旬は冬だけじゃない!春から初夏にかけては「新ごぼう」のおいしい季節☆

ごぼうといえば、寒い時期の野菜というイメージが強いかと思いますが、新ごぼうは春から初夏にかけてが旬です。
今がおいしい、新ごぼうの選び方や嬉しい栄養効果などについてご紹介します。

【ごぼうを食べている国はほんのわずか!?ごぼうの起源

ごぼうの原産地はユーラシア大陸であると言われ、古くからヨーロッパや中国では薬用として用いられてきました。
日本に伝わったのは諸説あり定かではありませんが、渡来してからしばらくは中国と同じように薬用として使われていたようです。
平安時代後期になると、食用として食べられるようになり、江戸時代には全国的に広く普及して品種改良もされて行きました。
国内の主な生産地は、長野県で、次いで茨城県、北海道となっています。
一般的に出回っているごぼうは東京生まれの「滝野川ごぼう」です。
直径2cm、長さ1mほどの大きさで、ごぼう特有の香りがつよく、少し弾力のある食感が特徴です。
このほかに、直径が5~8cmと太く、中心に穴があいている京都府の伝統野菜「堀川ごぼう」や直径が10cm以上(太いものだと30cmくらいのものもあるとか)もある千葉県の伝統野菜「大浦ごぼう」などがあります。
日本で古くから愛されているごぼうですが、食用として食べている国は、ごくほんのわずかのようです。

【春から初夏にかけてがおいしい「新ごぼう」とは

一般的なごぼうが晩秋から冬にかけて収穫されるのに対し、初夏に出回る早生品種や、秋から冬にかけての収穫を待たずに若取りされたものを「新ごぼう」と呼びます。
完全に成長しきっていないため、一般的なごぼうと比べてやわらかく、上品でやさしい香りがするのが特徴です。
収穫時期が初夏ごろであることから、別名「夏ごぼう」とも呼ばれています。
現在では、12月ころから出回りはじめ、8月くらいまで店頭に並んでいますが、本来の旬は4~6月ごろと、今がおいしい季節です。


【おいしいごぼうの選び方と保存方法

品種によって例外もありますが、基本的にはひげ根が少なく、均一な太さでまっすぐにのび、ひび割れたりしていないものが良品です。
新ごぼうは、皮にシワが少なく、切り口が黒ずんでいないものが新鮮な証拠
新ごぼうは、カットされ洗った状態で売られていることがほとんどですが、一般的なごぼうを購入するときには、土付きのものを選んだ方が日持ちします。
土付きのごぼうは、買ってきたら土を落とさずに新聞などでくるんでから袋に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。
また、新ごぼうや洗いごぼうは、ラップでくるみ、野菜室で保存します。
それでも、時間を置くとごぼう特有の風味が落ちてしまうので、なるべくはやめに食べきるようにしましょう。
ごぼうは皮のそばに香りや栄養素が含まれている野菜です。
調理する際には、出来れば皮をむかず、タワシなどでしっかりと洗って土や汚れを落としましょう。
それでも気になる場合には、包丁の背などで皮を薄くこそげてから使用してください。
すぐに食べきれないときには、ささがきにしてからサッとゆで、水気をしっかり拭き取って冷凍保存するのがおすすめです。
凍ったまま炒めてきんぴらにしたり、みそ汁の具にしたりといろいろな料理に活用できます。

【女性に嬉しい食物繊維の宝庫!

ごぼうは何といっても食物繊維が豊富に含まれているのが特徴です。
野菜に含まれる食物繊維の多くは、水に溶けない不溶性ですが、ごぼうには不溶性だけでなく、水溶性食物繊維の「イヌリン」が含まれています。
イヌリンは血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを体外に排出するなど、生活習慣病予防に効果が期待できます。
不溶性食物繊維は、腸の動きを活発にし、腸の働きを調え、便秘改善や大腸がん予防に役立ちます。
ほかにも、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルもバランスよく含まれています。
ただ、ビタミン類はそれほど含まれていません。
そのため、β-カロテン豊富な人参、ビタミンEやカルシウムを含むごまとの組み合わせは相性抜群!
ごぼうの定番料理、きんぴらごぼうは理想的な料理と言えますね。
さらに、新ごぼうであれば、人参と一緒に細切りやささがきにしてサッとゆで、ごまマヨネーズと和えてサラダにしてもいいですね。

ごぼうを切った後、アクを抜くため水にさらすと思いますが、栄養を効率よく取りたい場合には、さらし過ぎはNG。
アクの主成分は強い抗酸化作用を持つポリフェノールです。
水に長くさらし過ぎると栄養分が逃げ出てしまうので気をつけましょう。

サラダや炒め物、揚げ物などさまざまな料理と相性がよい「新ごぼう」。
ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

Text by まち/食育インストラクター