今回は、千葉県のソウルフード!「ごんじゅう」をご紹介します!
【「ごんじゅう」ってどんな料理?】
「ごんじゅう」は、豚バラ肉と油揚げを甘辛く煮てご飯に混ぜたもので、千葉県館山市地域で古くから食べられてきた郷土料理です。
古くより旧暦10月は、全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲の国に集まる月とされ、各地で神々が留守になるため「神無月」と言われています。
安房国(現在の千葉県南部を占めた旧国名)の人々が、出雲を目指してお参りに出かけるときに、安全を祈って出発時に食べたのが「ごんじゅう」だと言われています。
現在では、秋祭りである鶴谷八幡宮例大祭「やわたんまち」の御輿担ぎの担ぎ手に振る舞う慣習から、おもてなし料理のひとつとしても食べられるようになり、それぞれの家庭ごとに味が受け継がれています。
やわたんまちは安房地方で一番大きいお祭りで、1000年以上続けられているという伝統があります。
祭りは2日間開催し、10万人もの人手でにぎわいます。
また、鶴谷八幡宮はかつて安房国の総社であり、国司自ら祭を催したことから「安房国司祭」の名がつけられ、現在は千葉県無形民俗文化財に指定されています。
もともと、神輿の担ぎ手に振る舞われていたので、片手で食べられるようおにぎりにしていました。
その習慣は現在でも続いており、おにぎりにして食べられることが多いです。
【実際に「ごんじゅう」を作ってみよう!】
<材料(作りやすい分量)> 調理時間:30分(浸水時間は除く)
米・・3合
豚バラ薄切り肉・・200g
油揚げ・・2枚
かつお節・・30g
A水・・100ml
A酒・・100ml
Aしょうゆ・・大さじ3・1/2
Aみりん・・大さじ1・1/2
A砂糖・・大さじ1・1/2
<作り方>
- 米は洗って30分ほど浸水させ、ザルに上げる。
炊飯器の内釜に米を入れ、水を目盛りよりもやや少なめに入れて普通に炊く。 - 豚肉は1㎝角に切る。
油揚げは油抜きをし、2㎝長さの短冊切りにする。 - かつお節はフライパンで乾いりする。
- フライパンに(2)を入れて中火で炒める。
肉の色が変わってきたらA・(3)の2/3量を加え、汁気がほぼ無くなるまで煮る。 - (1)が炊き上がったら熱いうちに(4)を入れて、しゃもじで切るように混ぜる。
残りのかつお節を加えてさっくり混ぜ合わせ、おにぎりにする。
今回ご紹介したレシピはベーシックなものです。
筍やれんこんなど食感のアクセントになる食材を加えたり、大葉で包んでさっぱりといただくなど、お好みでアレンジするのもおすすめです☆
【「ごんじゅう」にはどんな栄養があるの?】
●豚肉
糖質の代謝を促し、疲労回復に働くビタミンB1を多く含んでいます。
●油揚げ
貧血を予防する鉄や、歯や骨を丈夫にするビタミンKを含んでいます。
●かつお節
体内でつくることができず、食事から摂る必要がある必須アミノ酸9種すべてをバランスよく含んでいます。
良質なたんぱく質は、健康な体づくりには欠かせません☆
「ごんじゅう」は郷土料理ではありますが、手に入りやすい食材で手軽に作れ、一度にたくさん作ることができます☆
食べ応えがあり、おもてなしの場面をはじめ、お弁当やお子さんのおやつにもぴったりですよ!
千葉県は新鮮な海の幸・山の幸・里の幸が豊富で、この幸を利用した伝統的な郷土料理が数多くあります。
「太巻き寿司」や「なめろう」、「いわしの団子汁」などもその一部です。
ゆかりのある場所の郷土料理を調べてみると、新たな発見があって面白いですよ☆
ご興味がある方は、ぜひ調べてみてはいかがでしょうか?
Text byろい/食育インストラクター