苦味のなかに嬉しい効果が!?今がおいしい「ゴーヤ」の話。

鮮やかなグリーンに、ゴツゴツしたイボが特徴の「ゴーヤ」。
食べるだけでなく、夏場の日差し除けのウォーターカーテンとして家庭菜園を楽しんでいる方もいるのではないでしょうか。
今回は、今が旬のゴーヤについてご紹介します。

【ゴーヤはいつから食べられているの?

ゴーヤは、東南アジアからインドにかけての熱帯アジアが原産の、未熟な果実を食べるウリ科の野菜です。
いつごろ誕生したのかは定かではありませんが、15~16世紀ごろに中国へ伝来し、日本へは江戸時代に中国から伝わったと言われています。
熱帯アジアが原産のゴーヤは、日本でも沖縄県や九州地方など温かい地域で栽培が始まりました。
それらの地域では昔から食べられていましたが、全国に普及したのは、1990年代になってからと、ごく最近のことです。
生産量は沖縄県がトップで、全体の約40%を占めています。
次いで、宮崎県、鹿児島県で多く栽培されています。
和名は「ツルレイシ」、「ニガウリ」ですが、沖縄料理ブームにより、沖縄県での呼び名「ゴーヤ」が一般的にも広まって行きました。

【おいしいゴーヤの選び方と保存方法

ゴーヤは6月から8月の夏が旬の野菜です。
購入するときには、イボが隙間なくぎっしり詰まっていてほどよい弾力があり、鮮やかな緑色のものを選ぶようにしましょう。
また、ふっくらとしていてあまり大きくないものがよいとされています。
特有の苦みが特徴ですが、「苦味が強いのは苦手」という方もいるはず。
色が濃いと苦みが強い傾向にあると言われているので、苦味が苦手な人は、淡い緑色のゴーヤを選ぶとよいでしょう。
また、イボが小さい方が苦味が強く、大きい方が弱いとも言われています。
選ぶときの参考にしてみてください。
購入後、まるごとの場合は、濡らしてかたく絞ったペーパータオルに包んでからラップをし、冷蔵庫の野菜室で保存します。
種の部分から傷んで行くので、すぐに食べないときには、種とワタを取り、ラップをして保存すると、少し日持ちがよくなります。
カットしてからそのまま、または下ゆでして、冷凍保存することも可能です。


【ゴーヤの嬉しい効能

ゴーヤは、ビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは、コラーゲンの生成をサポートし、新しい細胞を作るのに欠かせない栄養素で、肌荒れのケアやストレス緩和に役立ちます。
ゴーヤのビタミンCは加熱でも壊れにくく、調理での損失が少ないのが嬉しいところ。
ただし、水に長時間つけておくと、ビタミンCが流れ出てしまうので、栄養面での効果を期待したい場合には、さらし過ぎには気をつけましょう。
また、白いワタには、実よりも多くビタミンCが含まれています
気にならない人は、ワタごと調理するのがおすすめです。
ゴーヤ特有の苦味は、「モモルデシン」という成分によるものです。
モモルデシンは、胃腸の粘膜を保護したり、刺激して胃液の分泌を促し、食欲増進に働きます。
さらに、血糖値や血圧を下げる効果が期待できます。

【ゴーヤの苦みを和らげるには

ゴーヤが苦手になる原因のほとんどが、特有の苦味ではないでしょうか。
実は、私も小さいときには食べることが出来ず、嫌いな野菜のひとつでした。
大人になり、食べられるようになりましたが、今でも苦味が強いものは敬遠しがちです。
そこで、ゴーヤの苦みを和らげるいつくかの方法をご紹介します。

先ほどご紹介したように、購入時に淡い色のものを選ぶと、比較的苦味が弱く、苦手な人も食べやすいと思います。
このほかにも、苦味を和らげる方法として、「①薄切りにする」、「②塩・砂糖をもみ込み、水で洗う」、「③炒めたり、揚げたりして油をコーティングする」、「④イノシン酸を含む食材と組み合わせる」などがあります。
②は、ゴーヤ1本に対して、塩が小さじ1/2、砂糖小さじ2をもみ込みます。
10分程度置き、水気を絞ってそのまま調理することもありますが、苦手な人は、水で洗ってから熱湯でゆで、水にさらして絞って使うとよいでしょう。
④は、イノシン酸がゴーヤの苦みと合わさると苦味が和らぎ、さらにうま味を引き出してくれると言われています。
イノシン酸は魚や肉に多く含まれるので、それらと調理するのがおすすめです。
沖縄料理で人気のゴーヤチャンプルーは、ゴーヤとイノシン酸を多く含む豚肉・かつお節を組み合わた料理で、理にかなっていると言えますね。

苦味を和らげるには、ワタをしっかりとることが大切ではないの?
と思っている人もいるのではないでしょうか?
しかし、苦いのは果皮の部分で、実は、ワタの部分にはほとんど苦味がないことが分かっています。
ワタも栄養豊富な部分、無駄なく使いたいですね。

ゴーヤは、肌荒れや夏バテが気になる今の季節に、ぜひ、食べていただきたい野菜です。
おいしく食べて元気に夏を乗り切りましょう!

Text by まち/食育インストラクター