日本にはさまざまな発酵食品がありますね。
発酵食品は成長期の子どもにもうれしい成分を多く含みます。
今回は、そんな発酵食品を使ったスイーツレシピをご紹介します。
【発酵食品とは】
発酵食品は、自然界に存在する酵母やカビ・細菌といった微生物の力を利用し、食材の栄養素を高めたり、消化吸収しやすい形になった食品です。
では、どんな食品があるか、一例をご紹介します。
●調味料
私たちの生活に欠かせない調味料は、発酵させて作るものが数多くあります。
みそやしょうゆ・みりん・塩麹・酢・魚醤・かんずり・タバスコなど
●酒類
酒類はすべて発酵させて作られています。
日本酒をはじめ、ビール・ワイン・ウイスキー・焼酎などがあります。
●乳製品
生乳に乳酸菌などを利用して発酵させます。
ヨーグルト・乳酸飲料・チーズなど
●そのほか
紅茶や烏龍茶・プーアル茶などのお茶類・納豆・クサヤ・かつお節・漬物・甘酒など
上記に挙げたものは、ごく一部です。
発酵食品は地方性もあるので、自分の住んでいる地域にどんな発酵食品があるか探してみるのもよいですね。
それではレシピのご紹介です。
【甘酒と味噌のチーズケーキ】
甘酒と味噌のコクがチーズのうま味と合わさって何とも言えないおいしさです。
<材料(15cmの丸型(底抜けタイプ)1台分)> 調理時間:50分(冷やす時間は除く)
クリームチーズ・・200g
上白糖・・25g
みそ(信州系のみそを使用)・・15g
卵黄・・2個分
甘酒(アルコール不使用の麹タイプ)・・100g ※砂糖・塩不使用
薄力粉・・20g
卵白・・2個分
上白糖・・10g
☆下準備☆
- クリームチーズは常温に戻し、やわらかくしておく
- オーブンを200℃に予熱する
- 側面用の敷紙は型より5cm程高さを出したものを用意
(焼いていると生地がかなり持ち上がるため。)
<作り方>
- クリームチーズ・上白糖(25g)をボウルに入れ、ゴムベラで混ぜる
- (1)にみそを加えてさらに混ぜ、卵黄を入れて泡立て器に持ちかえ、よく混ぜる
- 甘酒を入れてさらに混ぜ、振るった薄力粉を加えて泡立て器で混ぜる
- 別のボウルに卵白を入れて泡立て、途中で上白糖(10g)を2回に分けて加え、ピンとツノが立つまで泡立てる
- (3)に(4)の一部を入れてよく混ぜ、残りも加えて泡をつぶさないようにゴムベラで混ぜ合わせ、敷紙を敷いたケーキ型に流し入れる
- 少し高い位置から数回落として余分な空気を抜き、予熱したオーブンに入れる
温度を180℃に下げ、15分ほど経ち、表面の焼き色がしっかりついていたらアルミホイルを上からのせ、さらに15~20分焼く - 竹串などを刺して何もついてこなければケーキクーラーなどで粗熱を取り、型から外して冷蔵庫でしっかりと冷やす
<ポイント>
・今回は砂糖や食塩不使用のストレートタイプの甘酒を使いました。
商品によっては砂糖などが添加されている場合があるので、使用する甘酒よって、砂糖は調整して下さい。
・クリームチーズもメーカーによって酸味の強弱やコク・クリーミー加減に違いがあり、味に影響します。
今回は比較的酸味の少ないクリームチーズを使用して作りましたが、お好みのものをお使いください。
・表面に焼き色がのるタイミング・焼き時間は目安です。
使用する型の形やオーブンによって調整して下さい。
【栄養】
●クリームチーズ
クリームチーズは、非発酵で作るフレッシュタイプのチーズで、牛乳とクリームをかためて作られます。
牛乳同様、カルシウムの吸収率がほかの食品と比べて高いため、成長期の子どもだけでなく、大人にもぜひ食べていただきたい食材のひとつです。
またチーズは牛乳よりもたんぱく質の吸収率が優れているといわれています。
塩分が入っているため、チーズだけでカルシウムやたんぱく質を摂るのは現実的ではありませんが、ほかの食品と組み合わせることで、効率よく栄養を摂れますので、継続して食べていきましょう。
今回は非発酵チーズでしたが、発酵させたタイプのチーズを組み合わせてもおいしいです。
●甘酒
甘酒は日本で古くから親しまれている飲み物で、栄養価の高さから「飲む点滴」といわれています。
甘酒は酒粕を使って作るものと、今回使用した麹が原料の甘酒があります。
酒粕を使ったものは、アルコールが強いので子どもが飲むことは難しいですが、麹甘酒はアルコールを含まないので、安心していただけます。
麹甘酒はブドウ糖が豊富なので、砂糖を使わなくても自然な甘さがあります。
このブドウ糖は、脳がエネルギーとして使える唯一の栄養素ですので、勉強や頭を使う作業のときにも麹甘酒はおすすめです。
そのほか、体に必要な必須アミノ酸やビタミンB群・酵素類など体に有用な成分を豊富に含みます。
●卵
卵は、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素を含むので、完全栄養食品といわれています。
体内での吸収率も高いので、摂った栄養を効率よく使用出来ます。
成長期の子どもには、たんぱく質が欠かせません。
卵は、たんぱく質が豊富なうえ、簡単な調理で食べることが出来るので、「朝の忙しい時にゆで卵をプラスする」・「汁物に溶き卵を加える」などすると、バランスのよい食事になります。
また卵はコレステロールが多いと思われている方もいらっしゃいますが、同時にコレステロールが動脈壁などに沈着することを防ぐ成分も含んでいるため、健常な方であれば、そこまで気にする必要はありません。
日本人は卵を半熟で食べたり生食することも多いですが、食べる前に殻が割れていたり、ヒビが入っていないかを確認してください。
もしそういった状態がみられる場合は、食中毒のリスクが高いので、生食や不十分な加熱で食べるのはやめましょう。
今回は手に入りやすい甘酒とみそを使いましたが、日本にはたくさんの発酵食品があり、いろいろなアイディアで面白い組み合わせのレシピを見つけることが出来ます。
体によい発酵食品を子どものころから食べることで、体の内側から健康になれますので、ぜひさまざまな料理・お菓子作りに活用してみてください。
Text by さゆり/食育インストラクター