開始当初は不安だらけだった離乳食もいよいよ大詰めとなる後期・完了期は、食べられる食材などが増えるとともに、今度は幼児食へと進むための準備期間の役目もあります。
今回は、離乳食後期・完了期対象のレシピをご紹介します♪
【離乳食とは?】
赤ちゃんは、生まれてから5カ月程度は母乳や育児用ミルクだけで育っていきますが、月齢が進むにつれ、それだけではエネルギーや栄養素が不足してきます。
そのため、ほかのものから栄養を摂る必要が出てきますが、今まで液体だけを飲んでいた赤ちゃんがいきなり固形物を食べることは出来ません。
離乳食は、さまざまな形状の食べ物から栄養を摂取する練習期間で、幼児食を経て最終的に大人と同じ食事が出来るようになるための最初の一歩なのです。
【後期・完了期とは】
中期は1日2回食に慣れ、食事のリズムを覚える時期でした。
後期(9~11カ月ころ)は、2回食から3回食へ回数が増えていき、完了期(1歳~1歳半ころ)は後期で慣れてきた3回食のリズムを崩さないようにしながら、生活のリズムも整えていくころになります。
完了期ごろになるとミルクを飲む量も減り、なかには卒乳している赤ちゃんもいます。
1日1~2回の捕食(おやつ)も取り入れながら、しっかりと栄養を摂りましょう。
【後期・完了期の離乳食の進め方】
●後期
歯ぐきを使って食材をつぶし、食べる事に慣れていく時期です。
このころになると、舌は前後上下だけでなく、左右にも動かせるようになってきます。
舌でつぶせない食材は、歯ぐきでつぶし、食べます。
かたさの目安はバナナくらいです。
調理の時は指先で簡単につぶせるくらいに仕上げましょう。
食材の大きさは、後期の前半は6~7mm角くらいを目安にし、後半は様子を見ながら7~8mm角くらいにします。
このころになると食べ物を手づかみするようになるので、スティック状のものも取り入れるとバリエーションが広がります。
まだ一人で食べることは難しいので、大人が食べさせますが、スプーンなどを持ちたがる場合は、子ども用のものを持たせてあげると喜びます。
口に入れるときは「あーん」など声をかけて口を開かせ、舌の先の方にスプーンを持っていき、自分でパクっとくわえられるようにします。
奥の方においてしまうと上手く咀しゃく出来なかったり、そのまま飲み込んでしまうので、気をつけましょう。
●完了期
前歯が生えそろう子が多い完了期前半は、前歯を使ってひと口サイズに食材をかじることが出来るようになる時期です。
最初の奥歯が生えるころですが、咀しゃくについてはまだ歯ぐきを使ってつぶします。
完了期後半になると、最初の奥歯が上下生えそろってくるので、奥歯を使って食材をつぶすことが出来るようになります。
そうなると、離乳食もいよいよ卒業となり、幼児食へと移行していきます。
食材のかたさは歯ぐきでつぶせるかたさから、噛めるかたさへステップアップ!
肉団子や卵焼きくらいを目安にしましょう。
このころになると、スプーンなどを使って積極的に自分で食べようとします。
食材の形やかたさを確かめながら手づかみでも食べていきますし、時には食べ物を投げることもあるでしょう。
そんな時は怒らずに食べ物はお口に入れるものということを優しく伝えてください。
テーブルや床が食べ物で汚れたり散らかったりするので、新聞を敷くなど、ママやパパが片づけやすい工夫もしていきましょう。
さまざまな食材が食べられるようになる後期・完了期ですが、まだまだ初めましての食材も多いので、新たに挑戦する食材は今までと同様に、与える量はスプーン1杯程度にしましょう。
またアレルギーなどが出てもすぐに対処できるように病院がやっている日の午前中にすると安心ですよ。
それではレシピのご紹介です。
後期と完了期で少し作り方を変えています。
子どもの成長スピードに合わせて焦らずゆっくり進めていきましょう。
【ミモザサラダ】
<材料(1食分)> 調理時間:15~20分
ゆで卵・・1/3分(1/2個分)
ブロッコリー・・10g(15g)
にんじん・・10g(10g)
じゃがいも・・10g(20g)
Aマヨネーズ・・小さじ1/2(小さじ1/2~2/3)
Aカッテージチーズ(裏ごしタイプ)・・小さじ1/2(小さじ1/2~2/3)
※材料の( )内の量は完了期の目安量です。
※ほかの料理と組み合わせたりする場合は、全体の量を調整して下さい。
<作り方(後期)>
- ゆで卵は白身と黄身に分け、それぞれ清潔な裏ごし器で裏ごしする
- ブロッコリーは食べられる大きさの小房にする
にんじん・じゃがいもは5~6mm角(後期後半になれば、7~8mm角でも)に切り、 じゃがいもは水にさらす - (2)を食べられるやわらかさまでゆでて、冷ます
- ボウルにA・(1)の白身全量と、黄身の半量・(3)を入れてよく和える
- 器に盛り、上から残りの黄身を散らす
※食べる時に黄身がパサついて食べにくい場合は、混ぜてあげて構いません。
<作り方(完了期)>
- ゆで卵は白身と黄身に分け、白身は1cm角に切り、黄身は清潔な裏ごし器で裏ごしする
- ブロッコリーは食べられる大きさの小房にする
にんじん・じゃがいもは7~8mm角(後期後半になれば、1cm角でも)に切り、 じゃがいもは水にさらす - (2)を食べられるやわらかさまでゆでて、冷ます
- ボウルにA・白身・(3)を入れてよく混ぜる
- 器に盛り、上から黄身を散らす
※食べる時に黄身がパサついて食べにくい場合は、混ぜてあげて構いません。
いかがでしたか?
離乳食づくりは手間がかかりますが、赤ちゃんにとってはとても大切な食事の練習をする時間です。
離乳食を一度にまとめて作って冷凍する、離乳食作りを簡単にしてくれる便利な調理グッズをうまく活用するなど、調理の負担を減らして、赤ちゃんと楽しい食事の時間を作ってくださいね。
Text by さゆり/食育インストラクター