ひとりでスプーンやフォークを使って、いろいろな食材が食べられるようになったり、食べ物の好みも出てくる2歳児。
でも消化機能はまだまだ未熟なので、注意が必要!
そこで今回は食事の目安や、気をつけたいポイント&レシピをご紹介します。
【2歳児の食事の目安】
1~2歳児の1日に必要なエネルギー量は、900~950kcalくらいなので、1回の食事量はママの半分くらいを目安にしましょう。
よく耳にするお悩みのひとつに「少食」があります。
子どもの食事量が少ないと親としては心配になりますね。
ですが、1回に食べられる量は個人差がありますし、日によって違うこともあるのであまり神経質にならないで!
「3~4日様子をみてある程度食べている」・「身長や体重などが増えている」ようなら様子を見ましょう。
味つけは「素材の味をいかした薄めの味つけ」が基本です。
大人と同じでは体に負担がかかり、濃い味に慣れる原因にもなるので気をつけて。
【食材の大きさやかたさは?】
2歳児は上下の奥歯を使って「かみくだく」ことは出来ますが、まだ「すりつぶす」ことが出来ません。
練習を重ねるうちに、上手になっていきますので離乳食完了期のメニューを少し大きく、かたくするイメージで作るとよいでしょう。
<調理の工夫例>
●根菜
繊維が長いと噛み切ることが出来ません。
根菜は繊維を断ち切るように2cm大の乱切りや5~6mm厚に切り、じっくりゆでたり煮てやわらかく仕上げます。
炒め物にするときも、ごぼうなどのかたい野菜や大根のような辛みがある野菜は一度やわらかくゆでてから使うと食べやすくなります。
奥歯を上手に使えるようになってきたら少し大きめに切ったり、食感を楽しめるようにしていきましょう。
●葉野菜
やわらかくゆでて2~3cm角に切り、必要に応じて数ヶ所に切込みを入れてあげると噛み切りやすいです。
ほうれん草や小松菜・チンゲン菜のように葉と茎がある野菜は部位ごとに分け、別々にゆでましょう。
またしっかりと水にさらすことで、アクが抜け食べやすくなります。
●肉類
幼児期の子どもにとって、肉は繊維がかたいので食べにくい食材のひとつです。
2歳児くらいになると、薄切り肉(牛や豚)なら噛めるようになってきます。
薄切り肉の中でも、しゃぶしゃぶ用の肉はとても薄く噛み切りやすいので、子どもの噛む力によって「薄切り」・「ごく薄切り(しゃぶしゃぶ用)」と使い分けましょう。
調理のときは、繊維を断ち切って細切りにしたり、2cm幅位に切って使います。
また脂身は噛み切れない原因に。
食感もムニョっとしてよくないので、外してあげるとよいですよ。
鶏肉はやわらかなササミやむね肉がおすすめです。
噛んだときにほぐれやすくするために、繊維が短くなるように切ります。
むね肉は皮を外してあげると食べやすいですね。
また挽き肉は使いやすいですが、そのまま加熱するとポロポロして食感が悪くなり、食べにくいと感じることもあります。
つなぎを加えて団子状にすると食べやすいですが、そのまま使うときは「二度挽きのものを使う」・「トロミをつける」などしましょう。
●魚類
栄養価の高い魚は親としても積極的に食べてほしいですね。
魚で注意したいのは、「骨」です。
魚によって調理前に骨が取れる場合と、調理後の方が取りやすい場合があるので、状況に応じて取り除きます。
身も骨もやわらかで、丸ごと食べられる魚は歯が生えそろうころには食べられる子も出てきますが、歯が生えそろっていない子や骨が気になる子にはあらかじめ取ってから与えましょう。
サワラやタラ・サケ・カレイ・サバは身がやわらかく子どもにも人気です。
ただし骨がかたいので、丁寧に取り除きます。
イカやタコなど噛みきりにくい食材は喉に詰まらせて誤嚥の可能性があるので避けたほうがよいでしょう。
それでは2歳児にピッタリ!
おすすめレシピをご紹介します。
【お豆のトマト煮】
しっとりふっくらとしたお豆のトマト煮はベーコンのうま味が効いています。
豆は喉に詰まらないように大きさを半分に切るか、崩れるくらいまで煮ましょう。
<材料作りやすい分量(幼児8~10人分くらい)> 調理時間:40分
トマト水煮缶(カットタイプ)・・200g
大豆水煮(半分に切る)・・1袋(150~180g)
玉ねぎ(粗めのみじん切り)・・100g
ピーマン(粗めのみじん切り)・・50g
人参(7~8mm角)・・100g
ベーコン(5mm幅)・・40g
水・・200ml
A塩・・小さじ1/4
A砂糖・・小さじ1/2
Aしょうゆ・・小さじ1/4
サラダ油・・小さじ1
<作り方>
- 人参は2~3分ゆでてザルに上げる
- 鍋にサラダ油・ベーコンを入れて弱火で加熱し、香りがしてきたら玉ねぎ・ピーマンを入れてじっくり炒める。
- (2)の野菜にしっかりと火が通ったら人参を入れてサッと炒め、トマトの水煮を加えて2~3分炒める
- (3)に大豆・水を入れ、沸いたら蓋をしてときどき混ぜながら10分ほど煮、Aを加えて水分が飛ぶまで弱火で15~20分加熱する
※豆を切らないで調理する場合は、煮ている間に適宜つぶして下さい。
【栄養】
トマトの赤色のもとである「リコペン」は強い抗酸化作用があるため、紫外線から肌を守ったり、がん予防にも効果が期待出来ます。
大豆は良質なたんぱく質をはじめ、食物繊維や成長に欠かせない葉酸を含みます。
人参はβ-カロテンが豊富ですので免疫力をアップさせるのに一役買ってくれる食材です。
また、今回は子どもが苦手なピーマンを入れました。
ピーマンはビタミンA・C・Eが入っているので、風邪予防にもおススメです。
細かく切ってじっくりと煮ているので気にせずに食べてくれると思います。
2歳は幼児食に慣れてきたころでもあり、食事やおやつを楽しむことが出来るようになる時期ですので喜んで食べてくれるような幼児食を準備出来るとよいですね。
Text by さゆり/食育インストラクター