生のまま食べたり干して食べたり、ワインの原料になったりとさまざまな活用方法があるブドウ。
今回はそんなブドウについてのお話です。
【ブドウの種類】
ブドウは約5000年も前から栽培されてきました。
その品種は1万種類以上あるといわれ、世界中の広い地域で最も多く生産されている果物です。
ブドウの果皮色には大きく分けて、黄緑色・赤色・黒色があります。
この色の違いはアントシアニンという色素の蓄積の違いです。
アントシアニンが多いほど果皮の色が黒っぽくなっていきます。
黄緑色系に多いのが、渋みが少なく爽やかな香りの品種です。「シャインマスカット」や「ナイアガラ」などがこの品種です。
赤色系に多いのが、酸味の少ない品種です。「デラウェア」や「赤嶺(せきれい)」などがこの品種です。
コクのある味わいの品種が多いのが黒色系です。「巨峰」や「ピオーネ」などがこの品種です。
【生食用とワイン用のぶどうは違うの?】
ブドウは世界一生産量が多い果物ですが、世界ではその約8割がワインの生産に使われています。
一方日本では、生産量の約9割が生食用のフルーツとして食べられています。
また、生食用のブドウをお酒にしたものがワインと思われがちですが、実は生食用のブドウとワインの原料となるブドウでは品種が異なります。
まず、ワイン用のブドウのほとんどが小粒で水分量がやや少なく、果皮や種子の割合が大きく、酸味が強いのが特徴です。
そして、最大の特徴は糖度が高いところです。
「生食用の方が甘いのでは?」と思う方も多いと思いますが、ワインは原料のブドウのみでアルコール発酵が行われています(ブドウをお酒へと変える過程)。
糖度が高くなければアルコールが満足に生成されず、良質なワインが仕上がりません。
酸味もしっかり感じられるからこそ、糖分が高いにも関わらず甘みは感じにくくなっています。
一方。生食用のブドウはそのまま食べるために栽培されているため、果皮が薄く、大粒でみずみずしいのが特徴です。
生食ブドウは甘酸っぱいというイメージを持つ方も多いと思いますが、ワイン用と比べると糖度と酸味は低く、食べてほどよい味わいのバランスになっています。
【ブドウを食べると長生きできる!?】
ブドウは「食べると長生きできる」と言われる食材ですが、なぜこのように呼ばれているのでしょうか?
ブドウの皮には「アントシアニン」や「レスベラトロール」といったポリフェノールが豊富に含まれています。
アントシアニンは強い抗酸化作用があり、老化を防ぐ効果や視力機能の回復が期待できます。
また、渋みのもととなるレスベラトロールは、長寿遺伝子を活性化させて寿命をのばすといわれており、近年注目されています。
そのほか、甘みたっぷりのブドウは、果糖とブドウ糖などの糖類が主成分のため、体内で素早くエネルギー源になります。
疲れたときに食べると回復が早くなりますよ。
【おいしいブドウの選び方】
粒の大きさが均等でハリがあり、全体的にきれいに色がついているものを選びましょう。
軸が茶色くなっていないものがよいです。
また、皮に白い粉がついていることがあると思いますが、これはブドウの表面を保護するブルームという物質です。
たくさんついていても安全なので食べても大丈夫です。
また、ブドウはツルに近い部分の方が甘味が増します。
よって下から順にたべると最後までおいしくいただけますよ。
いかがでしたか?
ブドウについて知っていいただけたかと思います。
さまざまな品種のブドウを食べ比べてみてはいかがでしょうか?
Text by あお/食育インストラクター