常に外気にさらされている肌は、とってもデリケートな器官です。
日々のケアを怠ると、すぐに肌荒れを起こしてしまうことも珍しくありません。
そんな肌を健康に保つためには、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。
今回は肌の調子を整えるために役立つ野菜の中から、モロヘイヤについてのお話です。
【お肌の健康と野菜】
肌の状態に影響する要素はたくさんあります。
そのなかでも、食事の占める割合は大きく、特に野菜不足には注意が必要です。
野菜に豊富な食物繊維が不足すると、便秘気味になり、肌に吹き出物やニキビができやすくなります。
食物繊維は腸内を掃除して老廃物を外に出す働きがあるので、不足していると肌荒れを招いてしまうのですね。
食物繊維だけなら、穀物(特に、玄米やふすまなど、精製されていないもの)からでもとることができますが、野菜には穀物に少ないビタミンやミネラルが多く含まれています。
緑黄色野菜に豊富なβ‐カロテンは粘膜や肌のバリア機能を高めるので、注目度の高い栄養素です。
また、新鮮な野菜からはコラーゲンの生成を助けるビタミンCがとれるため、ハリのあるみずみずしい肌をつくってくれます。
現在、日本では成人1人あたり、1日350g以上の野菜を摂取することが推奨されています。
意識しないと達成が難しい量ですが、肌の調子が悪いと感じるときは、食生活の見直しをしてみましょう。
【モロヘイヤが持つ、お肌を守る力】
今回は、肌のケアに役立つ野菜としてモロヘイヤを挙げました。
数ある野菜の中からモロヘイヤをおすすめするわけは、バリエーションに富んだ栄養素の数々を豊富に含むからです。
まず、モロヘイヤは緑黄色野菜で、β‐カロテンが豊富です。
その量はなんと、ほうれん草の2倍以上!
日本のモロヘイヤは夏が旬ですから、冬の葉物野菜の代わりにおひたしやみそ汁に入れると、大活躍してくれること間違いなしです☆
さらに、日焼けのダメージをケアし、コラーゲンをつくるビタミンCや、新しく健康な肌をつくるのに必要なビタミンB群。
体のすみずみまで栄養を運ぶ血行を促進させ、若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEも含むので、美肌づくりのスペシャリストといっても過言ではありません。
ただし、モロヘイヤは野菜なので、たんぱく質は少なめです。
肉や魚、そして卵や豆製品などと組み合わせて召し上がると、よりバランスがよくなりますよ☆
【ネバトロが肌と腸を守る!?】
優れた栄養素をたくさん持っているモロヘイヤですが、そのなかでも水溶性食物繊維のガラクタンやマンナンが豊富なのが大きな特徴です。
これらは加熱したモロヘイヤのネバトロ成分ですね。
食物繊維が整腸作用を持ち、便秘を改善することは先ほど書いたとおりですが、水溶性食物繊維はそのほかに、満腹感が長持ちすることが挙げられます。
粘性があるため腸の中を緩やかに移動し、ほかの栄養素(ブドウ糖)の吸収も時間をかけてゆっくり行われるため、お腹が空きにくくなるのですね。
このため、豊富な水溶性食物繊維を持つモロヘイヤは余計な間食を減らすために役立つといっても過言ではありません。
栄養補給は大切なことですが、過剰にとれば糖質や脂質の過多を招くため、肌の健康を損なう原因になります。
おかしや甘い飲み物など、嗜好性の高いものを食べることが多い間食を減らせるなら嬉しいですね。
(※この場合の間食は一般的な生活習慣の成人を対象としたものを指し、身体活動レベルの高い方や、子どものおやつなど、補食として食べられるものとは別です)
さまざまな栄養素を含むモロヘイヤは、肌の健康に役立ってくれます。
加熱するとかさが減り、つるっと食べられるので、夏バテで食欲がないときにも食べられる野菜です。
食事に上手に取り入れてあげてみてくださいませ☆
Text by はむこ/食育インストラクター