大人の苦み~菜の花について知ろう~

春の訪れを告げる菜の花。
今回はそんな菜の花についてお話ししたいと思います。

【菜の花と菜花の違い】

「菜の花」と「菜花(なばな)」送り仮名の違いだけで、同じのように思われますが、厳密には違いがあるんです。
本来「菜の花」という特定の植物はなく、一般的にはアブラナ科植物すべてのことをさしています。
例えば、白菜・キャベツ・かぶ・ブロッコリーなどは、アブラナ科の植物です。
一方「菜花」とは、アブラナ科アブラナ属のつぼみと花茎・やわらかい若葉のことをさしています。
つまり、「菜の花」という大きなグループのなかに、「菜花」という種類があるということです。

【刻むと発生!辛み成分】

大根やからし菜、菜の花をはじめとするアブラナ科の植物に含まれる辛みは、イソチオシアネートという成分によるものです。
切ったりおろしたりすることで、野菜の細胞壁が壊れて生成されます。
イソチオシアネートは、体内の毒を体外に排出する働きがあり、がんや血栓の予防に効果的です。
また、これのもととなるグルコシノレートの含有量はアブラナ科の野菜のなかで最も高いです。
つぼみの部分に一番多く含まれているので、つぼみは取り除かないようにしましょう。


【気になる栄養】

●ビタミンC
菜の花のビタミンCの含有量は野菜のなかでトップクラスです。
抗酸化作用により、免疫力の強化・動脈硬化・老化防止に期待できます。
また、コラーゲンの生成を促進するなど、美肌効果もあります。

●βカロテン
強力な抗酸化作用を持ち、体内で必要に応じてビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康・視力維持に欠かせない栄養素です。
そのほか、体内の老化・動脈硬化・がんの予防効果も期待できます。

●カルシウム
菜の花は野菜のなかでもカルシウムの含有量が高く、骨や歯の健康維持に欠かせない栄養素のひとつです。
きのこや青魚に多く含まれているビタミンDと合わせて食べると、カルシウムの吸収を高めてくれるのでおすすめです。

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赤血球のヘモグロビンという成分の材料になります。
ヘモグロビンは酸素と結びつきやすい性質があるため、呼吸により取り込んだ酸素を全身に運ぶ役割をしています。
鉄が不足すると酸素の供給が十分にできず、頭痛・食欲不振・集中力の低下などの症状がおこるので注意が必要です。
野菜に含まれる鉄は、体内での吸収率が低いので、たんぱく質や鉄の吸収を高めるビタミンCと一緒に摂ると効率よく摂取できます。

【ゆで方のコツ】

つぼみがやわらかく茎がかたいものが多いので、鍋で茎の部分から先にゆでましょう。
その30秒くらいあとに上の方を入れ、30秒ほどゆでます。
その後ザルに上げ、冷水にさらして水気をしっかり切りましょう。

 【おいしい菜の花の選び方】

菜の花はあまり日持ちがしないため、ポイントをおさえて鮮度のよいものを選びましょう。

  • 切り口が乾いたり、傷んでいない
  • 茎や葉がきれいな緑色
  • つぼみが密集している

 いかがでしたか?
独特な苦みがある菜の花ですが、お浸しや炒め物などいろいろな食べ方ができるので、ぜひ食べて春の訪れを感じて下さいね♪

Text by あお/食育インストラクター