花野菜のひとつであるカリフラワー。
ポピュラーな白色はもちろん、黄色や紫など、バリエーションに富んだ色があるのが魅力的です。
料理に加えるとボリューム感が増し、パッと明るい雰囲気になるので、写真映えもよいですね。
今回はそんなカリフラワーについてのお話です。
【似て非なる…!? ブロッコリーとの関係は??】
カリフラワーとブロッコリー、名前は違いますがどちらも形がよく似ていますよね。
それもそのはず、カリフラワーはブロッコリーの突然変異種として生まれたのが始まりだとされています。
それでは結局同じ野菜なのでは?と思えますが、カリフラワーとブロッコリーはどちらも食用の歴史が古く、紀元前まで遡ることができます。
それを今から完全に同じ野菜として扱うのは、ややこしいものがありますよね。
発生は同じだけれど、今は違う存在として扱われている生物は、自然界では珍しくありません。
カリフラワーもそんな存在なのです。
【その実に詰まったパワー】
栄養価を見てみると、緑黄色野菜のブロッコリーと比べて、淡色野菜のカリフラワーは種類や含有量が劣るといえます。
ただし、緑黄色野菜と淡色野菜を分けるのはβ‐カロテンの含有量なので、淡色野菜の栄養価が控えめなのは当然のことです。
量をたくさん食べ、食物繊維の補給源となることが、淡色野菜の最大のメリットだといえます。
エネルギーも低めなことが多く、食べ過ぎ防止に役立ってくれるのもよい点ですね。
また、カリフラワーはオレンジや紫など、変わった色の品種があるのも魅力です。
これらの色のもとになる成分であるカロテノイド色素や、ポリフェノールのアントシアニンは抗酸化作用が高いため、生活習慣病予防に役立ちます。
さらに、カリフラワーはもともと抗酸化ビタミンであるビタミンCが豊富なので、より効果が期待できますね。
【白い色がお米の代わりに…?】
そんなカリフラワーですが、近年は欧米を中心に変わった盛り上がりを見せています。
なんと、主食の代替食として食べられているのです!
カリフラワーライス、とそのままのネーミングですが、野菜を主食として食べるベジライスの中では非常にメジャーな存在なのです。
ベジライスはダイエットのほか、グルテンフリーであることも欧米で支持される理由のようです。
米が主食の日本人にはとってはあまりなじみがありませんが、欧米ではグルテンフリーの考え方が浸透しており、食品表示にもグルテンについての記載があるほどです。
実はグルテンフリーによる健康効果に関しては、まだ研究途中の段階にあり、必ずしもそれが優れているとは言い切れませんが(もちろん、アレルギーやセリアック病を発症している場合は除去食が必須です)、ベジライスは食のスタイルの一環として定着しつつあります。先ほどの項でも少し触れましたが、淡色野菜のカリフラワーはエネルギーが低く(糖質が少ない)、加えて、小麦粉や米のような真っ白の花蕾は、視覚的な意味でも代替食としての役割を果たしてくれるので、ベジライスの中でも大変優秀な野菜なのですね。
白米の代わりに食べるのは違和感があるかもしれませんが、カリフラワーとチーズや卵を合わせて焼き、ピザ生地の代わりにするなど、おかずのひとつとして取り入れてみるのもよいかもしれませんね。
カリフラワーは臭みや苦みも少なく食べやすいので、いろいろな食べ方ができる野菜です。
旬の今は瑞々しく、食感もよいので、ぜひ召し上がって下さいませ☆
Text byはむこ/食育インストラクター