子どもの健やかな成長のためには、十分な栄養を摂ることがとても大切です。
そこで「子どもの成長を助ける栄養素」では、成長に必要な栄養と食材についてシリーズでご紹介していきます!
近年、便秘症の子どもが増えています。
きっかけは偏食や運動不足などさまざまです。
悪化させないためにもできることから始めたいですね。
今回のテーマは「腸の調子を整える食物繊維」です。
便秘解消には欠かせない「食物繊維」についてご紹介します。
【食物繊維とは?】
かつて食物繊維は、栄養がなく不要なものとして考えられてきましたが、近年さまざまな生理作用や機能が明らかになり、5大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)に次ぐ、「第6の栄養素」とも呼ばれています。
食物繊維は水溶性と不溶性に分けられ、それぞれ特徴があります。
【水溶性食物繊維】
水に溶け、一緒に食べたものと混ざり合ってゲル状になり、腸内の糖質や脂質の吸収を穏やかにしたり、有害成分などを吸着して体外へ排出させます。
そのため、血糖値の急激な上昇が抑えられ、脂質やコレステロールの吸収も抑制され、糖尿病や動脈硬化、脂質異常症などの生活習慣病予防に効果的!
パパやママも注目したいですね!
≪多く含まれる食材≫
オクラ・長芋・こんにゃく・昆布・わかめ・果物など
【不溶性食物繊維】
水に溶けずに、腸内で水分を吸収して膨らみ、便のかさを増やすことによって腸のぜん動運動を活発にし、便秘を解消します!
≪多く含まれる食材≫
野菜類・穀類・豆類・いも類・きのこ類など
どちらも大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、腸内環境が改善されます。
水溶性、不溶性食物繊維は、どちらかをたくさん摂ればよいのではなく、両者をバランスよく摂ることが大切です。
そして水分もしっかり摂ってくださいね。
また適度な油も◎!
油は「潤滑油」になり、排便をスムーズにしてくれます。
規則正しい排便習慣を持つように心がけましょう。
【食物繊維の摂りすぎは?】
通常の食事では過剰摂取の心配はありません。
むしろ日本人は食物繊維が不足気味なので、意識して摂るようにしましょう。
ただし、サプリメントなどの健康食品を利用する場合、食物繊維を摂りすぎると、おなかがゆるくなったり、ほかの栄養素の吸収のさまたげになることがあるので、注意が必要です。
【子どもに食べさせたい!手軽に食物繊維♪】
●麦ごはん(食べやすい押し麦がおススメ!)
白米に押麦を2~4割混ぜて、炊飯器で白米を炊くのと同じ方法でOK!
●納豆
納豆1パック(50g)には約3gの食物繊維が含まれています。
毎日の習慣になればベター!
納豆菌が腸内環境を整えてくれます。
●ヨーグルト+バナナ
バナナ1本には約1gの食物繊維が含まれています。
また、バナナのオリゴ糖がヨーグルトの乳酸菌を活性化させて腸をキレイに!
バナナの代わりに、りんごやいちごなどお好みの果物でもOK♪
●焼き芋
さつまいも1/5本には約1gの食物繊維が含まれています。
焼き芋だけではなく、ふかし芋でもOK♪
そのほか、「けんちん汁」や「ミネストローネ」など、根菜をたっぷり入れてコトコト煮込めば、野菜不足も解消でき、食物繊維もたっぷり摂ることができます!
また、キャベツや白菜などの野菜に多く含まれるビタミンCは、水溶性のビタミンで煮汁に溶けこむため、汁ごと食べられるスープは栄養を逃さず食べられますよ♪
食物繊維は、意識して摂らないと大人も子どもも不足しがちになります。
また、腸の動きは自律神経に支配されていて、リラックス状態のときほど活発になり、緊張状態だと動きも鈍くなります。
バランスのよい食事はもちろんですが、特にお子さんにとっては楽しく食事をする環境づくりがとても大切です。
楽しく、おいしい笑顔になれる食卓を囲いたいものです。
Text by くまこ/食育インストラクター