冬になると大活躍!どんな料理とも相性抜群「白菜」

寒くなると食べたくなる鍋料理。
その鍋に欠かせない野菜のひとつが「白菜」です。
今回は11~2月の寒い時期に旬を迎える今がおいしい白菜についてのお話です。

【白菜とは】

白菜は、キャベツやチンゲン菜と同じアブラナ科の野菜です。
あっさりとした味わいであることからどんな食材とも組み合わせやすく、和洋中どんな味つけとも相性抜群です。
現在、日本で流通する白菜の多くが頭部の葉がしっかり重なっている「円筒形」で、内側が黄色い黄芯系という品種が主流になっています。
そのほか、内側の葉がオレンジ色をしている「オレンジ白菜」や、重さ1㎏程度と小さい「ミニ白菜」などもスーパーなどで見かけるようになってきました。
主な産地は、茨城県、長野県で、この2県で全体の約半数を栽培しています。
旬は11~2月、白菜は霜にあたることで甘みがグッと増し、繊維もやわらかくなります。

【おいしい白菜の選び方と保存方法】

まるごと購入するときは、外葉が緑色で巻きがしっかりしているもの、芯の切り口が白くみずみずしいもの、そしてずっしりと重さがあるものを選びましょう。
カットしてあるものは、葉が詰まっていて断面が盛り上がっていないもの、芯の部分が変色していないものが新鮮です。
大きな白菜はなかなか1回では使い切れないもの。
カットしたものを保存する場合には、しっかりとラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。
そのときに、立てて保存するとより日持ちします。
食べきれないときは、食べやすい大きさに切り分けて冷凍庫で保存することも可能です。
ただ、水分が多い白菜は冷凍すると食感が損なわれてしまいますので、シャキシャキの白菜を楽しみたい場合には冷凍保存はむいていません。

【白菜にある黒い点々はなに?】

ときどき見かける、白菜にある黒い点々。
これは「白菜のゴマ症」といいます。
収穫時期に気温が高かったり低すぎたり、肥料が多すぎたりと、栽培環境のストレスが原因で出来ると考えられています。
「黒い点々があるものは食べても大丈夫なの?」と思われるかも知れませんが、この黒い点々の正体は、もともと白菜がもっているポリフェノールの一種
食べてもまったく問題はないので、捨てずにおいしく料理に使ってくださいね。


【白菜の嬉しい効能】

90%以上が水分の白菜ですが、ビタミンK、葉酸、ビタミンCなどのビタミン類やカリウムなどが多く含まれています。
「ビタミンK」は骨の沈着を促し、骨の健康維持に、「葉酸」は貧血予防、「ビタミンC」は免疫力アップに役立ちます。
「カリウム」は体内の余分なナトリウムを体外に排出し、高血圧やむくみ、冷え性の予防・改善に期待できます。
そして、アブラナ科の野菜には「グルコシノレート」が含まれ、噛んだり、すりおろしたりすると「アリルイソチオシアネート」という辛み成分に変化します。
これらは、発がん性物質を抑制し、がん予防に効果的です。
白菜に含まれる多くの栄養素は水に溶けやすい性質を持つため、鍋料理にしたときもスープまであますことなくいただくことで、溶け出した有効成分を無駄なく摂れます。

【先人の知恵、白菜の漬物にも嬉しい効果が】

白菜と言えば、鍋料理のほか漬物も定番ですよね。
私の家でも冬になると祖父が白菜漬けをたくさん作ってくれていたのを思い出します。
かつては、野菜が少なくなる冬に備えるための保存食として作られていましたが、塩漬けにして時間を置くことで野菜に含まれる酵素が発酵し、乳酸菌が作られることが分かり、今では発酵食品としても注目を集めるようになりました。
乳酸菌は、腸内にいる善玉菌のエサとなって善玉菌を増やし、悪玉菌の繁殖を抑える働きをします。
このことにより、腸内環境のバランスが整い、便秘予防のほか、免疫力アップにも期待できます。
ただ、この効果を得るには、白菜漬けを選ぶときにも注意が必要です。
市販のものには、塩漬けのほか、調味漬けなどがあります。
ほとんどの調味漬けは発酵させて作られていないので、乳酸菌の効果は期待できません。

生で食べるとシャキシャキ、加熱するとトロっと甘い白菜。
味にクセがなく、和洋中どんな料理とも相性抜群の野菜なので、この冬は鍋料理以外でも白菜を味わってみてはいかがでしょうか。

Text byまち/食育インストラクター