とろける食感でジューシーな桃!
原産国は中国で、日本では山梨県・福島県などで多く生産されています。
今回はそんな桃についてのお話です。
【桃の歴史】
日本では、弥生時代の遺跡から桃の種が見つかっているほか、古事記や日本書記にも記載があります。
中国には、桃を食べた仙人が不老不死となった説話があることから、仙果(せんか)とされ、花や葉、枝にも邪気をはらう効果があると考えられてきました。
日本でも鬼を恐れさせるといわれ、昔話の「桃太郎」につながったという説もあります。
【旬はいつ?】
桃の旬は7~8月です。
最盛期を迎える露地栽培の桃に先駆け、春~初夏にかけて収穫されるのがハウスなどの温室で栽培されている桃です。
通常より早い5月ころから出荷が開始されます。
温度や水分を丁寧に調整しながら、手間暇かけて作られたハウス桃は、品質レベルが特に高いことで有名です。
また、山梨県で栽培されている冬桃(クリスマスピーチ)や岡山県の冬桃がたりは11月~12月に収穫される珍しい品種です。
【おいしい桃の選び方】
●果点がある
桃に白いぶつぶつ(果点)があればおいしい桃のサイン。
実が熟してきて糖度が上がってくると皮に亀裂が入って出来るのが果点です。
皮の表面全体に広がっていれば、さらに甘さが増している証拠!
●左右対称
形がいびつなものは、成長過程で何かがあった可能性があり、味にばらつきがあることが多いので左右対称のものを選びましょう。
【桃のおすすめのむき方】
皆さんは桃をきれいにむけますか?
種がうまく取れなかったり、実がつぶれてしまったり、きれいに切るのはなかなか難しいですよね?
- 桃は優しくさすりながら、水で洗って産毛をとりましょう。
- 皮つきのまま、凹みに沿って包丁を入れ、種に沿うようにぐるりと1周して切れ込みを入れます。
- 桃を両手で包むように持ち、手前と向こう側に軽くひねるようにゆっくり何度か回します。
片側から種が外れて半分になります。
力を入れてしまうとつぶれてしまうので注意しましょう。 - 種のついていない方の実は食べやすい大きさになるように4~6等分に切り分けます。
- 種がある方の実は手で持ち包丁が種に当たるまで4~6ヵ所切り込みを入れます。
種を天井に向け、種に沿って包丁を上下に動かします。
包丁が入ったところから、実がひと切れずつ種から外れていきます。 - 包丁を寝かせて、果肉と皮の間に入れ、まな板から包丁が離れないよう平行に動かし、皮をむきます。
【桃の保存方法】
桃は常温で直接風があたらない冷暗所で保存するのが基本です。
直接風があたるところに置いてしまうと、桃の水分が失われて乾燥してしまいます。
直射日光があたるのも乾燥の原因となるのでよくありません。
食べる1~2時間ほど前に冷蔵庫に入れて、ほどよく冷やすとおいしくいただけます。
でも涼しいところがなかったり、少しでも長持ちさせたい場合は、鮮度保存袋に入れて野菜室に保存しましょう。
【気になる栄養】
●ビタミンE
若返りのビタミンといわれているビタミンEには、血行促進作用、老化を防ぐ抗酸化作用などがあります。
摂取すると血液の流れがスムーズになり、体内に新鮮な酸素と栄養素を届けられるので、血行不良からくる疲れや肩こりをやわらげ、冷えやすい手足を温めることが出来ます。
●カリウム
カリウムには体内の余分な塩分や水分を体外に排出する働きがあり、高血圧の予防、むくみ改善、筋肉を正常に保つなどの効果があります。
●ペクチン
ペクチンは食物繊維の一種で、腸内環境を整える働きがあります。
そのため、便秘や下痢を予防する効果があります。
また、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値を下げる効果もあります。
【桃の種は生薬として使われている!?】
栄養豊富でおいしい桃ですが、実は桃の種は「桃仁(とうにん)」という生薬としても使われているんです!
種の核を取り出して日干ししたもので、血の巡りをよくする働きがあります。
また、女性ホルモンの乱れを正常にしたり、月経不順や便秘を解消する効能なども期待できます。
でも、子宮を収縮する効果もあるので、妊娠中の方には禁忌とされています。
いかがでしたか?
今が食べごろでおいしい桃を食べて、暑い夏を元気に過ごしましょう!
Text byあお/食育インストラクター