郷土料理から地域の食文化を知ろう!「茨城県 ピーナッツ味噌」

郷土料理は、地域の産物を活用し、風土にあった食べ物として作られ、人々の暮らしのなかで受け継がれてきました。
南北に長い日本では、地域性豊かな郷土料理がたくさんあります。
今回は茨城県のソウルフード「ピーナッツ味噌」をご紹介します。

【ピーナッツ味噌とは?】

炒った落花生に水あめのような甘い味噌が絡んだ落花生の常備菜です。
「落花生味噌」や「みそピー」など各家庭で呼び名も味も違います。
落花生の生産地である茨城県や千葉県で親しまれ、もともとは、市場に出荷できない規格外の落花生をおいしく食べる方法として、農家の人たちが考案した料理なのだとか。
県内の給食では、当たり前のように「ピーナツ味噌」が提供されていました。
白いごはんはもちろん、お酒のおつまみにもピッタリ、箸が止まらない懐かしい味わいです。

それではレシピをご紹介します。

【ピーナッツ味噌】

<材料> 調理時間:35分
炒り落花生・・100g
ごま油・・大さじ1/2
A砂糖・・20g
Aはちみつ・・大さじ1/2
A酒・・大さじ1
味噌・・25g

 <作り方>

  1. フライパンにごま油を熱し、落花生を入れてパチパチ音がするまで炒める
  2. (1)にAを入れて、砂糖が溶けるまで焦がさないようにかき混ぜる
  3. 砂糖が溶けたら、味噌を入れてなめらかになるまで1分練って火を止める

今回は時短レシピにするため、炒り落花生を使っています。
もし、生落花生が手に入ったら、

①フライパンで炒る場合
殻をむいた生落花生をフライパンに広げ、弱火でじっくり焦がさないように30分程度炒ります。

②電子レンジの場合
耐熱皿に生落花生を広げ、600wで3分加熱。
1分加熱するごとに取り出してかき混ぜて均一に熱が伝わるようにします。

③オーブンの場合
200℃に予熱し、天板にオーブンぺーパーを敷き、生落花生を広げて5分加熱します。

①~③のいずれかの方法で、あらかじめ火を入れてから作ってください。


【落花生の呼び名は?】

ピーナッツ、南京豆とも呼ばれています
落花生は、花が落ちたあと、子房の下の部分が伸びて地中に潜り込み、地中でさやとなり実をつけることからその名がついたそうです。
日本には江戸時代ごろ伝わったと言われていますが、本格的に栽培されたのは明治以降のようです。
旬は8~9月で、栽培される地域では、落花生の収穫体験ができる所もあります。
子どもはもちろん、大人も楽しめます。
掘りたてのゆで落花生は絶品ですよ。

【落花生の栄養は?】

抗酸化作用のあるビタミンEが豊富で、抗がん作用や老化防止が期待できます。
また、オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を多く含むので、コレステロール値を低下げ、生活習慣病の予防に役立ちます。
そのほか、代謝を促進するビタミンB群、便秘を解消する食物繊維が含まれています。
さらに、ピーナッツの薄皮には「レスベラトロール」というポリフェノールも含まれ、長寿遺伝子を活性化させるとして注目されています。
落花生には身体によい栄養素がたくさんつまっていますが、高カロリーなので食べ過ぎには注意しましょう。

いかがでしたか?
ピーナッツ味噌は、お家にある調味料で簡単に作れます。
また、仙台味噌や信州味噌といったように、味噌の種類を変えても違った風味を楽しめます。
ぜひ、ご家庭に合った味を見つけて作ってみてください。

Text byくまこ/食育インストラクター