種類いろいろ、今の季節に大活躍の「ねぎ」を食べよう!

鍋料理や薬味でこの時期に大活躍の「ねぎ」は、さまざまな種類があり、和洋中どんな料理とも相性がよい野菜です。
今回はねぎの種類や作っておくと重宝する「ねぎダレ」のレシピをご紹介します。

【ねぎの歴史】

原産地の中国では紀元前から食べられていたと言われるほど、古い歴史をもつ「ねぎ」。
明確な渡来時期は不明ですが、「日本書紀」にねぎについて書かれていることから、奈良時代には栽培が広がっていたとされています。
当時は「葱(き)」と呼ばれ、「気」につながると考えられたことから、独特の強い香りが邪気を払い、魔よけの役割を果たしていたようです。
現在は、「白ねぎ(根深ねぎ、長ねぎ)」と「青ねぎ(葉ねぎ)」の2つに大きく分けられ、東日本では白ねぎ、西日本では青ねぎが一般的によく食べられています。

【ねぎの種類】

日本各地でその土地ならではのねぎが作られ、スーパーなどでも数種類のねぎが出回っています。
今回はそのなかからよく見かける4つのねぎをご紹介します。

●下仁田ねぎ
群馬県下仁田町特産の白ねぎ
で、産地と形状から「上州ねぎ」、江戸の大名や皇室にも贈られていたことから「殿様ねぎ」とも呼ばれています。
白い部分の直径が3~4cmと一般的な白ねぎよりもとても太く、肉質がやわらかいのが特徴です。
生だと辛みが強いのですが、加熱することで甘くとろりとした食感に変わるため、鍋物や炒め物におすすめです。

●九条ねぎ
京都府特産の青ねぎ
で、九条付近での栽培が盛んであったことから、この名がついたと言われています。
冬の寒さに耐えるために糖分の多い粘液を蓄えるため、特有の甘味があるのが特徴です。
葉がやわらかいので鍋物や煮物はもちろんのこと、和え物や先端の細い部分は薬味としても使われます。

●万能ねぎ
スーパーでなどでよく見かける青ねぎですが、万能ねぎは品種名ではなく九条ねぎなどを若取りした葉ねぎの総称です。
小ねぎや細ねぎとも呼ばれ、鍋物や煮物はもちろん、薬味としてもさまざまな料理に使われます。
万能ねぎは福岡県で生産された青ねぎ「博多万能ねぎ」の商標名です。

●わけぎ(分葱)
植物学的にはねぎと異なり、「ねぎ」と「玉ねぎ」を掛け合わせて出来たものです。
枝分かれが多く、「分けとる葱」という意味で「分葱(わけぎ)」と呼ばれるようになりました。
クセがなく、香りも辛みも少ないので、ぬたや薬味、炒め物などによく使われています。


【おいしい「ねぎ」の選び方】

白ねぎは、ツヤがあり乾燥していないもの、巻きがしっかりしていて葉先までピンとしているものを選びましょう。
青ねぎは、根が白く、葉の緑が鮮やかなもの、葉先までピンとしていてハリがあるものが良品です。
保存するときは、新聞紙やペーパータオルで包み、ラップをして冷蔵庫の野菜室で保存します。
すぐに食べきれないときには、食べやすい大きさにカットし、小分けにしてラップに包んで冷凍しておくと、必要なときにすぐに使え、とても便利です。

【白い部分と青い部分で異なる!?「ねぎ」の嬉しい効能】

長ねぎは白い部分と青い葉の部分では別の栄養素が含まれています。
白い部分は淡色野菜で、シミやそばかすを防ぐビタミンCや特有の辛み成分である硫化アリルが含まれています。
硫化アリルは、切ったときのツンとした刺激のある香りで、ビタミンB1の吸収を高め、疲労回復効果が期待できます。
また、抗菌や抗酸化作用、血栓予防、消化促進などにも働きます。
青い部分は緑黄色野菜で、皮膚や粘膜の健康維持に効果的なβ-カロテン、骨や歯を丈夫にするカルシウムが豊富です。
そしてこの時期に注目したいのが「フルクタン」
フルクタンは、長ねぎの青い部分に多いヌルヌルとしたもののことです。
免疫力を高めてインフルエンザなどの感染症予防に効果があるほか、血糖値の急な上昇を抑えたり、体内の余分なコレステロールを排出させる効果も期待できます。

【どんな料理とも相性抜群!「ねぎダレ」レシピ】

作っておくと重宝する、ごま油香る中華風のねぎダレです。
青い部分まであますことなく使います。

<材料> 調理時間:15分
長ねぎ・・1本(150g)
しょうが・・1かけ(20g)
サラダ油・・大さじ2
ごま油・・大さじ1
Aしょうゆ・・大さじ2
Aオイスターソース・・小さじ1/2
Aみりん・・大さじ2
砂糖・・小さじ1
酢・・小さじ2

<作り方>

  1. 長ねぎ・しょうがはみじん切りにする。
  2. フライパンにサラダ油・ごま油を入れて火にかけ、(1)を入れて中火でじっくり炒める。
  3. 長ねぎの甘い香りが立ち、トロっとしてきたらAを入れる。ひと煮立ちしたら酢を加え、火を止めて完成。

肉や魚はもちろん、豆腐などの大豆製品との相性も抜群です。
ごはんと合わせてチャーハンにしてもおいしいですよ。

ぜひ、今がおいしい「ねぎ」をさまざまな料理に活用してください。

Text by まち/食育インストラクター