部活や習い事など日々スポーツをしている子どもたちとって、適切な食事や栄養補給は、競技パフォーマンスに大きく関わってきます。
また、どんなものを食べてトレーニングし準備しているか、どんなものを食べて蓄積した疲労を回復させているかによって、コンディションが変わってきます。
そこで今回は、試合前後に必要な食事のポイントについてご紹介します。
【栄養素と栄養の役割】
五大栄養素と言われる炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂取することが大切です。
食事においては主食・主菜・副菜・汁物・乳製品・果物のそろった献立にすることで、自然と必要な栄養素を摂ることができます。
- 主食:ごはん、パン、麺など体を動かすエネルギー源「糖質」
- 主菜:肉、魚、卵、大豆製品など体をつくる「たんぱく質」
- 副菜:野菜、きのこ、海藻など体の調子を整える「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」
- 汁物:味噌汁、スープ、鍋などさまざまな栄養素がとれる、消化・吸収を助ける
- 牛乳・乳製品:牛乳、ヨーグルトなど骨をつくる材料「カルシウム」「たんぱく質」
- 果物:体の調子を整える「ビタミン」「ミネラル」
これらの栄養素をバランスよくとった上で、試合前後の食事調整を行いましょう。
【試合前(3日~前日)の食事5つのポイント】
試合前は摂取する食品の種類とともに、消化吸収時間に気を配ることがポイントです。
①糖質でエネルギー補給
ごはんやパン・麺類などの主食を中心にとり、糖質でエネルギーを補給します。
主食・主菜・副菜・汁物・乳製品・果物を揃えた上で、特に主食を多めに意識してとりましょう。
主食のほかに、バナナやエネルギーゼリー、カステラなどをプラスするのもおすすめです。
②消化に時間がかかるものを避ける
緊張していると消化機能も低下するので、脂っこい食事は前日から避けるのがベストです。
③腸内にガスがたまるものは避ける
普段、積極的に摂りたい野菜や芋類は、食物繊維が多くお腹が張る原因になるため、避けるようにしましょう。
④体温を上昇させ、やる気を起こす
主食のほか、肉や魚などのたんぱく質を摂るようにしましょう。
ただし、②を考慮して、たんぱく質の摂りすぎや脂肪の多い部位は避けたほうがよいです。
また、調理法は揚げ物や炒め物を避け、焼き物・煮物・ゆで物・蒸し物を選びましょう。
⑤体調を整える
ビタミンB群・ビタミンC・ミネラルをとりましょう。
ただし③のため、直前の食事では食物繊維の多い野菜は避け、果物を選ぶようにしましょう。
試合当日の食事も試合前と同様、糖質中心の食事にし、主食+果物を基本に消化のよいものを食べるようにします。
試合3~4時間前に食事を終えるようにすれば十分消化することができるので、それまでに済ませましょう。
特に起床時は血中ブドウ糖濃度が低下しているので、早朝の試合であっても朝食を必ずとって臨むようにしてくださいね。
試合直前(30~15分程度前)は1回につき200~250mlの水分をこまめに補給することが大切です。
試合直前に炭水化物を補給したい場合は、マルトデキストリン(でん粉の分解物)を主成分とするゼリードリンクやエネルギードリンクを摂取するようにしましょう。
マルトデキストリンはデキストリンの仲間で、でんぷんを加水分解し、生成したグルコース(ブドウ糖)です。
消化・吸収がはやく、摂取した後すぐにエネルギー源として利用できます。
【試合後(30分~1時間)】
体力回復のために、エネルギー源である糖質を補給するとよいです。
また、試合後は筋肉もたくさん壊れ、その修復とこれ以上壊れるのを防ぐために、筋肉の材料となるたんぱく質も摂りましょう。
例えば、糖質とたんぱく質が手軽に摂れる鮭おにぎりやたらこおにぎり、卵サンド、肉まんなどがおすすめです。
発汗などで失われた水分の補給も必要になります。マルトデキストリン(でん粉の分解物)を主成分とするゼリードリンクやエネルギードリンク、果汁100%オレンジジュース、牛乳、ヨーグルトドリンクなどをとるのがおすすめです。
いかがでしたか?
試合前から試合後の食事は、試合中のパフォーマンスを考える上でとても重要です。
子どもたちがベストコンディションで試合に臨み、持っている力を発揮できるようにぜひサポートしてあげましょう♪
Text by くまこ/食育インストラクター