各地域に古くから伝わる郷土料理のなかから、今回は愛知県の「鬼まんじゅう」をご紹介します。
【愛知県ではどんなものが作られているの?】
日本列島のほぼ中央に位置する愛知県は、南には太平洋、北には長野県と岐阜県から続く山並みが広がる、海と山に恵まれた地域です。
夏はたくさんの雨が降り高温多湿、冬は晴れた日が多く、冷たい風が吹くのが特徴で四季の変化がはっきりとしています。
この恵まれた自然のもと、農業、水産業が盛んに行われています。
「キャベツ」、「トマト」、「青しそ」、「ふき」、「冬瓜」、「いちじく」の生産量は全国トップクラス!
また、「鶏」、「豚」、「牛」などの畜産も農業全体の約30%を占めており、「うずらの卵」の生産量は全国シェア1位です。
水産業は「あさり」、「くるまえび」の漁獲量が多く、「うなぎ」の養殖も盛んです。
【愛知県の郷土料理】
■味噌煮込みうどん
愛知県発祥の八丁みそを使った汁にかためのうどんを入れて煮込んだ料理です。
うどんは普通のものと異なり、基本的には塩を入れず、小麦と水だけで作ります。
具材に決まりはありませんが、鶏肉、油揚げ、卵、ねぎなどを入れるのが定番です。
もともとは家庭料理として定着していましたが、明治時代からお店でも販売されるようになり、広まっていきました。
■きしめん
厚さ1㎜、幅7~8mmほどの平たいうどんです。
三河国芋川(現在の刈谷市)の名物だった平打ちのうどんがルーツと言われています。
名の由来は諸説ありますが、練った小麦を碁石の形に抜いて茹で、きな粉をかけた中国のお菓子「碁子麺(きしめん)」からという説があります。
ムロアジとたまりしょうゆを使ったつゆを使うのが昔ながらの作り方です。
■ひつまぶし
蒸さずにそのまま焼き上げたうなぎの蒲焼きを細かく刻み、おひつごはんにのせた料理です。
一杯目はそのまま、二杯目は薬味、三杯目はお茶漬けと、うなぎをさまざまな味で楽しむことが出来ます。
■鬼まんじゅう
小麦とさつまいも、砂糖などを合わせた生地を蒸して作るお菓子です。
お米が貴重な時代には主食として食べられていました。
角切りにしたさつま芋のゴツゴツとした感じが鬼のツノや金棒に似ていることからこの名がついたと言われています。
地域によって「芋ういろ」、「芋まんじゅう」など、さまざまな呼び名があります。
【「鬼まんじゅう」を作ってみよう!】
今がおいしい旬のさつまいもがたっぷりの「鬼まんじゅう」。
今回はしっかりとした甘さがあり、しっとりとした食感の「紅はるか」を使いました。
しっとり、ねっとり、ホクホク…、お好みのさつまいもで作ってください。
<材料(4~5個分)> 調理時間:30分
さつまいも・・大1本(300g)
砂糖・・60g
塩・・ひとつまみ
水・・大さじ1~2
薄力粉・・60g
上新粉・・20g
オーブンシート(8cm角)・・4~5枚
<作り方>
- さつまいもは厚めに皮をむき、1cm角に切る。
水に10分程度さらしてアクを抜き、ペーパータオルで水気を拭き取る。 - ボウルに(1)と砂糖・塩を入れて混ぜ合わせ、全体にまぶす。
15~20分、砂糖が溶けるまでそのままおく。 - (2)に水を入れて混ぜ合わせ、合わせてふるった粉類を入れて粉っぽさがなくなるまでよく混ぜる。
- オーブンシートの上に(3)の生地をこんもりと山高にのせ、蒸気の上がった蒸し器で15~17分蒸す。
熱々でも、冷めてもおいしくいただけますので、それぞれの味を楽しんでください。
その日に食べきれないものはラップで包み、冷蔵・冷凍庫で保存することも出来ます。
食べるときはラップに包んだまま、電子レンジで再加熱してください。
今回はもちっとした食感を出すために上新粉を入れていますが、ご家庭にない場合には、その分を薄力粉に置き換えても作ることが出来ます。
まだまだ日本各地には、皆さんの知らない料理や食べたことのない料理がたくさんあると思います。
最近ではその土地に行かなくても各地の料理を食べることが出来るので、探してみるのもよいですね。
Text by まち/食育インストラクター