まだまだ残暑が厳しいですね。
暑さで体力が落ちるこの時期は特に食中毒に気を付けたい季節でもあります。
今回は衛生のお話です。
【食中毒を防ぐ三原則】
厚生労働省がかかげる食中毒予防の三原則は、原因菌を
- つけない
- 増やさない
- やっつける
です。調理前後にしっかり手洗いをする・生ものを触った手でほかの食材や食器を触らない・菌が増殖しやすい温度帯に長く放置しない・加熱や殺菌でしっかりと消毒する。これらを基本に、家庭での食中毒を予防しましょう。
【台所一帯を要チェック!】
食品の扱いに気を配っても、手や器具・食器が汚染されていたら、食中毒を起こす原因を作ってしまう事になります。
簡単ですが、チェック項目を作ってみたので日頃を思い出して確認してみましょう!
○手は洗いましたか?
手指は洗ったつもりでも意外と汚れが取れていないものです。
ハンドソープを使って指先や爪の間・手のしわの間・手首まで、しっかりと洗いましょう。
○傷はないですか?
手に傷がある場合は絆創膏で患部を覆い、さらに指サックや使い捨てゴム手袋を着用すると衛生的です。
咳が出る時はマスクも忘れずに。
余談ですが、赤ちゃんはいつ泣き出すかわからないので、傷がなくても生ものに触れる時は使い捨てゴム手袋を使うと便利です。
○顔や髪の毛に触れていませんか?
清潔と思っていても、私達の体には無数の菌が付着しています。
それは顔や髪の毛も同じ事。せっかくきれいに手を洗っても、普段の何気ない仕草で手に菌を付けているかも!!
調理中は出来るだけ触れないようにし、触れたらその都度手洗いを心がけましょう。
○器具や器の裏・・ヌルヌルしていませんか?
表はしっかり洗っていても、後ろ部分は意外と見落としがち。
たまると雑菌の温床になるので、しっかり洗いましょう。
離乳食用のプラスチックの器やカトラリーは煮沸消毒出来るものもあるので定期的なお手入れを心がけましょう。
また、ザルや茶こしの網部分の汚れは楊枝や歯ブラシなどで丁寧に洗ってあげるとよいですよ。
○包丁・・持ち手も洗っていますか?
刃の部分は洗っても、持ち手は流すだけで洗わない方も多いのでは?
食材が付いている事もあるので、持ち手も刃と同じようにしっかり洗う習慣を付けましょう。
洗ったあとに熱湯をかけて殺菌するのも有効です。
○もったいないからと取っておいていませんか?
せっかく作ったのに、全然食べてくれなかったからといって、取っておいたりしていませんか?
食べ残しはもちろん、ずっと出していた物には菌が増殖している場合があります。
もったいないと思わずに思い切って捨てる勇気を持ちましょう。
【主な食中毒の種類】
今回は原因として最も多い細菌による食中毒と、予防策をご紹介します。
○腸管出血性大腸菌(O157が有名です。)
感染源は、生肉・加熱不十分な調理済み食品・生野菜など。
○カンピロバクター
色々な動物が保菌しています。
乾燥に弱く、人や動物の腸でしか増えることが出来ない菌ですが、数百個という比較的少ない数で食中毒を発症します。
感染源は鶏の生食や・牛レバーの生食・湧き水などです。
○サルモネラ
川や湖・動物の腸など、様々な場所にいる菌です。
乾燥に強く、鶏肉や卵から感染する事が多いです。
過去にはレバーの生食や二次汚染された食品が原因となりました。
○腸炎ビブリオ
塩分を好み海に生息している菌で、真水や酸に弱いです。
魚介類の生食や加工品・二次汚染による感染が確認されています。
○黄色ブドウ球菌
人や動物の体表に常在している菌です。
手荒れや切り傷・化膿した所で増殖します。
エンテロトキシンという無毒化できない毒素を作ります。
感染源は乳製品やおにぎり・お弁当・練り製品・和菓子などです。
全体的な予防策としては
- 手洗い
- 十分な加熱(食品の中心を75℃以上・1分以上加熱)
※腸炎ビブリオは60℃で30分の加熱で死滅する - 肉や卵の生食を極力避ける
- 生肉と他の食品が直接触れないようにする
- 魚介類は鮮度の良いものを購入し、きれいな真水(水道水)でしっかりと洗う
※主に腸炎ビブリオが該当 - 傷がある場合は直接食品に触れない
- ラップをして虫等が付かないようにする
などです。
※厚生労働省のH.P.を参考・一部抜粋しています。
赤ちゃんのために衛生面を強化することは、家族全体の健康を守る事にも繋がります。
家族で知識を深め、予防しましょう。
Text by さゆり/食育インストラクター