冬場は脂がのってる!「ブリ」は12月20日が記念日です☆

冬に旬を迎える魚と言えば、皆さん何を思い浮かべますか?
今回は、脂がのっていて12月に記念日がある魚、「ブリ」のお話です!

【「ブリ」ってどんな魚?】

「ブリ」は、スズキ目アジ科に分類される海水魚の一種です。
「ブリ」という名前は、江戸時代の貝原益軒(かいばらえきけん)という本草学者が「脂多き魚なり、脂の上を略する」と語っており、「アブラ」が「ブラ」へ、さらに転訛(てんか)して「ブリ」と呼ばれるようになったという説があります。
体側から尾まで黄色い線があるのが特徴で、英名では「Yellowtail」と言います。
ブリは成長にともなって呼び名が変わることから、縁起のよい“出世魚”とされています。
また、地方によってもその名称は異なります。
それがこちら!

●関東
ワカナゴ→ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ 

●関西
モジャコ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ

これほどさまざまな名前を持つ魚はありませんよね!
成魚に向かうほど脂ののりがよくなり、うま味も増しますが、刺身や寿司ネタとしてはイナダやワラサ、ハマチも高い人気があります☆

【12月20日は、「ブリの日」!でも、どうして…?】

12月20日は「ブリの日」というのを、皆さんはご存知でしょうか?
ブリは、漢字で魚へんに師(「鰤」)と書きます。
12月を意味する「師走」の「師」と言う文字が入っている、そして、20日の「20」を「ブ(2)リ(0)」と読む語呂合わせから12月20日が「ブリの日」となりました。


【ブリにはどんな栄養があるの?】

今回は、注目すべき栄養素の一部をご紹介します!

■DHA・IPA(EPA)
豊富に含まれる脂にはDHA・IPA(EPA)が含まれ、血液をサラサラにするほか、生活習慣病やアレルギーの改善に役立ちます。

■ビタミンD
カルシウムとリンの吸収を助け、強い骨と歯を作るのに役立つため、女性に多い骨軟化症や骨粗しょう症予防に働きます。

 ■ビタミンB12
ブリの血合い部分に多く含まれています。
たんぱく質の合成やアミノ酸の代謝に関わる栄養素です。
また、正常な赤血球の生成にも関与し、貧血予防に役立ちます。

ナイアシン
500種以上の酵素の補酵素として、エネルギー産生や、糖質・脂質・たんぱく質の代謝、DNAの修復や合成など、さまざまな機能に関わっています。
二日酔いの原因にもなる「アセトアルデヒド」を分解する酵素の補酵素として働くため、お酒をたくさん飲む人におすすめの栄養素です。

 【ブリの賢い選び方】

ブリは大きいもので全長1m以上、重さは15kgを超えるケースもあるので、切り身で買うことがほとんどだと思います。
ブリの切り身を買う場合は、身にハリと透明感があり、血合いが黒ずんでいないものがおすすめです。
また、脂が少なめの背側と、脂がのった腹側があるので、用途に合わせて選ぶようにしましょう。

 【ブリは年末年始に欠かせない!】

おせち料理では、「焼きもの」のお重に照り焼きを入れるのが一般的です。
ブリがおせち料理に使われるのは、『ブリが出世魚であることから立身出世を願う』という意味が込められています。
また、縁起だけでなく、冬が旬のブリは脂がのっていておいしいため、おせち料理に使われています。
長野県や近畿・中国・北九州地方などではおせち料理だけでなく、お雑煮にもブリを入れる所が多くあります。
そのほか、照り焼きやブリ大根などを正月の朝食や夕食として食べることもあるようです。

いかがでしたか?
皆さんも、ぜひこの冬は縁起も味もよいブリを楽しんでみてくださいね☆

Text byろい/食育インストラクター