離乳食体験記~離乳食期の鉄分不足について~

離乳食体験記~離乳食期の鉄分不足について~

今回は鉄分についてのお話です。

乳幼児期の隠れ貧血

離乳食前の乳児は母乳や粉ミルクといった、体にとって吸収しやすい物から栄養を摂っていましたが、離乳食は色々な食材から栄養を摂るため、少し勝手が違います。
離乳食は口でよく噛み、お腹で分解吸収する事で、ようやく自分の体に必要な栄養を摂る事が出来ます。
栄養には吸収「しやすい物」「しにくい物」があり、「しにくい物」の代表格に鉄があります。
その
吸収率は低く、摂取したうちの15%程度と言われています。
おチビが1歳位の時、頻繁に体調を崩すので血液検査をしたところ、体内の鉄が不足している事がわかりました。
鉄不足が体調を崩す一番の原因というわけではないのですが、風邪等をひきやすくなる要因の一つにはなるそうです。
粉ミルクや混合での子育てより、母乳のみの方が、鉄不足になっている可能性が高いと言われています。

※母乳と粉ミルクのどちらが優れているかという話では決してありません。
母乳は母親ごとに個性があり、値が常に一定ではないので、可能性が高いという事です。
どちらで子育てをしても、子どもはきちんと育ちます。

離乳食前の生後5ヶ月までの栄養と、それ以降の生後6~11ヶ月では、1日に必要とされる栄養の摂取基準が一気に10倍近くになります。
離乳食が進むこの時期は、子どもの成長速度も速いので、未熟な消化吸収能力では栄養を効率よく取れず、補いきれない事も要因の一つとされています。
この頃の貧血は成長と共に改善されていくと言われていますので、あまり深刻にならず、バランスの良い食事を心がけましょう。
(おチビは貯蔵鉄(いざという時に使う蓄え)の値が低かったので、医師の指示のもと、鉄を含むシロップを飲んでいました。)

鉄の役割

主な役割は

  • 血液中の赤血球の生成
  • ヘモグロビン等と結びついて全身に酸素を供給
  • 出血した際に出て行った分を補う為、一部は貯蔵

といった事に利用されています。

2種類の鉄

鉄は主に動物性の物に含まれる「ヘム鉄」卵や海藻・野菜・豆類に含まれる「非ヘム鉄」があります。
ヘム鉄は非ヘム鉄の数倍吸収率が高いです。
非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂る事で、体内での吸収率が上がるとされています。
また、
肉や魚等のたんぱく質と一緒に非ヘム鉄を摂ると吸収が促進されると言われているので、色々な種類の食材を一緒に摂ると効率がいいでしょう。
逆に、赤ワイン等に含まれるタンニンや、コーヒー・紅茶等に含まれるカフェインは吸収を妨げてしまうと言われていますので、鉄を意識して食事する時は、控えるとよいですね。


過不足で起こる事

〇足りない
貧血のほか、体温調節の不具合や免疫力・抵抗力の低下、食欲不振・頭痛・動悸等も起こります。
〇摂り過ぎ
基本的には腸での吸収時に量を調節しているので、摂り過ぎは起こりにくいですが、サプリメント等で摂り過ぎると、肝臓や胃腸の障害を起こしたり、子どもでは鉄の中毒になる事があります。

再利用

鉄を利用して作られる赤血球は、およそ4ヶ月位で壊されます。
壊れた後、放出された鉄を利用し、新たな赤血球が作られます。
このようにリサイクルする事で、体内の鉄が外に出る事はほとんどありません。
ですが、思わぬケガや女性の場合、月経や妊娠・出産等で体外に出てしまうとそれを補う必要があります。
ちなみに、体内で不足している時は吸収力がアップすると言われているので、成長期や妊娠・授乳期・ケガをした時は積極的に摂るといいですね。

鉄は健康維持や体の成長に重要な栄養素です。
一度にたくさん摂るのではなく、日々の食事でバランスを心がけ、子どもと一緒に大人もしっかり鉄分を補給しましょう☆彡

Text by さゆり/食育インストラクター

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