米粉は、古くからせんべいや和菓子に使われてきましたが、最近では細かく粉にする技術が進化し、パンやケーキ、麺類などのさまざまな加工品が米粉で作れるようになりました。
今回は、意外と知られていない?米粉の記念日や豆知識をご紹介します!
【どうして4月4日が『米粉の日』なの?】
米粉の日は、新潟県で米粉の用途や需要の拡大を目指している新潟米粉研究会が制定し、日本記念日協会が認定しました。
- 「米」という漢字は分解すると「八十八」になる
- 米粉は米の子ども、米の半分
という解釈から、八十八の半分の四十四、4月4日が米粉の日となりました。
【米の消費量は年々減っている…!】
皆さんは1日のうち、何食お米を食べていますか?
「今日はパンやパスタだったから、1回も食べてないかも…。」という方もいらっしゃるのでは?
農林水産省の調査によると、米の1人あたりの年間消費量は、昭和37年度をピークに一貫して減少傾向にあります。
昭和37年度には118kgの米を消費していたのが、令和2年度にはその半分以下の50.7kgにまで減少してしまいました。
主食用の米の需要が年々減少するなか、新たな用途に使用できる米粉の需要拡大は重要であるということから、米粉の普及がカギとなっています。
【米粉には、こんな特徴があります!】
●もっちりとした食感
米粉で作られたパンや麺は、日本人に好まれるモチモチの食感を生み出します。
●低吸油でヘルシー
小麦粉よりも油の吸油率が低く、天ぷらや唐揚げを米粉で揚げるとサクサク感が長く続きます。
(油の吸収率=米粉21%、小麦粉38% ※鶏もも肉を揚げた時の衣の吸収率)
●玄米粉は機能性栄養素が豊富
玄米粉には、食物繊維のほか、ビタミンB、ビタミンE、ナイアシンなどのビタミン類、抗酸化物質のフェルラ酸やフィチン酸、血糖上昇を抑制するGABAなど、機能性栄養素が豊富に含まれています。
●小麦アレルギーの方も食べられる
小麦にはグルテンが多く含まれています。
グルテンは小麦などの穀物に含まれるたんぱく質で、水で捏ねることで生地に粘りや弾力を与えます。
グルテンを形成するのはグリアジンとグルテニンという2つのたんぱく質ですが、これらは小麦アレルギーの原因となります。
小麦アレルギーの方は、グルテンの摂取を避けなければなりません。
そこで注目されたのが、お米から作られた「米粉」です。
米粉にはグルテンが含まれていないので、小麦アレルギーの方も安心して召し上がれます。
また、グルテンは消化する際、胃腸に負担をかけると言われています。
小麦アレルギーのない人にとっても、米粉を使った料理は消化しやすく体に優しいと言えます。
※「米粉」として販売されているものの中には、あえてグルテンを添加している商品もあります。
小麦アレルギーをお持ちの方は、パッケージの表記をよくご確認ください。
●食料自給率アップに貢献
米粉を使ったパンや麺を食べることは、食料自給率アップに繋がります。
農林水産省によると、令和2年度の日本の食料自給率(カロリーベース)は37%で、先進国の中でも下位に位置します。
現在、小麦は輸入に頼っていますが、米粉を小麦粉の代わりに使うようになれば、食料自給率の向上に貢献することになります。
国産米粉パンを1人あたり1ヵ月3個食べると、自給率が1%アップするとされています。
(パンの原料である小麦粉(輸入)を国産の米粉で代替するとし、パン1個に使用する米粉量を80gとして試算)
【米粉も用途別に分類されるようになった!】
米粉は小規模な製造業者が多く、米粉用米の品種や製粉方法もさまざまなことから、製造業者によって製品の吸水量が異なるなど品質の違いがみられ、利用が広がりにくいといった課題がありました。
一方、小麦粉は、「薄力」「中力」「強力」という表示を付して流通しており、家庭における小麦粉利用の基礎情報として浸透しています。
そのため、米粉についても平成30年1月から用途別基準表記を開始しました。
大きく、「①菓子・料理用」「②パン用」「③麺用」に分けられています。
日本米粉協会は、適合する製品に協会の「推奨マーク」を付与する仕組みを実施しています。
最近では米粉で作られたパンや麺類などを、コンビニなどでもよく見かけるようになりましたね♪
皆さんも、日々の食事に「米粉」をとり入れてみてはいかがですか?
Text byろい/食育インストラクター