離乳食が始まって2カ月ほど経つと、ペースト以外のものも食べ始めるようになります。
今回は、中期の赤ちゃん向けレシピです。
【離乳食中期(7~8カ月)の進め方】
離乳食は幼児食を経て大人と同じ料理を食べられるようになる最初の一歩で、ペースト状のものから始め、段々と形あるものへとステップアップしていきます。
中期は食事のリズムとともに、少しずつ生活のリズムを整え、3回食が始まる後期(9~11カ月)へと繋げていく時期です。
まだ母乳や育児用ミルクが栄養源の中心ですので、無理に食べさせるのではなく、かたさや大きさ・量などがその子に合っているか確かめながら進めていきましょう。
離乳食初期(5~6カ月)の後半から一日2回食が始まっている子もいるかも知れません。
中期はその2回食に慣れる事もポイントとなるので、午前に1回と、午後は14時頃か18時頃のどちらかに2回目を与えましょう。
与える量は、午前はそれまでと同じ量を用意し、2回目は1回目の1/3量または1/2量くらいから始め、順調に食べてくれるようなら、少しずつ増やして1回目と同じくらいにします。
どちらもしっかり食べられるようになってきたら、1回目も2回目も少しずつ量を増やします。
このころになると、母親からの免疫の減少や、鉄不足も出てくるので、兄弟がいる子や、保育園に通っている場合は体調を崩しやすくなるかもしれません。
そのときは、進めてきた大きさやかたさ・量などが少し前に戻ってしまうこともありますが、慌てずにひとつ前の段階からまたステップアップしましょう。
まだまだ初めての食材もたくさんあるので、アレルギーについては引き続き注意が必要です。
離乳食に慣れたからといって、初めての食材をどんどん与えてよいということではないので、初期同様、病院がやっている日の午前中にスプーン1杯程度を目安に与えてください。
それではレシピのご紹介です。
【ささみとほうれん草のクリーム煮】
ささみのゆで汁を活用したうま味たっぷりの一品です。
<材料(1人分)> 調理時間:20分
鶏ささみ(筋なし)・・10~15g
水・・50ml
ほうれん草(葉のみ)・・2~3枚
かぶ(厚く皮をむいたもの)・・10g
ミルク・・20ml ※育児用ミルクを分量通りの湯で溶かしたものを使用しています。
水溶き片栗粉・・必要に応じて
<作り方>
- 鍋にささみ・水を入れ、落しぶたをして弱火でゆっくり火を通す(6~7分)
粗熱を取って細かくほぐし、ゆで汁はこして30ml分はかる(足りなければ水を足す) - ほうれん草は葉のみをやわらかくゆで、細かく刻む
- かぶは3~4mm角に切り、やわらかくなるまでゆでる
- 鍋にささみ・かぶ・ゆで汁・ミルクを入れて5~6分煮、ほうれん草を加えてサッと加熱し、必要であれば水溶き片栗粉でトロミをつける
<ポイント>
- ささみの厚みによって火が通る時間は前後しますので、加減してください。
- ささみは、白身魚や豆腐に慣れたら与えていきたい食材ですので、まだ早い場合は、豆腐や白身魚で作りましょう。
その場合、かつおや昆布の出汁・野菜出汁・市販の赤ちゃん用洋風出汁などの使用したことのある出汁に置き換えてください。 - 食材の大きさは目安です。お子さんに合わせた大きさに調整して下さい。
【栄養】
●鶏ささみ
鶏ささみは脂肪をほとんど含まず、高たんぱく質・低カロリーでサッパリと淡白な味わいを楽しめる部位です。
肉質がやわらかく、離乳食期の赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢の方に召し上がっていただくことが出来ます。
火を通し過ぎるとパサついて食べにくくなることがありますので、弱火や余熱でじっくり加熱した方がしっとりやわらかに仕上がります。
ささみはたんぱく質以外にビタミンB6やビタミンB群のナイアシンが豊富です。
これらは皮膚や粘膜の健康維持に関わります。
水溶性ビタミンなので、今回のようにゆで汁も使用するメニューがおすすめです。
●ほうれん草
緑黄色野菜に分類されるほうれん草は、貧血予防に効果的な鉄・成長期に欠かせない葉酸・皮膚や粘膜を強くするビタミンA(β-カロテンとして含有)などが豊富です。
離乳食では葉のみを使用することで、やわらかく食べやすくなります。
旬の時期の野菜は1年の内でも栄養価が高いといわれています。
季節の食材で赤ちゃんの成長をサポートしつつ、ご自身の健康にも気をつけて過ごしましょう。
Text by さゆり/食育インストラクター