日本は地域ごとに環境が変わり、場所ごとに違った特産品があります。
今回は長野県の特産食品についてのお話です。
【日本の真ん中は都市の台所?】
長野県は地理的に見ると日本の真ん中に位置し、内陸県で県全体の標高が高く、森林が多いのが特徴です。
内陸特有の気候で一日の気温差が大きく、湿度が低めな傾向がある一方、冬は地域ごとに気候が異なり、県内でも積雪量の違いが大きく出やすいことが挙げられます。
これらの風土や気候をいかし、長野県では多様な農作物が生産されています。
野菜ではレタスや白菜の生産量が全国トップ。
また、国内トップクラスのきのこの生産地でもあり、えのきたけ・ぶなしめじ・なめこの生産量は日本一を誇ります。
そのほかにはぶどうやりんごなどの果物の生産量も多く、東京や名古屋などの都市の食卓を支えています。
なお、花の生産も盛んで、カーネーションやトルコギキョウなどは日本一の生産量です。
【そばを引き立たせる環境】
多くの作物を生産している長野県を代表する料理のひとつが信州そば。
そば打ちが始まった正確な時代は明らかになっていませんが、江戸時代には信州がそばの名所として知られていたようです。
日本でそばの実の栽培・収穫が可能な場所はたくさんありますが、その中でも長野県はそばの栽培に適した冷涼な気候や、山々から澄んだ湧水が手に入る環境があり、そば打ちに適した環境が整っていました。
さらに、澄んだ湧水はそばの薬味として欠かせないワサビの生産にも必要です。
長野県の環境はそばをおいしく食べるためには理想的だといえます。
今回は長野県を代表する郷土料理のそばと、トップクラスの生産量を誇るきのこを使って、自宅でも簡単に作れるきのこそばのレシピをご紹介します。
【きのこたっぷりそば】
<材料(2人分)> 調理時間: 25分
そば(ゆで麺)・・300g
えのきたけ・・100g
なめこ・・80g
ぶなしめじ・・50g
A出汁・・1/2カップ
Aうす口しょうゆ・・大さじ1
Aみりん・・大さじ1
B出汁・・3カップ
Bしょうゆ・・大さじ3・1/2
Bみりん・・大さじ3・1/2
B砂糖・・大さじ1
長ねぎ(小口切り)・・適量
七味唐辛子・・お好みで
<作り方>
- えのきたけは石づきを落とし、長さを半分に切ってほぐす。
ぶなしめじは小房に分ける。なめこはさっと洗って水気をきっておく。 - 鍋にAを入れて沸かし、(1)を入れて煮る。
アクが出てきたら取り、火を止めて冷ます。 - 別の鍋にBを入れて火にかけ、沸いたら火を止める。
- たっぷりの湯を沸かし、そばを表記時間通りにゆでる。
ゆであがったらザルに上げて水気をよく切り、器に盛る。 - 再度温めた(3)をかけ、(2)・ねぎを上に盛る。
お好みで七味唐辛子をかけていただく。
<ポイント>
- コシのあるそばに仕上げたい場合は、ゆで上がったら流水にとって締めてから水切りをしてください。
- 乾麺タイプのそばを使用する場合は、1人分60~80gを目安にゆでてください。
- もりそばにする場合は、Bの出汁を1.5~2カップにして味を調節してください。
きのこのうまみたっぷりのそばは、手軽に作ることができ、季節も選ばないのでぜひ召し上がってみてください。
長野県を代表する食品であるそば。
実は、現在日本で流通しているそば粉の半数以上が輸入品で、長野のそば粉は貴重な存在です。(国産そば粉にしぼってみても、生産量では北海道がダントツの1位となっています)
輸入品よりもコストは高めですが、一度は長野県産のそば粉で打ったそばを召し上がってみて、味の違いを比べてみてはいかがでしょう。
Text by はむこ/食育インストラクター