今回は、宮城県の郷土料理「ずんだ餅」をご紹介します!
【「ずんだ餅」ってどんな料理?】
ずんだ餅は、宮城県を代表する郷土料理のひとつです。
この「ずんだ」という名前がついた由来には諸説あります。
仙台藩の領内に住んでいた「甚太(じんだ)」という者が枝豆をつぶして餅と混ぜて食べていたところ、それを見た周囲の人たちが「甚太餅(じんだもち)」と呼ぶようになり、それがなまって「ずんだ餅」となったとする説
このほか、ちまたでは戦国大名の伊達政宗公が関係しているという説(領民から出された餅を「仙台藩豆打餅」と名づけ、「豆打(ずだ)」がなまって「ずんだ」餅と呼ばれるようになったとする説、合戦の際に、陣中で「陣太刀(じんだち)」の柄で枝豆をつぶして食べたのが始まりとなり、それがなまって「ずんだ」と呼ばれるようになったとする説)もあります。
かつては、さやから豆を取り出す作業を子どもたちが手伝うなど、家族総出でずんだ餅を作っていたそうです。
枝豆の収穫時期である夏によく作られ、お盆やお彼岸のお供え物として定番の料理です。
現在では季節を問わず年間を通して食べられています。
また、宮城県以外でも、ずんだ餅からヒントを得た、シェイクやロールケーキ、どら焼きなど、さまざまなスイーツが人気を博しています。
【実際に「ずんだ餅」を作ってみよう!】
<材料(4人分)> 調理時間:15分
枝豆(さやつき)・・600g
餅・・8個
砂糖・・大さじ3
塩・・小さじ1/3
<作り方>
- 枝豆は水洗いし、塩(分量外)を多めに振っておく。
鍋にたっぷりの湯を沸かし、枝豆を入れて4~5分ほどゆでてザルに上げる。 - (1)の枝豆のさやから豆を取り出し、薄皮をむく。
- あたり鉢に(2)・砂糖を入れてつぶす。(このとき、あんがかたければ水(分量外)を適宜加えてください。)
粒が残るくらいまで粗めにつぶしたら、塩を加えて混ぜ合わせる。 - 餅は食べやすい大きさに切り、熱湯でやわらかくなるまでゆでてザルに上げる。
- (4)に(3)のずんだあんを絡め、器に盛り付ける。
枝豆の薄皮をむくのは大変な作業ですが、薄皮が残ったままだとずんだあんの食感がよくないので取り除くのがおすすめです。
また、ずんだあんは、なめらかなペーストにするよりも豆の食感が残る程度につぶす方が、より枝豆を感じることができておいしいですよ☆
【ずんだ餅の主役、「枝豆」の栄養】
枝豆は、小粒ながら栄養価の高い食品です。
今回は、注目すべき栄養素を一部ご紹介します。
●葉酸
造血作用や、正常な細胞をつくる働きがあります。
葉酸はビタミンCと一緒に摂ることで、より効果が期待できます。
●ビタミンC
コラーゲンの生成を助け、細胞の新陳代謝を高めて肌荒れを防ぎます。
●ビタミンB1
糖質をエネルギーに変え、疲労回復に役立ちます。
●たんぱく質
枝豆に含まれるたんぱく質のメチオニンは、ビタミンB1やビタミンCと共にアルコールの分解を促進し、肝機能の働きを助けてくれます。
そのほか、貧血予防に役立つ鉄や銅も多く含んでいます。
米どころの宮城県は、くるみ餅や納豆餅、えび餅など、年中行事や祝い事で食べられる餅料理が50種類以上あります。
そのなかでも風味豊かなずんだ餅は人気が高く、お子さんからご高齢の方まで楽しめます。
皆さんも、ぜひご家庭で「ずんだ餅」を作ってみてはいかがでしょうか?
Text byろい/食育インストラクター