食べ物から栄養を摂る準備期間である離乳食期。
初期・中期・後期と幼児食へ移行するための完了期の4ステップが基本です。
今回は離乳食初期のおかゆやおかずのバリエーションをお伝えします。
【離乳食とは】
生まれてからずっと母乳やミルクの栄養で育ってきた赤ちゃん。
赤ちゃんの体の機能はまだ発達途中なので、同じものは食べられません。
また免疫機能も不十分なので、消化器官や咀しゃくの発達に適した食事が必要となり、その役割を担うのが「離乳食」です。
段階に合った食事の練習を重ね、約1年かけて固形物を食べられるようになったら次のステップ「幼児食」へと移行します。
離乳食は「首がしっかりし、支えると座れる」・「食べる様子をジッと見たり、食べ物に興味を示す」・「口をモグモグ動かし、よだれがよく出る」などが見られる生後5~6カ月頃が開始の目安です。
※上記に挙げた月齢はあくまで目安です。人の成長は個々に違いますので、赤ちゃんの成長具合をしっかりと確認して始めましょう。
【離乳食初期の食べ方・食材のかたさの目安】
●食べ方の目安
この時期に摂る栄養は、母乳や育児用ミルクからが主体となります。
欲しがるようなら、満足するまであげてください。
離乳食は子どもの体調を見て一日1回1さじずつ与えます。
離乳食初期の目的は「食べ物を飲み込む」・「味や舌触りに慣れる」ことです。
●かたさの目安
目安は「ヨーグルトのように滑らかにすり潰した状態」。
固形物を食べたことがないので、誤嚥の原因にならないよう、しっかりとすり潰してあげましょう。
【離乳食を初めて1カ月ほど経ったらやってみよう!】
10倍がゆ、野菜やいも類に慣れてきたら、「パンがゆ」や「めんがゆ」に挑戦!
※アレルギーの原因となる食材が含まれていないか事前に確認してから与えてください。
【パンがゆ】
食パンの白い部分は柔らかいので、おかゆにするにはピッタリです。
なるべく添加物の少ない食パンを選んであげてくださいね。
<材料>
食パン(8枚切り)・・ 1/8枚
調乳したミルク・・大さじ3
<作り方>
1.食パンは耳を包丁で落とし、手でちぎる
2.小鍋に(1)・ミルクを入れ、トロトロになるまで煮る
【めんがゆ】
大人のものよりやわらかめに茹でます!
<材料>
そうめん(乾めん)・・5g
野菜出汁または混合出汁(鰹と昆布)(※)・・大さじ1
☆野菜出汁・混合出汁のとり方はこちらをご覧ください >>>『離乳食①〜初期〜』
1.そうめんは熱湯でやわらかく茹で、ザルに上げて水でよく洗う
2.(1)の水気をよくきり、包丁で細かく刻む
3.(2)をすり鉢に入れ、野菜出汁を加えてよくすりつぶす
【さらに、たんぱく質をプラスしよう♪】
たいやかれい、ひらめなどの白身魚や豆腐などたんぱく質にも挑戦!
消化能力が未熟なので必ず加熱し、殺菌してから与えましょう。
赤ちゃん用スプーンで1さじから始めます。
【ポイント】
〇白身魚
沸騰した湯に白身魚を入れ、中までしっかり火を通します。
皮・骨を取り除き、湯を少量加えながらすり鉢ですりつぶし、最後に湯を加えてかたさを調整します。
〇しらす干し
しらすは塩分が強いので、茹でて塩抜きしてから、包丁で細かくたたきます。
〇豆腐
殺菌するために、火を通してから使います。
豆腐はやわらかいのですりつぶすより、裏ごしが簡単です。
このころの離乳食は、赤ちゃんの未熟な腎臓や消化器に負担をかけないため、調味料は使いません。
食材が持つ本来の味や香りを体験させます。
食が進まないときは、無添加の出汁などをプラスしてみてください。
ベーッと口から出してしまっても、無理強いして与えず、赤ちゃんのペースで待ってあげましょう。
赤ちゃんにとっては初めてのこと、戸惑うのは当たり前です。
何度か繰り返すことで、上手に飲み込めるようになっていきます。
焦らずに、赤ちゃんに食べることの喜びや楽しさを教えてあげてくださいね。
Text by くまこ/食育インストラクター