「妊娠中はバランスの良い食事を心がけ、塩分も摂りすぎないようにしましょう。」といわれたり、本などにも書いてありますよね。
ですが、ご家族の分も食事を作る中で自分の分だけ別に作るなんていうのは正直大変!
今回は少しの工夫で手間をあまりかけずに塩分と付き合う方法を、体験談を交えてご紹介します。
【あまりキツイ制限をかけない】
私の行っている病院にはドクターの診察の他に妊娠初期・中期・後期と最低3回は出産の時に関わってくれる助産師さんと話をする「助産師外来」というものがあります。
つわりが治まり始める中期の助産師外来の時に出産までの過ごし方などを話したりする機会があったのですが、その時に食事についての話もありました。
「妊娠週が進むにつれて、お腹が大きくなることによる下半身の圧迫が出てくるので、どうしても血圧が高くなりやすかったり、むくみが出てきたりします。血液量も増加するので、貧血にもなりやすいです。」
「つわりが治まったら、今度はバランスよく食事をすることが赤ちゃんにとっても自分にとっても大切な時期に入ってきます。脂っこいものはなるべく控えてほしいですし、塩分も血圧上昇やむくみの原因にもなるので気を付けて下さいね。」といったお話をしました。
その時に「あまりストイックに塩分制限をしてしまうとかえって体内のバランスが崩れ、長続きしないので、高血圧症候群などの兆候があったりするのでなければ、毎食の塩分を意識するだけでも違うので、まずはそこからやっていきましょう。」という話をしてもらいました。
【具体的には・・・】
助産師さんとのお話を自分なりに解釈し、私が実践していることを少しご紹介しますね。
- 汁ものは一日1回にする・汁ものを頂く時、作るのは家族と同じもので構わないが、盛り付ける時に汁を少なめにし、具を多めにする
- メインなどは自分用に薄めに味を付けて一部取り出し、残りを家族用に追加で味付けする(または最初から薄めに味付けして食卓に出し、家族が薄いと感じた時用に小皿等に調味料を少し準備しておき、自分で調整してもらう)
- 蒸し野菜など、後から自分で調味料や薬味などを付けて食べる料理をつくる
- 煮物などは出汁をきかせて風味を付け、調味料による味付けは薄めにし、冷ましながらしっかりと中まで味を含ませる
- メインに塩サバなどの塩分の多い加工品を食べる時は、周りの副菜や付け合わせの味を薄くし、メインと一緒に口に運ぶことで薄さを感じないように食べ方を工夫をする
- カリウムの多い野菜や果物を食べる
- 漬け物など塩分が強いと分かっている食べ物は控える
などです。意識をして食事と向き合うと、特別なことをしなくても減塩を心がける事が出来ます。
その他、
- 塩などの調味料は加える時に容器から直接加えるのではなく、乾燥調味料類なら一度自分の手のひら(またはスプーンなど)に出し、液体調味料なら計量スプーン(普段使っているスプーンでもOK)などに出して目で量を確認しながら使う
※こうする事で入れる前に「本当にこの量を加えてもいいの?」と自問自答出来ます - みそやしょうゆは減塩のものに切り替える※最初は普通のみそやしょうゆを使っていましたが、ちょうど途中でなくなってしまったので、それを機に減塩のものにしてみました。使ってみると意外に普通のものと遜色なく使えています。
- 外食する時はメニューにカロリーや塩分などが表示されていたら、ちょっと気にかけてみる(うどんやラーメンの汁は飲まない)
といったことをやっています。
これでも十分ストイックだ!と思われる方もいらっしゃるかと思いますし、必ずしも絶対ということではないので、塩分摂取で悩んでいる方に参考にして頂けたらいいなと思います。
減塩は妊婦だけでなく、普段の食生活においても健康で長生きするためには大切なことなので、家族みんなで塩分に対しての意識を変えてみるのもいいかもしれませんね。
Text by さゆり/食育インストラクター