中華料理店でよく見かける「にんにくの芽」。
香りとシャキッとした食感がよく、炒め物などで大活躍する野菜です。
ほとんどが輸入品で通年出回っていますが、一般的に5~6月が旬と言われています。
今回は、今がおいしい「にんにくの芽」についてのお話です。
【実は芽じゃない!?にんにくの芽の正体とは?】
「にんにくの芽」は「芽」とついていますが、実際に私たちが食べているのは芽の部分ではないことをご存知ですか?
にんにくの芽は、にんにくが花をつけるために伸ばす「花茎(かけい)」を収穫したもので、「茎にんにく」とも呼ばれています。
細長く、鮮やかな緑色で、香りはにんにくに比べて弱く、シャキシャキとした食感が特徴です。
日本で多く栽培されているにんにくの品種は、花茎があまり長く伸びず、また、収穫が大変なため、出荷量は多くありません。
青森県や四国・九州地方の一部で作られていますがごくわずかで、日本で出回っているにんにくの芽は、中国から輸入したものがほとんどです。
国産のにんにくの芽には、先端に花芽(つぼみ)がついていることがあります。
大変貴重な国産のにんにくの芽、見かけたらぜひ食べてみてくださいね。
【おいしいにんにくの芽の見分け方】
みずみずしく鮮やかな緑色のもの、あまりかたくなく、弾力を感じられるものを選びましょう。
全体が黄色っぽくなっていたり、切り口が茶色くなっているものは、鮮度が落ちてきている可能性があります。
購入したその日に食べない場合には、乾燥しないようにペーパータオルや新聞紙などに包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
日持ちしないので、2~3日で食べきらないときは、冷凍保存することも可能です。
熱湯で1分程度ゆでて冷水で冷やし、しっかりと水気を拭き取ったあと、ラップに包んで冷凍庫に入れましょう。
これで、1か月程度はおいしく食べることが出来ます。
調理するときは、少し解凍してから使うと、水っぽくなるのを防いでくれます。
【女性に嬉しいことがたくさん!にんにくの芽の栄養】
にんにくとにんにくの芽の栄養成分の構成はほとんど同じで、にんにくに含まれる「アリシン」や「食物繊維」がにんにくの芽にも含まれています。
アリシンは、ビタミンB1の吸収を助けて疲労回復に働き、食物繊維は、腸内環境を整え、便秘予防や改善に期待できます。
これらの成分は、にんにくと比べて含有量は少ないですが、にんにくの芽はにんにくよりもたくさん量が食べられ、カロリーが低いのも嬉しいところです。
そして、にんにくとは違った面も持っています。
にんにくは淡色野菜に分類されますが、にんにくの芽は緑黄色野菜で、にんにくにあまり含まれていない栄養素を多く含んでいます。
特に注目したいのが、β-カロテンやビタミンC、ビタミンK、葉酸などのビタミン類やカルシウムです。
β-カロテンは体内に吸収されるとビタミンAに変わり、粘膜や肌のうるおいを保ちます。
ビタミンCはコラーゲンの生成にかかわり、血管や皮膚を丈夫にし、美肌作りや老化防止に役立ちます。
そして、ビタミンKとカルシウムは、骨や歯、葉酸は血液を作るのに欠かせない栄養素です。
にんにくの芽はおいしいだけでなく、女性に嬉しいことがいっぱいの野菜です。
【疲労回復におすすめ!にんにくの芽と豚肉のオイスター炒め】
にんにくの芽のアリシン、豚肉のビタミンB1で疲労回復に◎。
にんにくの芽はにんにくほど香りが強くないので、お弁当にもおすすめです。
<材料> 調理時間:20分
豚もも薄切り肉・・200g
A酒・・小さじ2
Aしょうゆ・・小さじ1
A片栗粉・・小さじ1
A塩・こしょう・・少々
にんにくの芽・・5本
玉ねぎ・・1/2個
B酒・・大さじ1
B水・・大さじ1
Bオイスターソース・・大さじ1
Bしょうゆ・・小さじ1
B片栗粉・・小さじ1/2
サラダ油・・大さじ1
ごま油・・小さじ1
<作り方>
- 豚肉は食べやすい長さに切り、Aをもみ込む。
- にんにくの芽は4cm長さ、玉ねぎはくし切りにする。
塩(分量外)を加えた熱湯ににんにくの芽を入れて30秒程茹で、玉ねぎを入れてさらに30秒程茹でてザルに上げる。 - Bはしっかりと混ぜ合わせておく。
- フライパンにサラダ油を熱し、(1)の豚肉を入れて炒める。
- 色が変わったら(2)を入れてサッと炒め、(3)を加えて調味液を絡める。
- トロミがついてきたら仕上げにごま油を回し入れ、香りをつける。
おいしいだけでなく、栄養面でも嬉しいことがいっぱいのにんにくの芽。
炒め物だけでなく、煮物や汁物・和え物など、いろいろな料理で楽しむことが出来ますよ!
Text by まち/食育インストラクター