妊娠したら、なんだか「便秘」がちになった・・・という妊婦さんはいませんか?
妊娠中の「便秘」の原因は、妊娠前と同様、食生活や運動などの生活習慣が大きな割合を占めています。
今回は、妊娠すると便秘になりやすい理由とその解消法についてお伝えします。
【妊娠すると、なぜ便秘になりやすいの?】
①ホルモンバランスの変化
妊娠中は黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加します。
黄体ホルモンは、胎盤の形成や胎児の成長などを促進する一方、消化管の収縮を抑える働きもあるため、腸のぜん動運動を鈍くさせて便秘を引き起こします。
②つわりによる偏食
つわりになると思うように食が進まず、食事量が減少したり、食べられるものが偏ったりするため、排便を促してくれる水分や食物繊維が不足しがちになります。
③子宮の圧迫
妊娠中期から後期になると子宮が大きくなり、胃や腸などの消化器官を圧迫します。そうすると、余計に腸の動きが鈍くなって排便がスムーズに行われず、便秘になります。
では、「便秘を予防・解消」するためにはどうしたらよいのでしょうか?
【便秘解消の4つのポイント】
①食物繊維を摂ろう!
1日の食物繊維の推奨摂取量は、成人女性で18g以上(日本人の食事摂取基準2020年版)となっています。
食物繊維は、体に絶対的に必要な栄養素ではありませんが、体の健康を維持する上でとても大切な栄養素です。
便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値が上昇するのを抑えたり、血中コレステロール値を低下させるなど、さまざまな作用があり積極的に摂取することがすすめられています。
最新の研究では、妊娠中に食物繊維を摂取することで胎児の代謝機能の発達を促し、出生後、子どもの肥満発症の抑制につながることがわかってきました。
自分自身の健康はもちろん、胎児が健康に育つためにも、日ごろから食物繊維を意識して摂るようにしたいですね。
食物繊維は、肉類や魚介類などの動物性食品にはほとんど含まれず、野菜や豆類、きのこ類、海藻類などの植物性食品に多く含まれています。
特に、こんにゃく、さつまいも、切り干し大根、ひじき、ごぼう、筍、納豆、あずき、おから、しいたけ、ドライフルーツなどに豊富に含まれているので、これらの食材を毎日食事の中にとり入れるとよいでしょう。
また、玄米ごはんや、麦ごはん、胚芽ごはん、ライ麦パンなどにも多く含まれているため、白ごはんを置き換えると、食物繊維を摂取しやすくなります。
②水分を摂ろう!
朝は起きぬけにコップ一杯の水を飲み、腸を目覚めさせましょう。
スムーズな排便には水分が欠かせません。
こまめな水分摂取も心がけてくださいね。
もし、つわりでお水を飲むのがつらかったら、ノンカフェインの麦茶やルイボスティーなど飲みやすいものを飲んでもOKですよ。
③乳酸菌を摂ろう!
乳酸菌は腸の働きを整えてくれるので、ぜひ摂ってください。
ヨーグルトやチーズ、納豆、漬物、キムチなど発酵食品に多く含まれています。
食べやすいものを選んでとるようにしましょう。
ただし、チーズや漬物、キムチなど、塩分の高いものはとり過ぎに注意してくださいね。
また、ナチュラルチーズはリステリア菌の恐れがあるので避けるようにしましょう。
④適度な運動をしよう!
便秘解消には体を動かすことも大切です。
ストレッチやウォーキングなど軽い運動でもOK!
適度に体を動かすことで、腸の働きが活発になります。
ただし、お腹が張ったら無理せず、横になって休んでくださいね。
いかがでしたか?
これでも便秘を解消できない場合は、主治医に相談して妊婦さんでも飲める便秘薬を処方してもらいましょう。「便秘」は悪化すると「痔」になることもあります。
そうならないために、普段から便秘予防を心がけ、「便秘気味」と感じたら早めに解消させましょう。
Text byくまこ/食育インストラクター