「子どもとおやつシリーズ」ではおやつについてや、簡単レシピなどをご紹介していきます!
今回は「五平餅」です!
【子どもにとってのおやつ】
乳幼児期の子どもは胃が小さく、消化機能も未熟です。
そのため三度の食事に加え、おやつでエネルギーや栄養を補う必要があります。
大人が考えるおやつは「お菓子」のイメージが強いですが、子どもにとっては「おやつ=第四の食事」と捉えるといいでしょう。
【五平餅とは?】
長野県(木曽・伊那)や、岐阜県、愛知県などの郷土料理で、豊作を願って神にささげたのが始まりです。
炊きたてのご飯を軽くつぶし、薄い板につけて、わらじのような楕円形に整えたものや、小さな丸いおにぎり(まんじゅう)にしたものを串にさして焼きかためます。
これに、クルミ、白ごまなどをすりつぶし、砂糖、しょうゆ、みそなどを合わせたたれを塗って、遠火でこうばしくなる程度にあぶります。
五平餅の名前の由来は、御幣(ごへい)の形に似ているから、五平さんという人がはじめて作ったからなど、諸説あるようです。
ちなみに御幣は、神に祈るときに供えたり、お祓いをしたりするときに捧げもつ紙や布で作られたもののことです。
【五平餅を作ろう!】
<材料(4本分)> 調理時間:30分
炊きたてのご飯・・1合分
クルミ(無塩・ロースト)・・10g
白すりごま・・大さじ1
A砂糖・・大さじ1
Aみそ・・大さじ1
Bみりん・・大さじ1
B酒・・大さじ1
Bしょうゆ・・小さじ1
<作り方>
- すり鉢にクルミを入れてする
- 厚手のビニール袋に温かいご飯を入れ、ご飯の粒がなくなるまで全体的にもみながら、つぶし、4~6等分にして楕円形に整える
- フライパンに油(分量外)を薄く敷き、(2)の両面に焼き色がつくように焼いて一度取り出す
- フライパンにAを入れ、ダマにならないようにしっかり混ぜ合わせる
B・(1)を加えて火にかけ、2~3分煮詰め、ドロッとしてきたら火を止める - (3)に(4)を塗り、オーブントースターでこんがり焼く
※たれが焦げやすいので、注意しながら焼きましょう - 割り箸を刺して器に盛り付ける
我が家では、ごまとクルミのコクとみそのこうばしさが子どもたちに喜ばれました!
みそが熱いので、食べるときは、やけどには注意してくださいね!!
【ご飯とみそはベストマッチ!?】
五平餅の材料である米とみそ。
実は栄養学的にもばっちりの組み合わせなのです。
人間の筋肉や臓器、皮膚、爪、髪、血液など体をつくる主成分は、たんぱく質でできています。
そのたんぱく質を構成するのがアミノ酸。
なかでも必須アミノ酸は9種類あり、体内で合成できないため、食事からとる必要があります。
でもこの必須アミノ酸、9種類すべてが適切な割合で含まれていないと、体内での利用効率は悪くなってしまいます。
米にはこの必須アミノ酸9種のうち、唯一「リジン」だけ含有量が少ないのです。
そこで登場するのがみそ!
みそは米に不足している「リジン」をとても多く含む食品なのです!!
さらに、みその原料である大豆には、同じく必須アミノ酸である「メチオニン」が少ないのですが・・・、米には「メチオニン」が豊富!
米とみそを組み合わせることによってそれぞれ不足しているところを補い合うことができるというわけです!!
【見逃せない!クルミの栄養】
クルミは、オメガ3(n-3系)脂肪酸のα-リノレン酸が豊富に含まれています。
オメガ3(n-3系)脂肪酸は、魚油に含まれるDHA・IPA(EPA)、エゴマや亜麻種子など植物油に含まれているα-リノレン酸などを総称したもので、人間の体内で合成できない必須脂肪酸にも数えられています。
血管をしなやかにして血行をよくしたり、脳機能を活性化させ、記憶力や学習能力を高める効果が期待できます。
育ち盛りのお子さんにはぜひ、おススメしたい食材のひとつですね!
ただし、脂質が多く含まれているので、食べすぎには注意してください。
いかがでしたか?
五平餅は、腹持ちもよく、たくさん動き回る子どもにはピッタリのおやつです。
ぜひご家庭で作ってみてください♪
Text by くまこ/食育インストラクター