こどもごはんを考える~組み合わせで効率よく栄養を摂る方法⑧ビタミンB6~

子どもの「食事は栄養たっぷり!バランスよく!」と考える方が多いと思います。
栄養素は加熱に強い・弱いや、水に溶け出るもの、油脂に溶け出るものなど様々です。
それぞれの特徴を知る事で効率よく栄養を摂る事が出来ます。
今回はたんぱく質の代謝に関わり、神経や皮膚の機能を正常に保つ水溶性のビタミンB6についてご紹介します。

【水溶性ビタミンとは

水溶性ビタミンはビタミンB群(B1・B2・B6・B12・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ビオチン)・ビタミンCです。
その名の通り、水に溶けやすい性質を持っています。
脂溶性ビタミンのように体内に留まる事はなく、摂取し過ぎた場合は尿と共に体外へ排出されます
過剰摂取による人体への影響はあまりないとされていますが、サプリメントなどを用いられている方は食事とのバランスも考えながら摂っていきましょう。

【ビタミンB6

ビタミンB6の主な働きは、補酵素として体の中に入ったたんぱく質やアミノ酸をエネルギーに換える際、スムーズに行えるようにしたり、たんぱく質になるためのアミノ酸を再合成する過程で助けたりします。
そのほか、神経物質や赤血球等の合成にもかかわる栄養素です。
効能は「神経や皮膚を正常に保つ」・「成長促進」・「食事で摂ったたんぱく質をエネルギーに変換する(体を動かす力に変える)」などです。
また、女性の月経前症候群や妊娠時のつわりを軽減する効果があるといわれているので、意識して摂取しましょう。
ビタミンB6は通常の食事での過剰摂取は起こりにくいですが、長期に渡っての摂取や、一度に多量に摂ると神経障害やシュウ酸腎臓結石を起こすことが確認されています。
欠乏すると貧血・皮膚や口角の炎症・神経障害が起こる恐れがありますが、様々な食材に含まれるので、しっかりとバランスのよい食事を心がけていれば欠乏する事はあまりないとされています。
多く含む食品は、魚介類や肉類・そば・玄米・にんにく・種実類等です。
光や熱に弱い性質なので、購入したら早めに使い、冷暗所で保存しましょう。


相性の良い組み合わせ

下記に組み合わせると効果的な食材をまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。

☆にんにく×刺身用魚(カツオやマグロ等)
ニンニクは野菜の中でもビタミンB6の含有率が高いですが、一度にたくさんの量を摂るには向かない食材でもあります。
そこで、鮮度が命のビタミンB6を有効に摂るためにこちらも鮮度が命の刺身用の魚はいかがでしょう。
カツオやマグロといったたんぱく質・ビタミンB6を両方含む食材にニンニクを組み合わせれば理想的です。
ニンニクとオイルでマリネし、表面をサッと焼いてたたき風にし、たっぷりの野菜をのせていただくと最高ですね!
ニンニクは一緒に焼いてチップにすると食感と味のアクセントになります。
小さなお子様はしっかりと焼いてあげれば大人と同じ食材で一品が作れます。

☆鶏ささみ×ねぎ類・ニラ
高たんぱく質・低エネルギー食材の鶏ささみは煮る・蒸す・揚げる・焼くなど、どんな調理法にも合う食材です。
たんぱく質が豊富なうえ、ビタミンB6が多いので、鶏ささみだけでも十分なのですが、そこにネギやニラといった香味野菜を細かく切り、おろし生姜やしょうゆなどで作ったタレをたっぷりかけて食べればネギ類・ニラに多い硫化アリルで免疫力を高めたり、冷え性にも効果的です。
塩分が気になる方は、カリウムが多いキュウリやトマトをプラスすれば、余分なナトリウムの排泄を促すので、おススメです。

☆ピスタチオ・クルミ(種実類)×アイスクリーム
アイスクリームの原料である牛乳や生クリームはたんぱく質を含むので、ピスタチオやクルミに含まれるビタミンB6を効率よく使うことが出来ます。
そのまま食べられるおつまみタイプを使えば、食感のあるオリジナルアイスがパパっと完成!
砕いたりコロンとホールのまま入れたりお好みでどうぞ。
ただし、アイスなどのデザート類はエネルギーが高い食材が多いので、食べ過ぎには注意です!

食材はひとつの栄養素から成り立っているのではなく、様々な物質が含まれています。
今回は、その中でもビタミンB6含有量が多い食品をピックアップしてみました。
栄養はいつも決まった食材から取るよりも、幅広い種類から取ると自然とバランスもよくなります。
いろいろな要因で食べられない物もあるかと思いますが、好き嫌いや見た目が苦手といった場合は、調理を工夫してみましょう。
(アレルギーで食べられない場合は医師に相談の上、食材を選んでくださいね。)

Text by さゆり/食育インストラクター