育児用ミルク(粉ミルク)・フォローアップミルク・牛乳の与え方

最初は母乳や育児用ミルクのみだった赤ちゃんが成長すると、離乳食を食べるようになります。
そのころになると母乳や育児用ミルクだけでなくフォローアップミルクの使用や、さらに大きくなれば牛乳を飲ませるようになっていきます。
そこで、今回は育児用ミルク・フォローアップミルク・牛乳の違いや与え方についてまとめました。

【育児用ミルク(粉ミルク)・フォローアップミルクの違い】

赤ちゃん向けのお店に行くと、育児用ミルクのほかにフォローアップミルクという商品が置いてありますね。
どちらも粉末状のいわゆる粉ミルクですが、それぞれ成分が異なり、与えてよい時期も少し違います。
育児用ミルクは新生児から与えることが出来る商品で、母乳を与えることが難しい場合や不足しているときに使用するものです。
フォローアップミルクは名前の通り、足りない栄養を補う目的の補助食品なので、母乳の代わりとは少し違います。
与えてよい月齢も、育児用ミルクが0カ月~12カ月ごろなのに対し、フォローアップミルクは離乳食が進んで1日3回になる9カ月ごろ~幼児食期の36カ月(3歳ごろ)を目安に作られています。

【育児用ミルクの成分と与え方】

●成分
たくさんのメーカーが育児用ミルクを作っているので、多少の違いはありますが、基本的には、どれも母乳を参考にしていろいろな成分を組み合わせています。
含まれている成分は、たんぱく質・脂質・糖質をはじめ、ビタミンやミネラル・オリゴ糖やDHAなどです。
どのメーカーを選んでも基本的には赤ちゃんに必要な成分がしっかりと入っているのでよいと思うものを選んであげてください。

●与え方
育児用ミルクは、母乳の代わりとして新生児期から使うことが出来ます。
母乳の場合は、欲しがったときに赤ちゃんが欲しがるだけ与えてよいとされていますが、育児用ミルクは成分が一定なので、決められた目安量と回数をもとに与えます
1回に飲ませる量や回数は、育児用ミルクのパッケージに記載されていますので、参考にしましょう。
ただし、1回に飲める量は赤ちゃんによってかなり差があります。
お子さんの日常をしっかりと観察して適量を見つけることで、無駄を軽減出来ますよ。
育児用ミルクは消化に時間がかかるため、母乳よりも腹持ちがよいのが特徴です。
育児用ミルクだけの授乳の場合、授乳間隔を最低3時間は空けた方がよいとされています。
それよりも前に「お腹がすいたー!」と訴える場合は、すぐに次の授乳をするのではなく、1回の量を少し増やして様子をみましょう。
また9カ月ごろまでは離乳食よりも母乳や育児用ミルクからの栄養が中心となるので、食後の授乳も母乳は欲しがるだけ、育児用ミルクは目安量の範囲であげてOKです。


【フォローアップミルクの成分】

●成分
フォローアップミルクは足りない栄養を補う目的で作られています。
離乳食で摂りやすい糖質や脂質は少なめで、不足しやすいたんぱく質や鉄・カルシウムなどのミネラルやビタミン類などが強化されバランスよく配合されています。
オリゴ糖やDHAなども入っているので、育児用ミルクと成分としては大差ないですが、含有量が違うため、使用月齢に達していない赤ちゃんへの使用はやめましょう。

●与え方
フォローアップミルクは必ず与えなければいけないものではありません。

離乳食の進みが悪く体重が増えない場合や、鉄不足が心配なとき、すでに卒乳しているなどの補いとして与えるイメージです。
基本的には離乳食から栄養を摂るのが望ましいですが、難しい場合は医師に相談し、貧血などが認められるなどがあればフォローアップミルクを検討してみましょう。
また、育児用ミルクを飲んでいるのであれば、無理に変える必要はないので、1歳ごろまで様子を見てください。
満9カ月からOKというメーカーが多いですが、なかには満1歳以降という商品もあるので、パッケージをよく確認し購入してください。
フォローアップミルクは哺乳瓶でなく、出来ればコップやストローなどを使って飲ませる方がよいとされています。
赤ちゃんによっては、こだわりが強く、いつまでも哺乳瓶から離れられないということがあるので、3歳ごろまで長く使えるフォローアップミルクは飲む入れ物を工夫しましょう。
飲ませる量や目安などは各メーカーのパッケージやホームページなどを参考にしてください。

【牛乳】

牛乳はアレルギーの可能性が高い食品のため、7~8カ月ごろから少量を加熱して料理に使用するのはOKです。
しかし、1歳を過ぎるまで飲み物として与えることは、推奨されていません。
主な成分はたんぱく質とカルシウムが多く、不足しがちな鉄はあまり期待できないので、状況に応じてフォローアップミルクと併用するとよいでしょう。
牛乳を飲ませる場合は1歳を過ぎてアレルギーがなければ一日200~300mlを目安にし、離乳食の妨げにならないようにしましょう。
ほかの乳製品や食材からもたんぱく質やカルシウムを摂ることが出来るので、毎食与えるなどは避け、さまざまな食材から摂れるように工夫してください。

【アレルギー】

上記でご紹介したものはすべて乳成分が含まれているので、乳成分にアレルギーをお持ちのお子さんは医師と相談し、適正なものを与えてください。
また、育児用ミルクなどは商品によって大豆由来の成分が入っているものもあります。
購入の際は含まれる成分をしっかり確認するとよいですよ。

離乳食が終わると、今度は幼児食という次のステップが待っています。
大人と同じ食事が摂れるようになるのはもう少し先ですが、我が子の成長を一緒に楽しみながら進めてくださいね。

Text by さゆり/食育インストラクター