけの状態で冷凍すると、魚が空気に触れて乾燥や酸化をまねきます。
ほかの食品へのにおい移りも気になるため、しっかり密閉できる保存袋を使い、空気を十分に抜いて保存しましょう。
ちなみに、ついついやってしまう方も多いかもしれませんが、買ってきたトレイのまま保存するのはNG!!
水分や汚れ、血などが残っていて、微生物が繁殖しやすくなるので注意が必要です。

旬を迎えた魚は脂のりがよく、うま味もアップします☆
皆さんも今回ご紹介した保存法を実践し、ご家庭でおいしく魚料理を召し上がってくださいね♪

Text by ろい/食育インストラクター