豆からさやまで食べられる!?グリーンピースの秘密

チキンライスに天津飯…子供に人気の料理に、ときどきのっているグリーンピース。
レトロ感があって好まれる一方で、苦手だったという声もしばしば…。
でも、グリーンピースが苦手な人でも、知らないうちに食べていたかもしれません(!?)
今回は好みの分かれるグリーンピースの秘密について迫ります!

【正式名称は…?】

グリーンピースとは何の豆でしょう?
缶詰や冷凍されているものを見慣れていると、何かの豆なのはわかりますが、成長するとどんな植物になるのか、想像しづらいですよね。
グリーンピースはさやえんどうの若い豆のことです。
絹さやの中にある小さな豆が大きくなると、グリーンピースになります。
さやえんどうは日本語なのに、なぜか若い豆だけは、英語風に呼ばれています。
日本語で統一してくれた方がわかりやすいのになぁと思ってしまいますよね。
しかも、グリーンピースは英語の一般会話では単にPeasと呼ぶ(green peasだと通じない場合が多いとか)ので、英語っぽく読んでいるカタカナ語の野菜なのです。
いろいろとややこしい存在なのですね…。

【穀物か、野菜か?普及のタイミング】

日本では奈良時代に中国経由で渡来したとされますが、本格的にさやえんどうの食用栽培が始まったのは江戸後期~明治時代
はじめは野菜として食べるより、豆を成熟させた穀物としての利用が多かったのだとか。
その後、アメリカなどから丈夫な品種が持ち込まれるようになると、野菜として普及するようになります。
穀物としてか、野菜としてか、普及したタイミングで呼び名が決まっていったのかもしれませんね。
ちなみに、現在はグリーンピース用の品種が生まれたため、私たちが日常的に食べているのは野菜のさやえんどうとは別の品種です。
もちろん、元は同じ植物なので、家庭菜園でさやえんどうに挑戦される方は、収穫時期に一部を残して、グリーンピースにしてみても面白いかもしれません。


【あの野菜もえんどう…?】

豆とさやが食べられるさやえんどうですが、それ以外に食べられる部分として、新芽があります。
実はこの新芽、スーパーで購入できる身近な野菜です。
さくっとお答えしてしまうと、その野菜とは豆苗のことです。
豆苗は苗床ごと販売されていることがほとんどです。
この苗床の中に、発芽した時の豆がついていますが、これはグリーンピースが成長した姿なのですね。
豆苗はあくまでも野菜の豆苗として収穫するための形なので、食べ終わった苗床を庭に埋めたら再生してさやえんどうができる…ということはまず無いといっていいでしょう(※筆者実践済みです)。
それでも、ひとつの豆からこれだけ多様な食べ方ができる植物はなかなかありません。
グリーンピースが苦手な人でも、絹さやや豆苗をおいしいと思うなら、いつかは克服して食べられるようになる…かも。

【タイミングによって異なる栄養】

植物なので共通する栄養素では食物繊維が豊富なことが挙げられますが、豆であるグリーンピースと、新芽の豆苗では役割が違うので、含まれている栄養素も異なります。
まず、新芽の豆苗はβ‐カロテンが多く、美肌効果が高めです。
また、鉄や葉酸なども多いので、貧血予防も期待できます。
豆のグリーンピースはエネルギー源である糖質やたんぱく質が多く、その代謝に関わるビタミンB群も含むので、疲労回復を早めます。
絹さやはストレス緩和に使われるビタミンCやビタミン骨を丈夫にするビタミンKなどが多いです。
どれも体によい栄養素を含んでいるので、おいしく食べられればベストですね。

グリーンピースに豆苗・絹さや…さやえんどうはいろいろな食べ方ができる野菜なのですね。
絹さややグリーンピースは旬の時期になると甘みが増して格別のおいしさになるので、見かけたらぜひ召し上がってください☆

Text byはむこ/食育インストラクター