子どもの健やかな成長のためには、十分な栄養を摂ることがとても大切です。
そこで「子どもの成長を助ける栄養素」では、成長に必要な栄養と食材についてシリーズでご紹介していきます!
今回のテーマは「成長を促すビタミンB2」です。
ビタミンB2は体内にためておけないので、毎日摂るようにしましょう。
【ビタミンB2の働き】
身体の発育を促す働きがあるので、成長期の子どもには欠かせないビタミンです。
健康な皮膚や髪、爪などをつくり、成長を促すので「発育のビタミン」とも呼ばれています。
脂質を中心に炭水化物・たんぱく質の代謝を促進して効率よくエネルギーに変えるのを助けます。
ダイエット効果や糖尿病を予防する効果も期待できるので、パパやママも注目したい栄養素ですね!
【ビタミンB2の特性】
ビタミンB2は牛乳の中から発見されたビタミンで、牛乳や乳製品をはじめ、動物性食品に多く含まれています。
水溶性ですが、比較的水に溶けににくく、酸や熱には強いので、調理による損失は少ないのが特徴です。
しかし光には弱いので、ビタミンB2を多く含む食品は冷暗所で保存するとよいでしょう。
特に牛乳などは、光に当たりやすい透明のビンよりも、紙パックを選んだ方がビタミンB2を効率よく摂取できます。
【不足すると…】
皮膚や粘膜に影響を及ぼし、口内炎や口角炎、舌炎、肌荒れ、吹き出物、脂漏性皮膚炎などの症状が現れることがあります。
また眼精疲労や、目が充血してゴロゴロするなどの症状が現れることも!
子どもの場合、成長障害が起こることが報告されています!!
エネルギーの消費量が多いほどビタミンB2の必要量も増えるため、活動量の多い子どもの場合は不足しないよう注意しましょう。
多量の抗生物質や副腎皮質ホルモン剤、精神安定剤など、ビタミンB2の働きを阻害する薬もあります。
これらを長期間服用することで、ビタミンB2不足になるケースもあるため、心配な方は主治医に相談するとよいでしょう。
【過剰症は…】
ビタミンB2は水溶性ビタミンなので、過剰に摂取した場合は体外に排出されるため、基本的に過剰症の心配はありません。
ただし、サプリメントなどで大量に摂取した場合、まれにかゆみやしびれなどの症状が出ることがあるため注意が必要です。
【ビタミンB2の多い食品は?】
- レバー類
- うなぎ、かれい、青背の魚(ぶり、いわし、さんま、さばなど)
- 牛乳、プレーンヨーグルト、チーズ
- 納豆、アーモンド、卵、きのこ
- モロヘイヤ、クレソンなど
上記のように動物性食品に多く含まれます。
特に魚は、皮や血合いの部分にたっぷり含まれるため、できるだけ残さず食べるようにしましょう。
大豆自体にビタミンB2はあまり含まれていませんが、納豆には多く含まれています。
これは発酵中に納豆菌がビタミンB2を作り出すためです!
【栄養ドリンクの蛍光色の正体】
栄養ドリンクによくある黄色い蛍光色。
実はビタミンB2の成分名「リボフラビン」によるもの!
そして栄養ドリンクを飲んだあと、尿の色はいつもより黄色いですよね。
これは水溶性であるビタミンB2が尿中に溶け出たからなのです。
栄養ドリンクは代謝を促進してエネルギーを得ることで疲労回復、スタミナアップさせようというものなので、代謝を促進させるビタミンB群が使われることが多いのです。
多くの栄養ドリンクは15才以上でないと服用できませんが、最近では子ども用の栄養ドリンクもありますね。
ただし、糖分も高いので飲みすぎには注意してください。
いかがでしたか?
ビタミンB2は成長期の子どもには欠かせないビタミンです。
だからといって、「ビタミンB2だけを摂っていれば大丈夫!」というわけではありません。
さまざまな食品を組み合わせて、たくさんの種類の栄養素を体内に取り込むことが子どもたちの健やかな成長へのカギとなります。
バランスのよい食事と規則正しい生活を送り、適度な運動を心がけましょう。
Text by くまこ/食育インストラクター