初心者でも簡単!?青しそ栽培のすすめと注意

さわやかに香る青しそ。
スーパーで売っている青しそもよいけど、より香りの強い青しそがちょっとだけ欲しい…というときには、思い切って栽培してしまうのもアリかも?
青しそはベランダガーデンでも育つ、初心者向けの野菜なのです!

【丈夫な野菜だけど…?】

青しそはシソ科の野菜で、別名「大葉」とも呼ばれています。
シソ科に属する野菜は多く、韓国料理や食用油でおなじみのエゴマや、バジル・ミントなどのハーブなどが仲間です。
いずれも香りが強く、いろいろな料理に使われています。
そんなシソ科の植物ですが、極端なアルカリ性の土壌でなければ栽培が可能で、比較的病虫害に強いため、初心者でも簡単に育てられる種が多くあります。
特に、青しそは暑さに強く、日本の夏の気候に耐性があるので、食べられる植物の中では扱いやすいでしょう。
発芽してからはぐんぐん伸び、成長がよく分かるので、日々の変化を観察するのも楽しくなります。
ただし、アブラムシなど一部の虫がつくことはありますし、直射日光に当たり過ぎたり、水分不足だと葉がかたく、食べにくくなるので、おいしい青しそをたくさん食べたいのであれば、ほったらかしにせず、適度に面倒を見てあげることが大切です。

また、青しそ栽培で注意しなければいけないのは収穫後です。
ほかの植物と同じように、花が咲いた後には種が取れますが、この種から発芽した苗は世代が変わるごとにどんどん香りが弱くなっていく特性があるのです。
市販の種は改良を重ね、香りが強く出やすくなるように調整されているベストな状態なのですね。
さらに、シソ科の植物で交雑してしまうと、そこから生まれた種は香りが変わってしまうことにも注意が必要です。
例えば、青しそとバジルを同じベランダで育てて、それぞれからとれた種を翌年植えてみたら、全然香りのしないor変なにおいの葉っぱになった…なんてことになるかも?

これらのことから、青しそを栽培する時は庭で地植えするよりも、鉢やプランターで毎年新しい種を購入して育てるのがよさそうです。
また、スペースの限られたベランダガーデンなら、シソ科の植物は一種だけに決めて栽培する方がよいでしょう。


【香りに含まれる力】

青しそのなんとも言えないさわやかな香り。
夏バテで食欲の無いときにお世話になった方も多いのではありませんか?
じつは、この香りはぺリルアルデヒドという成分で、嗅覚の神経を刺激して胃酸の分泌を促してくれます
夏バテのときにはぴったりの野菜なのですね。
また、ぺリルアルデヒドには抗菌作用もあるので、薬味にするのは理にかなっています。
青しそは刺身や素麺などで薬味として昔から使われていますが、効果が明らかになる前から、経験則で分かっていたなんて驚きですよね。昔の人の知恵には頭が下がります。
そのほかにも、体によい栄養素をたくさん含んでいます。
特に豊富なのが、β‐カロテンやビタミンCで、肌の健康を保つ働きがあります。
日差しの厳しい夏は特に意識して摂りたい栄養素です。
これらの栄養素は時間が経つごとに失われやすいので、採れたてを食べるのがベスト。
自家栽培の青しそは香りのよさだけではなく、鮮度のよいことによる栄養のメリットがあるのです。

自家栽培ならではの新鮮な青しその香りは格別なもの。
いくつかの注意点を守れば、青しそはガーデニング初心者でも栽培にチャレンジしてみる価値のある野菜なので、ぜひお試しくださいませ☆

Text byはむこ/食育インストラクター