甘味があり色合いもよく、食べやすいかぼちゃ。
どんな野菜でどんな歴史があるのか見ていきましょう。
【かぼちゃの歴史】
かぼちゃは日本古来の野菜ではなく、もともとの生まれはアメリカ大陸です。
16世紀のなかばにポルトガル船が今の大分県に漂着し、カンボジアのかぼちゃが贈られたことから、日本にかぼちゃが伝わりました。
また、カンボジアがなまってかぼちゃと呼ばれるようになったといわれています。
その後、アメリカから新しい品種のかぼちゃが導入されたのが最も食されている、西洋かぼちゃです。
【かぼちゃの特徴】
現在日本で栽培されているかぼちゃは、大きく分けて西洋かぼちゃと日本かぼちゃ、ペポかぼちゃの三種類です。
●西洋かぼちゃ
スーパーなどで見かけるほとんどのかぼちゃは、この西洋かぼちゃです。
甘みが強く、デンプン質が多いのでホクホクとした食感が特徴です。
●日本かぼちゃ
日本かぼちゃは皮がゴツゴツしており、水分が多いのに煮崩れしにくいのが特徴です。
味は淡白でねっとりとした食感なので、煮物に向いています。
料亭などで使われることが多いため、スーパーで手に入れるのは難しいです。
●ペポカボチャ
ペポかぼちゃは北米南部など乾燥している地域で栽培されている品種です。
小さく可愛い形や鮮やかな色が特徴で、ズッキーニやハロウィンで使用されるオレンジ色のかぼちゃもペポカボチャの一種です。
【国内かぼちゃ】
日本で生産されているかぼちゃのうち、約50%は北海道です。
次に鹿児島県、茨城県と続き、北から南まで広く育てられています。
日本かぼちゃは主に、中部より南の地域で、西洋かぼちゃは北海道や東北で多く栽培されています。
おいしいかぼちゃの生産地の共通点は、盆地で寒暖差が激しいということです。
【かぼちゃの栄養】
「冬至に食べると病気にならない」と古くからいわれているほど、かぼちゃは栄養価の高い野菜です。
特に免疫力を高めるβカロテンが豊富です。
そのほかビタミンEも含まれ、血行をよくし、肩こりなどの更年期障害の症状を緩和する効果が期待できます。
【かぼちゃに食べられないところはない!?】
かぼちゃを食べる際、オレンジ色の果肉部分だけを食べていませんか?
実はかぼちゃは、かたい皮から種、ワタまですべて食べられます。
また、皮やワタには果肉よりも多くβ-カロテンが含まれ、ワタの部分は甘みが一番強いんです。
皮はよく洗ってから、細く切ってきんぴら風にしたり、ワタはミキサーにかけてポタージュにすると食べやすくなりますよ。
そして、かぼちゃの花も食べられるんです。
かぼちゃの花を見る機会はなかなか無いですが、ヘチマやきゅうりと同じ黄色い花を咲かせます。
その中でもかぼちゃの花は大きめです。
味は淡白でほんのり甘みがあります。
生のまま刻んでサラダに入れたり、シチューや炒め物などに使われます。
【おいしいかぼちゃの見分け方】
買ったかぼちゃが甘くなくて、がっかりした経験がありませんか?
せっかくなら甘くておいしいかぼちゃを買いたいですよね。
そこで、カットされた状態のおいしいかぼちゃの見分け方をご紹介します。
まず、果肉の色が鮮やかで、種がふっくらとしたものを選びましょう。
切ったかぼちゃは種から傷み始めるので、種が沈み込んでいないか確認するのも大切です。
また、中の種やワタがぎっしりと詰まっているかも確認しましょう。
種の間に隙間があるものは熟しすぎているので注意が必要です。
かぼちゃにはさまざまな種類があります。
それぞれの特徴をいかしたお料理をしてみてはいかがでしょうか?
Text by あお/食育インストラクター