離乳食のたんぱく質デビュー食材として重宝する豆腐は、アイデア次第でいろいろな料理やお菓子の材料になります。
今回は7~9カ月ころの離乳食中期の赤ちゃん向けレシピです。
【豆腐】
豆腐は大豆のしぼり汁である「豆乳」を加熱し、「にがり」などの凝固剤を入れてかためたものです。
豆腐の起源ははっきりとはわかっていませんが、2000年くらい前の中国が発祥とする説があります。
日本へは、奈良時代~平安時代ころに仏教の伝来とともに広まったとされています。
現在は、豆乳をそのままかためた「絹ごし豆腐」や、一度かたまりかけた豆腐を崩して型に入れ、重しをのせて水分を抜いた「木綿豆腐」・木綿豆腐の工程で型に入れて水分を抜くのではなく、そのまま容器に入れた「寄せ豆腐(おぼろ豆腐ともいう)」・豆乳ににがりを加えたたら、そのまま容器に入れて密閉し、加熱凝固させた「充填豆腐」など、さまざまなタイプの豆腐があります。
豆腐はそのまま食べる以外に、薄く切って揚げた「油揚げ」・厚く切って揚げた「厚揚げ」・具などを加えて揚げた「がんもどき(ひりゅうず、ひりょうずなどともいう)」・表面に焼き目を付けた「焼き豆腐」などの加工品もあります。
離乳食の最初は、なめらかな食感の絹ごし豆腐や充填豆腐などから始め、9~11カ月ころから、より栄養価の高い木綿豆腐を取り入れるとよいでしょう。
油揚げや厚揚げなどは油分が多く、胃腸に負担をかけるので、取り入れるのは9~11カ月以降にし、1歳を過ぎるまでは、たまに少量を使う程度にしましょう。
豆腐は生ものなので、新鮮なものを準備してください。
そのまま与えるときは、湯通しなどで表面を加熱殺菌します。
【豆腐とキャベツの煮物】
<材料(1人分)> 調理時間:20分
絹ごし豆腐・・30~40g
キャベツ・・15g
出汁・・1/4カップ
しょうゆ・・少々
水溶き片栗粉・・少々
<作り方>
- 豆腐は3mm角くらいに切り、熱湯でゆでる。
- キャベツは芯などのかたい部分を取り除き、熱湯でやわらかくなるまでゆでる。
- (2)がゆであがったら水気を拭き取り、みじん切りにする。
- 鍋に出汁・(3)を入れて沸騰させ、(1)を加えて2~3分煮る。
- 香りづけ程度のしょうゆを加え、水溶き片栗粉でトロミをつける。
<ポイント>
- 今回の豆腐の量は、1回の食事でほかにたんぱく質源となる食材を使用しなかった場合の量です。ほかのたんぱく質を使用する場合は、半量にするなど、量の調整をしてください。
- 月齢が上がったら、キャベツの芯もやわらかくゆでることで使用出来ます。食材の大きさは目安です。目安の大きさが食べられなくても焦る必要はありません。赤ちゃんにあったサイズにしましょう。
【栄養】
●豆腐
豆腐は、畑の肉といわれるほど植物性たんぱく質が豊富な大豆の加工品です。
肉などと比べ、消化吸収に優れているので、体調を崩したときなどの使用もおすすめです。
木綿豆腐の方が水分含有量が少ないので、同じ量を使用した場合の栄養価が高いです。
また豆腐の原料である大豆は、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンを含むので、ホルモンバランスが乱れがちな産後のママにもぜひ一緒に食べていただきたい食材です。
●キャベツ
キャベツには別名「キャベジン」といわれるビタミンUが豊富です。
キャベジンは胃の粘膜を修復したり、胃酸の分泌を調整してくれる働きがあります。
また、食物繊維やカリウム・骨の形成に欠かせないカルシウムも含みます。
離乳食が始まると便秘がちになる赤ちゃんも多いので、さまざまな料理に取り入れてお通じを整えてあげましょう。
【離乳食中期以外での使用方法】
●初期(5~6カ月)
初期は、食材に慣れる時期です。
複数の食材を合わせて食べさせるより、食材そのものの味を味わえるように単体で与えましょう。
絹ごし豆腐を湯通しし、すりつぶす・裏ごすなどしてなめらかなペースト状にして使います。
慣れてきたら、出汁でのばしてあげるとうま味もプラスされるのでおすすめです。
●後期(9~11カ月)
カミカミ期のこの時期は、歯ぐきを使って食材をつぶしながら食べる練習のころです。
絹ごし豆腐よりもかためで栄養価の高い木綿豆腐も取り入れられるようになります。
大きさは4~5mm角くらいから始め、後半は6~7mm角くらいにします。
後期に入ったばかりでいきなり食材のかたさがかたくなると、丸飲みや誤嚥の原因となるので、赤ちゃんの様子を見ながら大きさやかたさを調整しましょう。
●完了期(1歳~1歳6カ月)
完了期は、やわらかめの肉団子くらいのかたさのものが食べられるようになるころです。
豆腐のサイズも1cm角くらいのものが食べられるようになってきます。
揚げ物も食べられるようになってくるので、時には厚揚げなどを使用したメニューを用意してあげるのもいいでしょう。
使うときは、サッと熱湯をかけて殺菌と同時に油抜きをしてから使うと胃腸の負担軽減にもなります。
豆腐は、そのまま使用するだけでなく、肉だねに加えるとやわらかな食感になるので、離乳食期の赤ちゃんにはぴったりです。
料理だけでなく、バナナのすりつぶしと合わせるなどすれば、デザートとしても食べることが出来ますので、いろいろなレシピに挑戦してみてください。
Text by さゆり/食育インストラクター