食物繊維豊富で低カロリーな「寒天」の活用方法

寒さが厳しくなる2月。
もともと外に出るのが億劫になる季節ではありますが、今年はさらにコロナの影響により、家の中で過ごすことが多くなっていることと思います。
お家時間が増えることで運動する量も減り、「お腹まわりがちょっと気になる人」におすすめの食材が寒天!
おいしく手軽に食物繊維が摂れる、寒天レシピをご紹介します

【「寒天」の誕生は偶然から!?】

寒天は原料である「テングサ」や「オゴ草(オゴノリ)」などの海藻類を煮溶かし、凍結乾燥させたものです。
寒天とよく似た「ところてん」は中国から仏教が伝わった538年ごろに、作り方が伝えられたと言われていますが、寒天はそのところてんを保存しているときに偶然誕生した日本オリジナルの食材です。
江戸時代、京都の旅館店主が冬場にところてんを外に出しておいたところ、冬の寒さでところてんが凍り、自然乾燥の状態になりました。
このことから旅館の店主がひらめき、寒天の製法が編み出されたと言われています。

【寒天の種類】

寒天は「角寒天(棒寒天)」や「糸寒天」、「粉寒天」の3種類があります。
「角寒天(棒寒天)」、「糸寒天」は、主にテングサを原料に用い、自然の寒気を利用する伝統製法が主流ですが、テングサの収穫量の減少や原価価格の高騰になどにより、オゴ草を合わせて作られることが多くなっています。
「粉寒天」はオゴ草を主原料とし、凍結させず、脱水・圧縮・乾燥させて粉末状にしています。
それぞれ食感も少し異なり、角寒天・糸寒天は弾力のあるなめらかな食感、粉寒天はややかための食感で歯ごたえが楽しめます。
用途に応じて使い分けるのもよいですね。

【寒天は食物繊維の宝庫!】

寒天は100%海藻から出来ており、全体の約80%を占めるほど食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は、便秘改善や腸内環境を整える働きが期待出来ます。
さらに、腸内で水分を吸収してくれるので満腹感が得られやすくなり、食べ過ぎを防いでくれます。
このほかに、血糖値の上昇を抑える働きや余分なコレステロールを体外に排出するのにも役立つとされています。
寒天は、手軽に食物繊維が取れ、ダイエットにも効果的な食材ですが、それだけ食べていると栄養が偏ってしまいます。
肉や魚などのたんぱく質、ビタミンミネラルが摂れる野菜などと一緒にバランスよく食べましょう


【鶏挽き肉と大豆の炊き込みご飯

<材料> 調理時間:20分(米のザル上げ、炊飯時間は除く)
米・・2合
鶏挽き肉・・150g
大豆の水煮・・50g
ごぼう(ささがき)・・30g
にんじん(ささがき)・・30g
しょうが(短めの千切り)・・1かけ分
A出汁・・300ml
Aしょうゆ・・大さじ2
Aみりん・・大さじ2
A粉寒天・・小さじ1
小ねぎ(小口切り)・・お好みで

<作り方>

  1. 米は洗ってザルに上げ、30分ほどおいて水気を切る。
  2. 炊飯器の内釜に(1)・Aを入れてひと混ぜし、上に挽き肉・大豆・ごぼう・にんじん・しょうがをのせて炊飯する。
  3. 炊き上がったらサックリと混ぜ合わせ、お好みで小ねぎをふる。

【かぶと寒天のミルクスープ】

<材料(3~4人分)> 調理時間:20分
かぶ・・4個
かぶの葉・・1個分
玉ねぎ(薄切り)・・1/4個
ベーコン・・20g
バター・・20g
A水・・200ml
A顆粒コンソメ・・小さじ1/2~1
A牛乳・・400ml
塩・こしょう・・少々
糸寒天・・10g

<作り方>

  1. かぶは皮をむいて4等分に切る。かぶの葉は熱湯でゆでて3cm長さに切る。
    ベーコンは1cm幅に切る。
  2. 鍋にバターを入れて火にかけ、玉ねぎ・ベーコンを入れてしんなりするまで炒める。
  3. かぶを入れてさらに炒め、表面が透明になってきたらAを加えて弱火で煮る。
  4. かぶが十分にやわらかくなったら泡立て器などで粗めに崩し、塩・こしょうで味を調え、火を止める。
  5. 寒天・かぶの葉を加え、ひと混ぜする。

2005年2月16日にテレビで健康食品として取り上げられたのがきっかけでブームになったことから2月16日は「寒天の日」と制定されました。
和菓子だけじゃなく、料理にも大活躍の寒天。
おいしく調理して毎日を健康に過ごしましょう。

Text byまち/食育インストラクター